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異世界革命  作者: DAI
1章:異世界への転生
1/13

1話:0.5%の転生

ーーピピピピッ、ピピピピッ。ーー

静寂な部屋で1人、デジタルの目覚ましが苛立たしく鳴っている。

ガチャ。

俺は目覚ましを止め

ベットから起き上がった。 

「はあ。眠い…。」 

だが高校には行かなければ。

身支度をし、ご飯を食べ、家を出た。

「いってきまーす。」



俺は17歳の至って普通の高校生、

蓮河蒼太れんかわそうた


たいした特技もなく、

極端に優れた能力もない。

バトル系漫画でいえば

すぐに死ぬ雑魚キャラだな。





学校が見えてきた。

俺は「小鳥高校」という高校に通っている。


あー、めんどくさい。


高校に楽しいことなんか

休み時間しかないんじゃないか?


それでも親に学費払ってもらってるからな。行かなければ。





やっと終わったー。


…疲れたな。

早く家に帰って休もっと。


そう思った。


だがそれが叶うことはなかった。


ゴゴゴゴゴ…


突然俺の周りに壁が現れ、道が塞がれた。



どうゆうことだ?


見た感じはコンクリートだが、

急にコンクリートが現れたので、

もちろん俺は混乱していた。



まずはここから出ないと。


「おーい。誰かいないかー。」


ドン!


後方からとても大きい音が聞こえ、

振り向いてみると全身を白い布(?)に

包まれている人物が立っていた。


この時俺はあまり危機感を

覚えていなかった。


思えば、なぜ感じなかったのだろう?



その人物はただ立っていた。


こいつ何者だ?


とりあえず話しかけて見るか。


「すいませーん。

この壁出したのあなたですか?」


「…」 

無言。何か言ってくれよー。

気まずいじゃん。


ブワッ!


その時急に、

何かからものすごい圧迫感を感じた。


…なんだこの圧迫感。

あいつから感じているのか?


「お前ほんとに何者だ?」


その時あいつから感じる

圧迫感の理由がわかった。


瞬きをした瞬間、

ほんの一瞬だ。



それなのにあいつは俺の目の前にいる。


「…っ!」

思わず後ろに下がった時、

俺は胴体を彼の拳で貫かれていた。


「がっ…」






目の前が暗い。

俺は死んだのか?

…死んだとしたら親に悪いな。

今まで育ててもらったのに。


…やっぱり俺はバトルですぐ死ぬ

雑魚キャラだ。



グンッ

何かに引っ張られた。

そんな感じがした。




もう長い時間この空間をさまよっている。

そして相変わらず引っ張られる感じがする。



すると急にその感じが無くなった。



今まで何に引っ張られてたんだ?


その瞬間引っ張っている正体がわかった。



「蓮河蒼太さーん。聞こえますかー?」


急に話しかけられたので少し驚いた。



「は、はい。誰ですか?」


「私はコネクトです。名前の通り、

あなたが暮らす世界と

異世界『バリアス』をコネクト(結ぶ)

する者です。」



異世界『バリアス』?コネクト?


「どうゆうこと?」


「つまり、死んだ者を異世界『バリアス』

へと転生させるのが私の役目です。」


「んー。てことは俺もその異世界

『バリアス』に転生するってこと?」


「はい。そうです。よろしいですか?」



転生。

漫画とかでよく見る異世界転生か?


…学校とは違って楽しそうだな。

「うん。よろしく頼む。」



「承知しました。

転生する際には名前が必要となります。

蒼太さんの新しい名前はどうしますか?」


名前。名前ねー。

蓮河蒼太はもう飽きたからな。

(親に悪いが)


蓮河れんかわから『レ』を取って、

蒼太(そうた)から『ソウ』を取って…


「『ソウレ』、なんてどうだ?」


「ソウレ、ですね。承知しました。

それと名前以外にもう1つ、

年齢はどうしますか?」


年齢…

赤ちゃんからやり直すってのもなー。

…別にこのままでいいかな。


「このままでよろしく。」


「承知しました。

転生した後に右手に

時計のようなものがあるのですが、

そこに私の分身を組み込みました。

なのでもし、異世界でわからないことが

あったらその時計にお聞きください。」


「へー。便利だね。」


「ありがとうございます。

それでは転生を開始します。

『コネクトの名において蓮河蒼太を

ソウレとしてバリアスに転生する。』」


キュイイイ…

なんだこの変な音。


「それでは異世界での生活をお楽しみください。」






「ん…」

目が覚めると俺はベットに寝ていた。


ここはどこだ?

家?誰の?

本当に異世界なのか?

そうだ、時計。


「確か右手に…」

時計…本当にあるな。

確か聞けば答えてくれるんだっよな。


「コネクトさん?」


『はい。どういたしましたか?』


答えてくれた!


「あのー、無事に転生できた?」


ん?今気づいたけど、俺の声おかしくね?

なにこれ?


『申し訳ありません。』


「え?」


『男性ではなく女性として

転生させてしまいました。』


女?


「…それは意図的に?」


『いいえ。わずか0.5%の確率で転生者は

異性として転生することがあり、

今回この転生で1000年ぶりに

それが起こってしまいました。

申し訳ありません。』


「…まあしゃーない!

次の人から気をつければいいだけだろ?

