表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

2

ある夏の日のこと、いつもと同じようにシフトに入って、閉店間近になった時、中学からの悪友3人がバイト先にやってきた。

隣の県にある有名な心霊スポットに行くから、お前も行かないか、と言う誘いだった。

明日は特に予定もないし、締め作業さえ終わらせてしまえば、今日の仕事は終わりだ。


最近こいつらとも遊んでないし、久しぶりに付き合うのもいいかと思い承諾した。



その決断か良かったのか悪かったのかは、未だにわからない。



その後、無事に締め作業を終えた俺は帰り支度を急ぎ、次のシフトを確認してから店を出た。



「ワリィ、お待たせ!」


「おー、お疲れー」


「お疲れー」


「んじゃ、行きますか!」



乗り込んだ車はスムーズに動き始め、隣の県へと向かう。

久しぶりに会うため、会話は途切れることなく続く。

気付けば隣の県に入っていた。

心霊スポットに着く前に、気になっていたことを聞いておこうと口を開く。



「そういや、なんで心霊スポット行くことになったんだ?」


「あー、言ってなかったっけ?

まぁ、強いて言うならノリなんだけどさ。」


「そうそう、夏だし暑いし暇だし、最初はレイトショー行くかって話だったんだけど。」


「レイトショーがチープなホラー映画ばっかだったから、だったら実際に行った方が面白くね?って話になってな。

んじゃ、マサヒロ誘って行こうか、って。」


「へぇ、それでか。」



まぁ、想像の範囲内の答えだった。

俺自身、幽霊とかそんなの見たこともなければ感じたこともないし、こいつらもそうだろう。

中学からの付き合いだが、そんな話はいっさい聞いたことがない。

それに、高校の頃には学校の七不思議の徹底検証とか言って、四人で真夜中の校舎に忍び込んだりしたが、なんともなかった。今ではなんとも恥ずかしい思い出な訳だが。


だから、気を抜いていた。


今回もきっと何も起こらないだろう。

「なんも起きなかったなー、」とか言いながら、誰かの家に行って酒でも飲みながらグダグダ話して朝まで過ごすんだろう。


そう、思っていた。

いつもと変わらない、そんな日だと思っていた。


でも、日常が非日常に変わるのは、あっという間だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