自己紹介
浦野さんが帰っていく姿を見ていたが、聞いた事のある声で容易に相手が誰か分かってしまった。
少し嫌な予感がした。
振り返ると案の定直人と呼ばれる人がこちらへ向かって来る。
「はぁはぁはぁ、こんな所で何してたの?」
直人と呼ばれる人が聞いてくる。
正直何と答えよう…
「答えれない事? なら良いけど。」
あっさり引くなこの人。
「中学時代の友達が遊びに来てたんだ。
ここで話してただけ。」
「ふーん、 てか、初めて話すよね?オレは直人。君は?」
名前は知ってる。
「明。 松本明。」
直人は少し嬉しそうだった。
どちらかといえばジャニーズにいてもおかしくない童顔だ。
「友達ってあの女の子でしょ?
可愛い~な~。彼女だったりして(笑)?」
「彼女ではないし、仮に彼女でも君には関係無い。」
「まぁそうだけど(笑)」
「僕は帰るよ。それじゃ。」
「待って待って待って!せっかくだから連絡先交換しない?」
僕ではなく、女の子にすれば良いのに。
「また今度ね」
「えぇ~? まぁ良いけど。」
そして帰ろうとしたその時直人はぼそっと。
「オレ達似てるな。」
その言葉に何故かドキッとしてしまう。
しかし冷静を装って僕は家へ帰っていった。
2人の初めての自己紹介
直人の意味深な言葉。
ここから明の学校生活はどんどん変わっていきます。