それに0.5%ってすごくない?」


『…はい。本当に申し訳ありません。』


「ほらほら。そんなに気を落とすなって。」


『はい。ありがとうございます。

それと私に話をする時、心の中で言えば

それで通じます。』


「あ、そうなの。それを先に言ってよー。」


今まで声に出して聞いてた自分が

少し恥ずかしくなった。



『あ、それとこれが今の

ソウレさんの姿です。』


ボンッ


急に鏡が出て来て

俺の手の中へと落ちてきた。


「へー。すごいな。これって魔法?」


『はい。まあそのようなものです。』


「ふーん。」

俺は鏡をまじまじと見ていると、

自分の姿が鏡に写った。


髪はミディアムの清純派に、

透き通るような青色。

そして美しく、可愛い顔。


「これが…俺?」


『はい。気に入りませんか?』


「うーん。いや、気に入ったよ。」


俺のタイプの顔だからな。


『そうですか。それなら良かったです。』


「だけどまさかこの歳で死ぬとはなー。」


『そうですね。』


「自分でもびっくりしたよ。

にしてもあいつ何者なんだろう?」


『あいつ、とは?』


「ああ。コネクトは知らないのか。

俺が死ぬ直前、家に帰ってる時に、

急に周りが壁で塞がれてさー。

その時に白い布でおおわれた人がいて、

そいつに殺されたんだよねー。」


『…その話詳しく聞かせて貰えませんか?』


「ん?いいけど?」


俺はあいつのことをコネクトに全て話した。


白い布で体を包んでいたこと、

瞬きの瞬間に目の前に移動したこと。

『それは…』


「どうした?なんか心当たりでもある?」


『いいえ。全く。』


「あ、ないんだ。」


『ええ、ですがおかしいですね。』


「何が?」


『私はほぼこの世界バリアスの

色んなことを知っています。

なので心当たりがないなんてことは

ほぼないのですが…』


「ってことはバリアスのことを

ほぼ知っているコネクトでも知らない、

得体の知れないものってこと?」


『はい。そうなりますね。』


そんな話をしている時、

家の玄関のドアが開いた。


ガチャ


「よいしょっと。」

髪はロングで茶色をしている、

綺麗な女性だ。


服は魔女みたいな服だが。

年齢はおそらく同じくらいだろう。


この家の持ち主かな?

すると女性は俺のことを見て

話しかけてきた。


「あっ、おはよう!調子どう?」


「…大丈夫。元気だよ。」


「良かったー。

森で倒れてたから心配したんだよ?」


倒れてた?俺が?


「…てことは君がここまで

運んでくれたの?」


「うん。そうだよー。」


どうやって?

まあいい。

まずは感謝だ。

「ごめん、ありがとう。」


「ううん全然平気。

ところであなた名前は?」


「俺は蓮河蒼…じゃなかった。

ソウレだ。」


「俺?」


ん?ああそうだった今は女だったんだな。


「実は転生する時に

性別が変わっちゃって。」


「へー。そんなことあるんだ。

大変だね。

ところで転生ってことは

ソウレは異世界転生ってことに

なるのかな。」


「そうだね。

ところで君名前は?」


「私は『レオ』、よろしくね。」


「よろしく、レオ。

ちなみにここは君の家?」


「そうだけど?」


てことは俺、

女子のベットで寝てたってこと?


それってやばくね?


「あっ、ごめん!ベット使っちゃって!」

俺はベットから急いで出た。


「そんなに気を使わなくてもいいのにー。

んー。じゃあそこ座って。」


座った途端、外から

ドーン!

とゆう強烈な音が聞こえて来た。


「今の何の音?」


「魔物じゃないかな。」


魔物?異世界では普通なんだろうか。

レオはとても落ち着いている。


「行ってみる?」


レオ、何を言っているんだ。


「なんで?」


「これからこの世界で

暮らしていくんでしょ?

だったら見といた方がいいと思うよ?」


…なるほど確かにそうだな。


「わかった。行こう。」


「よし。じゃあ急いで向かおうか。」


俺達は外に出た。

そして俺は驚愕した。


まさに異世界という感じなのだ。


「おおー。さすが異世界。」


「行くよー。」


「あ、悪い。」


漫画やアニメでしか見た事ないような

その景色に俺は見とれてしまった。


その後すぐに魔物の方へ走りだした。


なんでもこの場所の被害を

無くしたいんだとか。



走ってると、魔物らしきものが見えてきた。「あれが魔物?」


「うん。あれが『魔物』だよ。」


「随分とでかいね。」


「うーん。

あの大きさだと3、4mぐらいあるかな。」


俺達は魔物付近まで走り、そこで止まった。


魔物は人の形をしているが

…顔はまさに魔物って感じだ。


「じゃあ下がってて。

今から討伐するから。」


「え?いやいやそれは止めた…」


タンッ


俺が言い終わる前にレオは走り出した。

「おいおい…。大丈夫か…?」


するとレオは魔物の間合いに走り込んだ。


その時だ。

魔物がその大きな手でレオ目掛けて

叩こうとしたんだ。


「レオ!危ない!」


心配したがそんなこと無用だったようだ。

レオは走るスピードを上げ、

魔物の手を避けると、

レオは魔物と一気に距離を詰め

空中へと飛んだ。


その高さは3、4mある魔物の

目の高さまであった。


するとレオの手からは水が出てきて、

それは剣となり、


レオはその剣を自由自在に操り

魔物を切り刻んだ。

「『水流斬』(すいりゅうざん)。」


「ガッ…」

魔物は惨めな声を出しながら、

切り刻まれ、塵となった。


「す、すごい…。」


するとレオはくるりとこちらを向いた。


「改めて言うよソウレ、私は『レオ』。

ここの村の長です。

これからよろしくね。」


俺は戸惑いながらも答えた。

「こ、こちらこそよろしく。」




これが異世界へと転生してから

初めての人との出会いだった。


そして俺は彼女に今後の異世界人生を

大きく支えられた。


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