16話 ゲームで苦戦したあいつ
「という訳で、王都に呼び出しをくらった」
「ご主人様、物凄く嫌そうですね。」
「…正直、怖い。不敬罪とかありそう」
王に直々に呼び出されるとか、まじ怖い。竜狩りがこんな事になるとは…報奨は貰ったから、絶対面倒事だ。他の龍も倒して来てくれとか、王国騎士になってくれとか、絶対嫌よ?俺はミーナを撫でて一生を終えたい(謎人生)。
「そして行かなければそれはそれで不敬罪だよな…あー嫌やー…王様っていい人と悪い人の差が激しいからな…」
「それなら大丈夫です、国王は人格者と有名なので」
「そっか、よし行くぞ」
「軽くないですか!?」
ボケって楽やな。
「でもまあ、王都で欲しい物あるかもしれないしな…ちょっと金稼いで行くか。余裕はあるし」
「そうですか。分かりました」
俺達は冒険者ギルドに向かった。
俺がギルドに入ると、ギルド内がざわめいた。
「まさかアイツ…」
「ああ、竜を討伐した…」
「ミキじゃねえか…」
ふふん、もっと、もっと俺を褒め称えろ!!そして崇め奉れ!!
「横にいるのは…」
「元領主の娘!?」
「まさかアイツ…」
「「「幼女趣味だったのか」」」
「一個違いだよ!!」
思わず口が勝手に動いてしまった。綺麗なハーモニーを奏でてロリコンと言われる…お前ら、俺の気持ちわかるのか?
俺はイライラしながらクエストボードに歩く。これまでの実績と竜討伐の功績で俺はゴールドランクに上がっている。幾つか割の良い仕事も受けられるだろう。社畜舐めんな。
そして俺が選んだのは、雑竜(雑種の弱い竜)の討伐と未知の迷宮の探索、そしてクレイゴーレムの土核の納品だ。これらは全て西側でのクエストなので、簡単に全部回れる。
「ご主人様、大丈夫なんですか?」
「ん?心配してくれるのか?」
「いえ、そんなにクエストを受けて死なれたら、私が路頭に迷います」
「つまり心配って事か。安心しろ」
「ち、違いますよ!?」
全く素直じゃないなぁ。俺の感情把握スキルの事はもう少し黙っておこう。
俺達は依頼を受け、西門へ向かった。
「そしてこの有様である。」
「ご主人様!?実況してる場合じゃないですよ!!」
ふむ、雑竜なんて雑魚だと思ってたが、それなりに強いな。俺は考え事をしながら絶雪で龍の攻撃を片腕の動きだけで弾き返す。
「スマン、ボウセンイッポウダ」
「棒読みじゃないですか!!早く倒しちゃってくださいよ!!」
もー仕方ないなぁ。他ならぬミーナの頼みだ。俺は刀を振り、新しく覚えた技の名を叫ぶ。
「飛燕ざーん」
訂正、叫んでなかった。俺は気だるそうに言っただけだったわ。因みに雑竜は燕型の斬撃に真っ二つにされ、その血は絶雪が吸い尽くした。
「おーミーナ、大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです!!」
怒られた。いやーだって、他に強い竜と戦うかもしれないじゃん?模擬戦的な意味で竜の動きを見切れたらいいなぁと。
「次、迷宮な」
「嘘ですよね!?ご主人様ぁ〜」
珍しく涙目で懇願してくるミーナ。うお、泣いても可愛いとか美人は得だなぁ。だが迷宮には行く。
さて、この迷宮で偶然クレイゴーレムを発見、ついでに頭の核をくり抜いたった。ゴーレムは土塊に還った。
「ふーむ…難易度は銀-って所か、銅+ではないもんな」
「ご主人様、帰りましょう?」
「お前も強くはなってるはずだぞ?」
俺は涙目のミーナに言ってやった。一緒に竜退治もしたんだから、Lvは上がっているはずだ。ミーナのステータスを………見れるのか?
と思ったが普通に見れた。弄れた。思った程Lvが高くなかった。
そう言えば、俺の時もドラゴン倒してもLvは上がらなかったな。ま、いいや。
俺はミーナのスキルをいじくり回し、適当にスキルポイントを使う。どうやら俺と一緒に行動している時にレベルアップすると、ポイントを貰えるらしい。数値を見ると、現在Lvより若干高い程のスキルポイントだった。俺のスキルポイントを考えるとレベル1毎にスキルポイント2だったので、おそらくさっきの予想は正しい。
ん?ミーナに何のスキルをつけたか?…ツンデレスキルってあるんだね。いや、俺のおかげで手に入ったスキルポイントじゃん!?ちょっとくらい自由に使ってもいいじゃん。
後は経済とか、身体能力上昇させておきました。
「さ、置くまで行くぞミーナ」
「え、待って下さいご主人様!!置いて行かないでぇぇぇ!!」
こいつは何だ、迷宮恐怖症なのか?
俺はミーナを無視し、ずんずん奥へ歩いて行く。背後からはとてとて音が聞こえるので、大丈夫だろう。
しばらく歩くと、開けた場所に辿り着いた。真ん中に大きな湖がある。これ、絶対なにかあるよね?ボス部屋ですか?
因みに、迷宮のボスは奥の迷宮結晶がある限り日にちを置いて無限に復活する。ボスなら倒そう。
「ミーナ、構えとけ。絶対なんかあるぞ」
「ひっ、嘘ですよね?」
ホントです。俺は絶雪を鞘から抜き、構える。
そしてそれは現れた。湖の中からデカい蛇のようなものが飛び出し、俺達めがけて頭から突進してくる。俺はミーナを抱えて緊急回避、巨大蛇は迷宮の壁に突っ込んだ。しかし、すぐにズルズルと壁から抜け出てくる。探求者先生!!コイツは何ですか!!
アクア・アナコンダ
HP 3,200,000/3,200,000
名前安直!!あの名作ゲームならアク○ゴンって名付けてたぞ!?倒したと思ったら下で復活したアイツ。
…知ってる人いるのかな?いたらいいな。
さて、俺はア○アゴンが元の場所から水球を飛ばして来たのをパ○ィ…出来なかった。水球は真っ二つに切れ、背後で爆発する。くっそ、ミーナを抱えたままだから片手しか使えない!!
かといってどっかで休ませるのも、一人で帰らせるのも無理だ。俺も帰る選択肢?やだよ。つーか二人で一本道通ったらあの突撃くるじゃん。
という訳で、俺とアクア○ンのハンデ付きの一騎討ちが始まったのだった。
ポ○クロの始まりの冒険、やった事ある人も多いのでは?大人の方に。私はまだ未成年ですが、母のPS2でやってました。




