17話 魔性の女神
シリアスになってきました。コメントに続きの予想とか、伏線の予想とか飛び交うと嬉しいんですが、まだコメントゼロ件です。ブクマと感想、増えるといいなぁ。
「飛燕斬!!」
すみません、瞬殺でした。飛燕斬一撃でした。あんだけ引っ張っといて、あんだけボス臭漂わせといて、ただの雑魚でした。
「案外弱かったわ」
「怖かったんですよ!!」
「おお、悪い悪い」
「頭を撫でないで下さい!!だからロリコンは嫌です!!」
おうふ、久しぶりにミーナにロリコン言われた気がする。だが、気にしなければどうということはない。
「よしよし、帰るか」
「話を聞いてください!!」
ぽかぽか俺を殴るミーナを持って帰る。多分他の人が殴られたら重症だろうなぁと思いながら、俺はギルドへ歩いていった。
「んで、その報酬がこれか」
宿で休む俺達の前には何十枚もの大金貨があった。合計すると5億以上、雑竜とアク○ゴンの討伐報酬を足したらこうなった。まさかあの真っ二つになったのがこんなに値が張るとは。
「ミーナ、欲しい物あるか?」
「そうですね…剣か槍が欲しいです」
「武器か。そうだな、前衛は俺がいるし、槍でいいだろう」
という訳で、例の武器商人のおっちゃんを探して市場に向かう。いつもの所にいた。
「よっすおっちゃん」
「おお兄ちゃん。ドラゴン狩りの噂は聞いてるぜ。どうだった?」
「おっちゃんからただ同然で貰った刀が役に立った。マジでありがとう、恩に着るわ。おかげでミーナも買えたしな」
俺の一言でミーナがお辞儀をする。
「兄ちゃん、幼女趣味だったのか…」
「なんで皆そう言うんだ…こいつは俺の一つ下だ…」
俺は頭を抱える。歳下が好きなのは認めるが、それはせいぜい12歳ぐらい、それ以下は圏外だ。え?十分だって?俺は歳上も三つぐらいまでなら圏内だぞ?うん、釣り合いは取れている。
「まあいい、で兄ちゃん、今度は何の用だ?」
「ああ、槍をくれ」
「どれだ?」
「一番いいのを頼む」
エ○シャダイみたいになった。そんな装備で大丈夫か?
「じゃあこれだな、ルーン」
ルーン?固有名持ちの槍か?なんか聞いたことあるような無いような…
あ、呪われた槍だ。どす黒い液体、多分血に浸しておかないといけない槍だっけ?
「って魔槍じゃねえか!!危ねーな!!」
「確かに魔槍だが、そこまで危険な物でもないぞ?」
「…そうなのか?」
「ああ、実力は折り紙付きだ。大金貨10枚でどうだ?」
「…9枚に負けろ、魔槍だろ?危ねーかもしれないじゃん」
探求者先生のおかげで安全確認はできているが、それは黙っておこう。
「いいだろう、大金貨9枚だ」
「よし買った」
俺は大金貨9枚を払って、ルーンをミーナに渡す。
「じゃあこれミーナのな」
「え、いいんですかこんな高いもの」
「買う前に言えよ!ほら、欲しかったんだろ?」
遠慮するのが遅い。そして、感情把握によって欲しかったのは看破済みである。拳闘士とか絶対しないだろうな。
俺達は今日は宿に帰り、明日王都へ向かうことにする。
「…行ったぞ」
彼の一言で、一人の女がどこからともなく現れる。女の名はマレーズ、彼女を読んだ男の名はゼリムと言う。
「あの妖刀と魔槍、どこから出てきたんだ?」
「祭壇よ」
「…アイツらに何の思い入れがあるんだか」
「あの方のお考えは私達には及ばないわ」
二人は幾つかの言葉を交わす。
「…次は王都周辺に召喚があるらしいわ、その準備が必要ね。手伝ってもらっていいかしら?」
「勿論だ。」
「「全ては女神ルナティック様の思召の通りに」」
その様子を見て、二人の女神が笑った。
「さてミーナ、何か弁明はあるか?」
「ヤ」
「嘘だな」
「一文字しか言ってませんよ!?」
「槍が勝手にって言うんだろうが!!」
俺たちの朝は静かに始まらない。今朝起きて、ルーンを見てテンションが上がったミーナが素振りをし、結果壁が一枚無くなった。弁償じゃねえか、勘弁してくれ。
「ミーナ、頼むから俺の財布をダイレクトアタックしないでくれ!!」
「ごめんなさい!!」
という騒動があって、今は馬車を借りに来ている。王都には馬車でも10日かかるらしく、徒歩では無理との事だ。つーか冒険って南の方から始まって、まずは北上していくイメージが強かったんだけど…何でかね?
とりあえず二人乗りの馬車を借り…いや、ここは奮発して最大10人ぐらい乗れる馬車を買おう、仲間はミーナだけじゃない、もっと増えるはずだ。
別にハーレムを作るつもりは無い。一夫多妻は許されるし、最初はそのつもりだったがいざとなると…多分無理だ。どう扱っていいか分からないし、嫉妬とかの制御がむずい、オタクの本能として推しが出来てしま…いやその点は優柔不断だから全員平等にはなるか。
そして何より…
押し倒す勇気が無い。
一人でも無理なのに、数が増えたら…絶対困る。ハーレムを作れば満たされるものは一つ、苦労は倍加。見合わねえわ。
「…変な事考えましたね?」
「いやこれからどんな仲間が増えるかなーと…」
「どうせご主人様ですから皆奴隷です」
相変わらず手厳しい、遠回しに俺に仲間なんて出来ないと遠回しに言われた。さて、いつも通りミーナに貶されたところで俺達は馬車に乗り込み、王都へ出発した。馬術スキルが君主にあって良かった。つーか武術扱いなのかこれ。
そろそろ1000PVいきそう。想像以上に最高だ。




