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統月記  作者: p8s
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神様転生 前説

誰も読まないから何も気にせず投稿できる つまり無敵

 「現代は悪魔がよく微笑む時代なんですよ」

 現代は悪魔がよく微笑む時代らしい。突然眼前の自称神様が語り出す、それもつらつらと。

 閑話休題、結構長ったらしいその話を要約すれば俺は悪魔とかいうオカルト的存在に目をつけられて、まんまとそのたまを取られたらしい。まあ死んでしまったことは絶望的に悲しいし、どうしようもないことだが、なぜ神様がわざわざ御降臨下さって有難い説法を頂いてるのかというと、なんと幸運にも俺は神々の救済の対象に選ばれ、ゆえに魂のみに成り果てた姿で件の悪魔の囚われから助けられて、何処だか解らぬここに連れて来られて今に至る。

 「我々は貴方に大いなる希望を見出し期待をよせていた、いえ今も寄せているのです」

 つまり悪魔に奪われた俺の将来において、彼らの見守る世界をより良い形へと導く可能性、そんな未来もありえたらしい。このあったかもしれない輝かしい未来の可能性とやらに、眼前の自称神様はかなりご執心の様子で、頑張って頑張って一生懸命同僚や上司への説得を積み重ねて条件付きで俺の復活する権利を捥ぎ取ったと。というか自称神様にも同僚とか上司への根回しがあるのか世知辛いな。

 「ですからこれより我々が見守る中の一つ、貴方が生きたこの世界ととても良く似た歴史を歩むもう一つの世界、そこで貴方には貴方の未来の可能性を証明していただきたいのです」

 自称神様と愉快な仲間達、神々は俺の復活のためだけに世界を俺の死以前の瞬間までロールバックしてくれるというが、その条件が異世界転生して俺が俺自身のまだ見知らぬ輝かしい未来の可能性を実現して証明してみせろと、しかもノーヒントノーチートで。「自称神様質問です」とわざわざ手を挙げて聞いてみるとめっちゃいい笑顔でそう返された。

 「我々は・・・、私は貴方を信じています」

 それは強制参加ですかと二の句を継ごうとした直前で、俺の両手を抱えるように包み込んで自称神様は突然祈るような真剣な面持ちとなり語り終えた。少し長めの沈黙の後に、俺は俺でこの理解が追い付かない急展開と状況そしてこれからについてどうするのか黙って考えてみた。まあ何か都合の良い言質を取られないよう警戒しつつ、焦らずに落ち着いて自分のペースでゆっくりと。しばらくの沈思黙考の末ようやっとまあひとつの結論に到達する。そうすると間を置かずに。

 「その沈黙は是ということですね。良かったです。そして感謝します。」

 自称神様は再び口を開き、こちらの考えを理解した上で、厳かに俺を異世界へと転生させる準備を始めた。俺も決意を固めて、その文字通りに神聖な儀式を受け入れる準備を始める。

 「敢えてサヨナラとは言いません。再びこの世界で貴方と貴方の未来が輝くためにこの新たな旅路に幸があらんことを」

 そして扉は現れ、開かれた、そのあちら側に向かう途中で「余計なことかもしれませんが」と自称神様は最後の言葉とともに俺を祝福してくれた。「これは内緒です」と唇に人差し指を添えて。

 「ヨシッ!」

 まあなんとかなるかな。

何とかなるかもしれないし、そうでないかもしれない。でも美人の女の子にお願いされたことなのだから悪い気はしない。そんな心持ちで俺は俺の新たな一歩目を歩み出す。割と碌でもなかったこれまでの人生とも一旦お別れになるし、他人から期待を寄せられるというこの感覚もひどく新鮮で悪くはない。去らばよ今世、こんにちは新世。こんなやりとりがあって俺は・・・・僕の新世界での人生が開幕した。

 

 ちなみに女神は美しくも幼児体型だった。あと最後の記憶を辿ってあたりを付けた件の悪魔だろう存在はナイスバディーの大人の女性然してたような、そんな取り留めのないことを考えていると件の美しいロリ女神様から手荒いチョップのような突っ込みを食らった気をした。結構痛かったので頭を摩ろうとした瞬間、つまり扉を潜ってからほんの数瞬で世界が流れ込むように押し寄せてきて、僕は産声を上げた。

   結月 藤四郎

 僕が生まれた新しい世界はそう戦国時代だった。



 


畢竟 コメントとかもらってる人すげぇな  尊敬する

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