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隠居生活のためのギルド設立〜怪しいやつばっかり仲間になるせいで各所から悪の帝国としてマークされてるんだが〜  作者: 歩く魚


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デス・カイザーと年齢

「とはいえ……とはいえだ」


 商人の姿を見送り、門番にバレないように近くの森へと移動した俺たち。

 一息ついていると、クレイド何かを弁解するように呟いた。


「せっかくバルフェスタまで来たんだ」


 そういう事か。

 先ほど、クレイドはバルフェスタの魔剣について話していた。

 やはり中二病。実物を目にしたいのだろう。


「――海鮮が美味いぞ」


 食いしん坊かお前は。

 魔王軍幹部に加えて食いしん坊属性。

 いくらクレイドがイケメンでも、そろそろキャパオーバーである。


「確かにそうですねぇ」


 ボズがうんうんと頷く。

 隣にいるレイラも、心なしが目が輝いているように見える。


「ボズ様はいかがですか?」

「俺か? そりゃあ……街中で追いかけっこにならないなら食べたいけど」


 自分がバリバリの庶民という自覚がある。

 もちろん、美味いものも好きだ。


「……しかし、お前たちは顔が割れているんだろう。今日は諦めるしかないんじゃないか?」


 ボズに関しては冤罪だし、しっかり説明すれば理解してもらえそうな気もするが……問題はクレイドだ。

 こいつは他所の街で一体なにをしでかしているのか。

 聞くのも恐ろしい。


 だが、俺の不安を意にも介さず、クレイドは得意げに口を開く。


「ならば……俺たちが変装すればいいだけのこと」

「変装って、そんなことができるのか」


 もちろん、とクレイドが首を縦に振る。


「俺を誰だと思っている。元魔王軍幹部としての力は戦闘だけにあらず、敵の目を欺くのもお手のものだ」

「……なら、俺と初めて会った時にも姿を変えておけば良かったのでは?」


「…………それはアレだ。変装していたらお前と出会えなかったかもしれない」

「門番にもバレなかったのでは?」


「………………それはアレだ。アイデンティティというやつだ」

「まぁまぁデス様」


 魔界騎士だか暗黒騎士だかを詰めていると、横からボズが会話に入ってきた。

 彼の言葉からクレイド側のようだ。


「お言葉ですが、私たちの服装は“格”を示すものであります。たとえば私がみすぼらしいボロ布を纏っていれば、誰も私と取引をしようとは思いません」

 

「その通りだ。お前のように庶民的な装備でもオーラを感じられる者は珍しい。俺たちのような凡骨には真似できないということを知ってくれ」


 図体がデカいだけの俺のどこにオーラを感じるのか、小一時間問い詰めてやりたかったが、彼らの視線はまっすぐで気を削がれてしまう。


「……本当に変装できるのか?」

「できる」

「誰にもバレないくらいに?」

「できる」


 俺は小さくため息を吐き、クレイドに肯定の意を示す。


「ならいいだろう。どのくらい待てばいい?」

「そうだな、俺は確定として、ボズはこのままでもいいが……」

「いえ、万一にもデス様にご迷惑をかけるわけにはいきませんので。クレイド様、お手数ですが私の分もお願いできますか?」

「承知した」


 お尋ね者(仮)であるクレイドは分かるが、ボズは前科があるわけでもないし、姿を変える必要はないはず。

 だが、彼は納得いかないようでクレイドに頭を下げた。


 そして、騎士は俺たちに少し待つように告げると、森の奥へと消えていった。


「……デス様」

「どうした?」


 レイラが控えめに声をかけてきた。

 

「……私は変装、しなくて良いんですか……?」

「もちろん。お前はどこからどう見ても可愛らしい少女だ」


 彼女の頭を撫でてやると、猫のように目を細めて身体を寄せてくる。

 実際には少女というには少し大きいが、嫌がっていないからいいだろう。


「……デス様」

「どうした?」


 ボズが控えめに声をかけてきた。


「……私は変装、した方が良いですよね……?」

「もちろん。お前はどこからどう見てもカタギではない」


 彼にそう言うと、マーモットのようになんとも言えない表情になる。

 だって、人の願いを叶えて最後に自業自得ルートにぶち込むセールスマンみたいなんだもん。


「……そういえばボズよ。お前の年齢を聞いていなかったな」


 俺より十……いや二十は上でもおかしくない。

 おそらく四十代中盤ではないだろうか。


「これは失礼いたしました。私は――今年で二十九になります」

「二十九!?」


 めちゃくちゃ若かったよこの人。

 なにをどうしたら、この歳でここまで脂ぎれるんだ?


「ですがご安心ください! ベテランには負けないというところを行動で示しますので!」


 力強い意気込みを聞かせてくれるが、そもそも心配していない。

 ただ平和に農業とかしててほしい。


「ちなみにですが……デス様のご年齢を聞いてもよろしいでしょうか? あぁいや、私のような者に明かす情報ではありませんな。申し訳――」

「俺は二十三だ」


 あれ、二十四だったっけ?

 前世ですら途中から数えていなかったのに、年齢があまり関係ないファンタジー世界では余計に忘れてしまう。


「そ、そのような若さで、これほどの力を……! ますます感服いたしますッ!」

「ん。私は年上が好き、です……」


 年齢ひとつで褒められていたらダメ人間になってしまいそうだ。

 人をダメにするセールスマンと美少女。


 くだらない会話を続けること三十分。

 ようやくクレイドが戻ってきた。

ちなみにクレイドは25くらいです


星をいただけるととても嬉しいので、お手数ですがよろしくお願いいたします!

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