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詩*祈りのようなもの*

静かな街で

作者: a i o

歩道橋から見下ろした

濡れたアスファルトを照らす

ヘッドライトはセロハンの黄色

赤信号につかえても

また次々と流れ出す

わたしの濡れた靴と

この居心地の悪さもいつか

からい過去になりますように


街は静かでした

音は本当は至るところで

囁きあっていたかもしれません

でもそれらが一つになってしまえば

それはとても静かでした


ひと心地ついても

かりそめのブレーキランプ

キチキチと鳴るセロハンの赤

いたずらに動き出すようで

皆どこかへ帰るのならわたしも

名も知らぬ帰りたい場所へ

どうか帰れますように


街は静かでした

本当は誰も

眠ってなどいないかもしれません

わたしばかり夢みているのかもしれません

でもそれらを差し引いても

街はとても静かでした


つくりものめいた夜の中で

色ばかりが鮮やかでした

歩道橋から下りて

平らな道で何度も何度も

明日へ吹く風を見送りました

すると不意に

頬に当たるぬるい風に気付くのです





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