6話:魔女の領域
「じゃあやろうか。
まずは魔力のコントロールだね。
まずこれができないと危ないよ?」
「確かにそうだね。
どうコントロールするんだ?」
「ルアってレザルに教えてもらった通り
手に力を入れて魔力出してるでしょ?」
「うん。」
それを聞くってことは何かダメだったんだろうか?
「コントロールは手に力を入れる量を
変えるんじゃなくて、
魔力の出す量を変えるのね。
まあここまではわかるでしょ?」
「うん。」
「問題はどう魔力の出す量を変えるか
だよね。
はい、人間はこれができません。」
は?「え、じゃあどうすれば…」
スッ
レオは俺に指輪のような物を差し出した。
俺はその指輪を受け取り、指輪について聞いてみた。
「これは?」
「人間は魔力のコントロールができない。
だからその指輪で魔力を
調整するんだよね。そしてその指輪を『魔
力調整指輪』(マジックメント)って
言うから覚えといてね。」
「…わかった。」
「その指輪あげるよ。
さあ、魔力調整やってみよう!」
俺はマジックメント(指輪)を右手の人差し指にはめた。
本当にこれだけで人間に出来ないことを
可能にできるのか少し疑っている。
「まずは弱めからやってみよう。」
「オッケー。」
俺はレオより右の方向に、風魔法を
弱めの意識で、やってみた。
すると本当にこれだけで魔法の威力は確実に落ちている。
「ね?案外簡単でしょ?
だからこれでコントロールは終わり。」
えっ、早っ。じゃあ…
「次は?」
「次は魔法で形を作ってみよう。」
「と、いいますと?」
「魔法で剣や盾を作ろう。」
うわー、絶対難しいじゃん。そんなオーラが出てる。
「はは、嫌そうな顔だね。」
「難しそうだからね。」
「ここからは魔女の領域だからね。
まあでもまずは挑戦じゃない?
ほら、やってみよう。まずは…」
この後1時間かけてやっと剣の形になった。
もー、めっちゃ大変だった。
「じゃあ今日はそろそろ家に戻ろうか。」
「はい…。」
俺達は家に帰った。
帰ったと行ってもここは庭だから
10歩ぐらい歩けば家につくだろう。
【レオ目線】
私は家に戻りながら、
こんなことを思っていた。
…普通の人なら半月かかる魔法の形作りをルアは1日で終わらせた。
本当にルアはセンスがいい。
もしかしたら、本当にもしかしたらだけど…ルアならこの世界の
『革命者』
になれるかもしれない。
【ルア目線】
レオの家には2つベットがある。
俺はその2つあるうちの、1つのベットに入りながらこんなことを考えていた。
…この世界に来てから
魔法を習って
魔女を目指して
…俺はこの世界で上手くやって
行けるんだろうか?
…考えていても仕方ない。…寝るか。