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山田くんの寝言

作者: 高橋ひかり

ルームメートの山田くんの寝言が謎すぎる。

 僕は全寮制の学園に通っている。学園に併設する寮で生活していて、寮では1部屋に2名が同居するようになって、トイレ、お風呂、食堂などは共用となっている。

 

 僕の部屋には、同じクラスの山田くんと一緒に生活しているが、そのルームメイトの山田くんの寝言が不思議だ。


「……ほら、明るくなっただろう」

 突然、日本史の教科書で見た風刺漫画みたいなことを言い出したと思ったら、

「キチンと電気をつけたら明るくなっただろう」と付け加えていた。

 思わず「そっち!?」と突っ込みをいれた。


 また別の時は、「むにゃむにゃ……もう、食べられないよ……」とベタな寝言かと思ったら、

「小ライス大盛り定食はーー」と言っていた。

 小ライス大盛り? それは普通盛りじゃないのか?


 昨日は「手を上げろ!」と言ったと思ったら、「50代にしては、腕がそこまで上がるということは、まだお若いですね」とニヤニヤしながら寝言を言う山田くん。

 

 ………一体どんな夢を見てるんだ?


 気になったので、寝言がすごいけど、どんな夢を見てるの? と聞いても、覚えていないの一点張り。こんなことを言っていたと説明しても、「ほんと?」と不思議な表情をしていた。

 どうやら、自分の寝言は覚えていないみたい。


 その日の夜も訳の分からない山田くんは寝言を言っていた。

「桃太郎さん、桃太郎さん。お腰に着けたきび団子ーー」と言い出した。まさかの昔話!? と思っていると、

「きび団子だけじゃなくて、刀と金目のものを置いていけ」

 まさかの追い剥ぎ。どんな夢を見てるんだよ。


 山田くんの寝言が気になって、今日も眠れなそう……。

 

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