二話 クラス一の浮いた者
あの男の子は誰だったのだろう?
そんな事を考えながら校舎へと向かった。
僕は東京から親の転勤で山口県のこの学校に通うことになった。
だが、ドラマやアニメで見るような自己紹介は無かった。
何故なら入学前に、ここに引っ越したからだ。
転勤が決まりバタバタと転校届けを出し入学前に間に合ったのでここにいる生徒達と同じように通学している。
まぁ、自己紹介みたいなのをすれば、最初だけ皆の注目になるだろうから、それはそれで有り難かったのだが。
ガラッと教室のドアを開ける。
すでに来ているクラスメートは一瞬こちらを見るが僕だと分かった瞬間顔を正面に向けいつものように雑談している。
そう言えば、クラスメートの名前知らないな。
まぁ、皆も僕の名前を知らないだろうが。
「松本君」
誰かに呼ばれた気がするが、顔を向けない。
僕の名字は松本ではなく松田だからだ。
多分今呼んだであろうその人は僕の事を感じの悪い人だと認識したであろう。
まぁ、名前を間違ってる時点で人の事を悪く言える立場ではないだろうが。
その日も淡々と1日が過ぎていく。
そして、昼休み
僕はいつものように学食の一番隅っこで一人
ランチを食べる。
突然騒がしい声が聞こえて来た。
入口の方を見ると、明らかに悪さしていますよと言わんばかりの歩き方で歩いてくる数人グループが。
その中に今朝木から落ちたあの男の子が。
顔を見られないように下を向いていたが、数秒後。
「あれ?君は今朝の…」
声をかけられビクッとしてしまったが、お決まりの姿勢である下を向き人違いアピールをした。
その内
「おーい直人 こっち空いてるぞ~」
と悪さグループの一人がその男の子に向かって叫ぶ。
「おー、了解!」
元気よく走って行くその男の子の背中を下向き姿勢を解除し、ぼーと眺めていた。
二話目書きました。
ありきたりな内容だと思いますが、僕の言葉で、文字で少しずつ作っていけたらと思います。
どうかコメントをお願いします。