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序章
いつもと変わらない学校への道
僕は小さいため息を吐きながら下を向いて歩いている。
学校へ向かう道は住宅街を抜け少し急な坂を上って行く。
この坂道が登校の一番の難所だ。
運動部ならともかく帰宅部の僕には毎日登るのは苦行と変わらない。
少しずつ見えてくる校舎
またつまらない1日の始まりだ…
ドスン!!
急にどこからか何かが落ちる物音が。
辺りを見回すも何もない。
恐る恐る後ろを振り返るとそこには腰を痛そうにさする男の子が。
「あいたたたっ」
そう言いながらゆっくりと立ち上がる男の子。
「いや~、猫が木から降りられないと思って助けに行ったら、まさか自分が落ちるとは(笑)」
そう言いながらゆっくりゆっくりと校舎へ向かっていく。
変な奴だな…
これが僕と君との初めての出会いだった。