9話:戦士の試験
「戦うってそんな必要ないだろ?」
「いや、私が戦ってみたいんだよ。
革命者と戦えるなんてワクワクするし。」
つまり戦いが好きなのか?
「…わかった。ならやろう。」
「ほんと?ありがとう!
それじゃあ始めよう。」
「ああ。よろしく。」
「あっ、そうだ。
ルールの説明するね。魔法はダメ。
村に被害がでるかも。オッケー?」
「わかった、けどそのルールは
俺がきつくないか?いやいいけど。」
「お、自信があるの?」
「まあね。」
俺はサバトヴィレッジで1年修行して来た。それに天使の能力『色』(カラー)も解放したからな。
多分勝てる。
「それじゃ行くよ!」
そう言うとミオはものすごい速さで俺の方へと殴りかかって来た。
…さっそく使ってみるか。
「『青色』(ブルーカラー)!」
【1年前】
時は1年前に遡る。
『なあ、コネクト。
俺が使えるのは天使の能力で
青色って
レオが言ってたじゃん。』
『はい。』
『青色ってどんな能力だったっけ?』
『はい。説明します。
青色は瞳が青く染まり、
洞察力の向上します。
そしてそれにより、
戦闘時に使うと相手の動きが
ゆっくりに見えます。』
『おお!』
『それともう1つ、
スキル、魔法は出来ませんが
相手の動きをコピー出来ます。』
【現在】
俺は今、青色を使った状態で
ミオと戦っている。
ミオが殴りかかって来ているが、
コネクトが前言った通り
ミオの動きがゆっくり見える。
これなら簡単に攻撃できるな。
俺はミオの攻撃をサラリと避け、
ミオの足を引っ掛けて転ばせた。
「うっ!」
ミオはすぐに立ち上がり
俺に向かって連撃を仕掛けてきた。
だが無論ミオの動きはゆっくり見えるので、避けるのは簡単だ。
右手、左足、空中へ飛んでかかと落とし。
面白いな、簡単に避けられる。
あ、そうだ。
青色ってコピーもできるんだよな。
やってみるか。
「青色『能力:コピー』」
俺の瞳は青く光った。
?これでできてるんだろうか。
シュッ、シュッ
もうしばらくミオの連撃を避けているが、
ミオの体力は尽きる様子が
一向に見られない。
こっちから攻撃してみるか。
スッ
俺はミオの右ストレートをかわして
腹にミドルキックを食らわした。
「っ…!」
「どうだ?これが俺の実力だ。」
「ははは。降参だよ。
攻撃も全く当たらないし。」
ミオは笑いながら言った。
「さーてと、立てる?」
ミオは地面に座っていたので、
立つのに手を貸した。
「うん。ありがとう。
そうだ。戦士の試験だったよね。
案内するよ。」
「おっ、助かるよー。」
するとミオは歩き出してすぐそこの、
でかい建物の前に止まった。
「はい。ここです!」
「近っ。」
「試験のルール説明するね。
ここの村の戦士が出てきて、
その人に勝てば戦士の職業に着けるよ。」
え?
「それだけ?
なんで3ヶ月程度もかかるって
言ったんだ?」
「まっ、その人強いからねー。
でもルアなら楽勝だよ!
何せここの村長である
私に勝ったんだし!」
「んー。まあやってみるよ。」
俺は建物の中に入って行った。
中はコロシアムみたくなっていて、
そこにはミオが言っていた
戦士らしき男が1人で立っていた。
いや、怖っ!
なんで1人でぽつんと居るんだよ!
「おい。」
ビクッ
びっくりしたー!
「は、はい。何でしょう?」
男は近づいて来た。
来るな来るな。
てかゴツっ!
「そんなに怖がるな。」
「いや、怖いんで。」
「…」
「すいませーん!」
「まあいい。
戦士の試験を開始するぞ。
準備はいいか?」
「はい。大丈夫です。」
「そうか、なら遠慮なく行くぞ!」
「青色!」
俺は試験が始まると同時に
色を使った。
大丈夫、勝てる。
なんせミオの動きをコピーしたからな。
勝算はこちらにある。
ガッ!ドン!バン!
戦いの音が建物内に響いた。