10話 嫉妬の精算
今回ウルトラグロです。それはもう、言葉では言い表せないほどグロいです。自分で作ったキャラながらもすごくイラついたので、兎に角酷い目に合わせました。やりすぎました。
「さて、俺がイラッとしたのは4回だな。何だよお前すげえ理不尽だな。」
「私は…辛かったよ?毎日毎日…火を起こして…冷たいお風呂に入って…凍えて眠って…風邪を引いても誰も看病してくれない…」
だろうな。だから、こんな少女を殺そうだなんて、許されないんですよ。あ、五回目だ。
「今のミーナの話を聞いて更にイラッとしたから5本な。」
俺の手にじゃらっと5本の楔が並ぶ。
「まっ、待ってくれ!!あたしの話も…」
「いやお前話通じねえだろ。」
「うあぁぁぁぁぁああ!!」
まずは肩に一本目の楔を打ち込む。地面には絶雪を置いているので、血痕は残らない。後でみんな纏めて埋めればオッケーだ。
「所で、嫉妬する側ってどんな気持ちなの?俺嫉妬とか良くわかんなくてさ…正直、馬鹿にしか見えない。」
二本目、マーサは悲痛な叫びを響かせる。
「ミーナもやってやれよ。嫌ならいいけどさ?」
「…やる。」
少女に人を拷問させるって、俺すげえ鬼畜やな。でもまあ、俺が殺しても復讐心は消えないだろう。
復讐心と言うのは、満たされない。一度燃え上がった復讐心は、赤の他人がどれ程残酷な刑を与えても癒されることは無い。自らの手で復讐心を遂げて、初めて癒される。
幸せで忘れる事も出来るが、俺には無理だ。スタイルが良くて何でも出来る自信はあるが、スペックと女心の分からなさには定評があるからな。
「ひぎっ!!ふグッ!!あぎぃ!!」
なんて考えている間にミーナは復讐を進める。うっわ、少女が叔母の内臓抉ってるよ…磔の楔って拷問用の技だから死ねないし失神出来ないから…うわ、想像しただけで死にたい。
「殺しテッ!!あがっ!!」
ミーナはマーサの内臓を握り潰し、うわ、頭に楔打ち込んだ!!突き破られた頭蓋骨から脳が抉り出される。これ、なんてグロゲー?
うるさかったのか、ミーナは今度は喉笛を滅多刺し。うん、もう残り日本の楔要らねえわ。
マーサさん泣いてる。いや泣いてなかったらおかしいわ。うわ、きったねえ。ん?何が起きたかって?拷問、汚ねえと言ったらわかるだろ?あーマジ誰得だよ。
さて、そろそろ仕上げと行くか。
「ミーナ、そろそろ殺すからどいてくれ。」
ミーナは無言で頷き、背後に引く。俺は入れ替わるように前へ出て、大罪魔法の詠唱を始めた。
「狂い死せる嫉妬の炎よ、咎人の罪に罰を与えて虚構へ消えよ」
詠唱長ーい…実際の戦いではMPとか考えると使えねえな。
「大罪魔法『嫉妬』」
俺の詠唱が終わると同時にマーサの足先と手先がオレンジ色に光り、煙草のようにじわじわと灰になっていく。マーサは涙目でこちらを見て、口からカヒュッカヒュッと空気が抜ける音がする。何か言いたいのだろうが、何にせよ手遅れだ。
「マーサさん、魔法はもう発動したんだよ。悪いが俺達にも止められない。そこで静かにくたばってくれ。」
俺は絶雪を拾い上げ、ミーナを連れて一度も振り返らずに町へと戻って行った。あ、死体処理忘れてたわ。
そして、町に入ると警備隊だ。畜生、あのBBA、こんな所にも伏線を…最悪だ。
「貴様らがマーサ・リノユルドを殺害した事は既に調べがついている。大人しく降伏しろ。」
やっぱ衛兵さん強…ん?一人Lv150聖騎士とかいるぞ?俺は自分とそいつのステータスを見比べる。
名前:大下美輝
Lv62
ATK:2,790
DEF:1,821
MATK:3,115
MDEF:2,371
DEX:2,957
LUC:790,873,625
名前:アルセイド・ユーフォリア
Lv157
ATK:3,920
DEF:4,291
MATK:1,359
MDEF:3,290
DEX:1,967
LUC:462
…死ぬわ。クソつええわ。社畜つええって思ってたけど…いや、俺の2.5倍のLvだけど…それでも、正直こんな強いのがいるとは思ってなかった。
「はぁ…ミーナ、無理だ。あの男、アルセイドって奴には勝てねえわ。」
「成程、自らの力量について良く分かっているようだ。確かに、ここにいる騎士達では相手にならない程貴方は強いが、私には勝てないだろう。」
「…そういう奴の鼻っ柱をへし折るのが俺の趣味なんだが…今回ばかりは無理っぽいな…」
ダメだ、ステータスで負けている相手に勝てる自信が無い。そもそも、能力値が同じ位でも、技量の差がある。多分数値以上に差があるだろう。
「私が…やりました。」
「…は?」
突然、ミーナが前に出た。
「私が…彼にマーサ・リノユルドを殺害させました…。」
「本当なのか?」
「はい…彼に一切責任はありません。私が強迫してやった事です。」
「何を言ってるんだ…ミーナ?」
ミーナは連行されていく。いやいや、マーサが悪いんだろ?クソっ、どうすれば良かったんだ…
「ありがとう、冒険者さん。」
初めてロリコン以外で呼ばれた。それがこんな場でなんて…
「そんな馬鹿な話があるかぁぁぁぁ!!」
俺の叫びが木霊する。俺は無力だった。




