級友との再会
僕は自分の部屋に戻り、小さい溜め息を付きながら準備した。
僕の家から駅までは歩いて15分ほどで着く。
駅に向かう途中も浦野さんは何故僕の家を知っているのか?
こんな遠く、しかも平日に何の用なのか?
とそんな事をずっと考えている。
そんな事を考えてるうちに駅に着いてしまった。
駅の入り口で待つことにしよう。
携帯を見ると時刻は16時45分。
少し早く着いたかな?
と考えていると、
「松田君~」
どこからか聞き覚えのある声が聞こえる。
その声のする方を向いてみると、浦野さんがこちらへ走ってきている。
「はぁはぁはぁ、待った?」
「いや、今来たとこ。」
「そっかぁ、ここじゃあれだし、歩かない?」
「そうだね。」
ということで、どこかへ向かって歩くことにした。
歩いている途中も会話がない。
そりゃあそうだ。
浦野さんとは中学の三年の内一年しか同じクラスになっていない。
お互い沈黙の中歩くこと10分。
小さな公園が見えた。
平日だからだろうか、子供や親の姿はない。
「あそこにしよ?」
「そうだね。」
二人は公園の中にあるベンチに座ることにした。
お互い沈黙が続くこと5分。
僕から口を開いた。
「どうやって僕の家を知ったの?」
「田中先生が教えてくれて…」
田中め…
僕は心の中で、三年の頃の担任の田中先生を憎んだ。
「で、こんな平日にしかも遠いのにどうしたの?」
僕は一番の疑問を口にした。
「実は…
爽太が、ずっと明君の事言ってて…」
「何て?」
「逃げられると思うなよって…」
僕は無言以外見あたらなかった。
爽太………………
今一番聞きたくない名前を聞いて思わず固まってしまったのだ。
爽太君と明くんの間には一体何があったのか?
さて、次回も明くんの中学時代のお話です!