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働いた事なんて一度も無いのに異世界行ったら社畜だった俺の無双劇。  作者: 粉兎 / パンケーキ
第一章 異世界行ったら社畜になった
16/50

15話 フカセ商会

書籍化とか出来たらいいなぁ。最近皆よく見てくれて嬉しいです。執筆のモチベーションも上がります。

 「ご主人様、起きてください♡」

 耳元で妙に艶っぽい声が聞こえる。

 

 「ほぁい!!」

 脊髄反射で飛び起きたら、ミーナと額がぶつかった。おつかいありさんか。いってぇな…

 

 「ご主人様!!痛いです!!」

 「うるせえ!!こっちだって痛かったんだぞ!?」

 「知りませんよ!!ご主人様が飛び起きるから!!」

 「飛び起きた理由!!」

 朝一で喧嘩とかもはや懐かしいわ。

 

 ミーナは朝食を食べに、『ご主人様の反応面白かったー』という雰囲気で立ち去っていく。あれ?もしかしてこれが感情把握のスキルか?

 

 これでもう、鈍感系とは言わせない!!

 なんてふざけながら宿の朝食を取り(硬いパンと肉。もういいもんね、自分の家いつか作るもんね。)、俺が食器を下げると、ミーナが話しかけてくる。

 

 「今日はお買い物に行きませんか?」

 こないだ行ったじゃん!と思ったが、奴隷に落ちた時にミーナは一切の所持品を剥奪されており、今着ているのはボロきれみたいなものだ。あの服、似合ってたんだけどな。…作るか、スキルで。

 

 「分かった。服とかも新調しないといけないだろうしな。」

 「ご主人様にしては空気読めますね。フカセ商会という最近できた商会の本店がこの町にあるらしいので、そこに行きましょう。」

 …ん?フカセ?ふかせ…深瀬…

 

 「大輝かぁぁぁぁ!!」

 「どうしました!?ご主人様!?」

 ミーナが若干引いているが知らん、ソレより問題は大輝の事だ。あいつ、マジで商業やってんのか!!五日で!!

 

 「何をやったんだアイツは…」

 俺は頭を抱えた。俺がアイツに渡したのは金貨30枚、日本円で言うと30万円だ。そっから五日で紹介を立ち上げるのが、どれだけ異常かは皆さんお分かりでしょう。

 

 俺はミーナに連れられて深瀬商会本店へ行くことになるのだが…コレはもう、アレだ。屋敷だ。アイツ、何の能力使ってるんだ…。

 

 

 

 「…ようこそいらっしゃいまs…って美輝じゃん!!」

 深瀬商会に入って一番最初に出迎えてくれたのはおそらく店長の大輝だった。こいつ、何やったんだ。

 

 「ご主人様、ミキというお名前なのですか?」

 おっと、ミーナが空気を読まず疑問点を提示、大輝に気付かれてしまった。因みにこいつ、歳上のお姉さんが大好きだ。ミーナは圏外。

 

 「ん?誰や?」

 エセ関西弁で質問してくる大輝に、ミーナが答えてしまう。あ、ヤバい、ミーナが悪い目してる。

 

 「私はご主人様の奴隷のミーナです。以後お見知り置きを」

 「ん?奴隷?美輝…お前こんな小さい娘を…そうか、やはりロリコンだったか…」

 「待て待て待て、コレはなし崩し的にだな…」

 「ご主人様、今朝もあんな事をしておいて…」

 「頭打っただけだよね!?俺が起きたらお前がいて、頭ぶつけただけだよね!?」

 「起きたらいたのか…つまり前夜は…」

 「大輝!?何を言ってる!?」

 嘘だ、あらぬ疑いを…違う、大輝のやつ、俺があたふたするのを見て楽しんでやがる。ミーナも。

 

 さて、俺がいじられ続けて5分。長かった。ようやく本題に入れる。

 

 「さて大輝、俺がここに来た理由は二つある」

 「何だよ」

 「一つ、ミーナの服を買う。」

 俺は人差し指を立てる。

 

 「二つ、お前がどうやって五日でこんな商会を作れたのか、その理由を聞く。」

 俺は中指を立てる。

 

 「こういう事だ」

 「なるほど、前者は大丈夫だ」

 ん?後者はダメなのか?

 

 「その通り、後者はダメだ」

 「人の心を読むな!!」

 …だがまあ、今のやり取りで分かった事が…無い。

 

 「じゃ、黒っぽい服を頼む。ミーナの銀髪には黒っぽい服が栄える、検証済みだからな」

 「あ、じゃあこれなんかどうだ?」

 大輝は奥から一着のワンピースを持ってくる。

 

 「昨日入荷してな、運がいいぞ。どっかの貴族が奴隷落ちした時にその所有物を奴隷商が売っぱらったらしくてな。」

 そのワンピースは…もう分かるよね?星柄ワンピだ。どの星柄って、あのミーナに似合う星柄だ。

 

 「買うわ」

 「金貨1枚な」

 「うぐっ、わかった」

 実はミーナを買った時に殆どの金を使い果たし、もうあんまり残っていない。せいぜい金貨10枚だ。その中から1枚も…まあいいか、すぐ稼げる。

 

 「まいどあり!!」

 「…板についてるな…お前。」

 俺は大輝に手を振り、別れを告げた。当分会うこともないだろう。

 俺は全速力で宿の自分の部屋に戻る。ミーナ?クソ早かった。スピードだけは俺やアルセイドにも引けを取らないらしい。

 

 「よし、ミーナ。着替えていいぞ」

 「…ご主人様の前でですか?」

 「…悪かった、俺は部屋の外にいる」

 いや、忘れてただけだよ?ちょっと見てみたいなーとか思ってないよ?ホントだから、信じて。

 

 「…あっ、」

 俺がドアを開けると、ミーナが声を上げた。

 

 「どした?」

 「何でも…ないです」

 ミーナはそう言って俺を部屋の外に押しやる。しかし、見えてしまった。やっぱり、感情把握スキルは俺には必要らしい。鈍感系主人公に、なりたくないもんな。

 

 という訳でミーナの着替えを待っていると、宿屋の主人が現れた。

 

 「先程いらっしゃった方より、お客様へのお手紙を預かっております」

 「ん?どれ?」

 俺は全く心当たりが無いのだが…いや、幾つかあるけどね?誰からだろうと思って、宿屋の主人が1階へ降りていった後で差出人を見てみる。

 

 アーカルム王国国王アルバ・アーカルム93世

 

 「マジかァァァァ!!」

 「うるさいですよご主人様!!」

 おっと、ミーナに怒られてしまっ…

 

 「…ミーナさん、服は?」

 下着姿で突っ込まれても、ねえ?ミーナの顔はみるみるうちに赤くなり、平手が飛んでくる。

 

 「このロリコン!!」

 「俺何も悪くねええぇぇぇ!?」

 叫んだけど、確かに叫んだけど、これは不可抗力じゃなかろうか。くそ、王め、こんなトラップを仕掛けるとは(理不尽)。

ミーナはメインヒロインですよ?(威圧)

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