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1000文字未満の掌編

おいしくなりすぎた牛乳【1000文字未満】

作者: 平之和移


コーヒーを淹れたいので、スーパーに牛乳を買いに行く。コーナーに向かうと、こんな謳い文句が描かれてあった。


「おいしくなってリニューアル!」


またおいしくなったらしい。見たところ容量は50mlに減らされ、値段は前回の1.5倍となった。これ以外に何もないので、二つ買った。業務用の300mlは高いし不味い。


会計を終え、家に帰る。途中、昼飯が家にないと気付き、コンビニに寄る。弁当を買うことにした。こちらも同じように、おいしくなった弁当が並んでいる。弁当の底にご飯が敷き詰められた、ように見える写真の上に、厚さが紙以下の牛肉かどうかも怪しいものが乗っている。そんな牛カルビ丼を買った。これでもおいしくなったらしい。


足りないのでおにぎりも買った。こちらもおいしくなっている。ご飯が一粒だけなのは果たしておにぎりなのだろうか。


家でそれらを食べたが、とてもじゃないが足りない。スーパーで食材を買うべきだったと肩を落とす。野菜はどれもオーガニック栽培で体にいいらしい。その分値段が跳ね上がっているが。普通の野菜は今頃存在しない。


コーヒーを淹れる。これだけはまだおいしくなっていない。暖かなコーヒーに牛乳を注ぐ。至福の一時だ。しかし、不味くてもいいから量が欲しい。


その後、500mlで安い牛乳が販売された。「おいしくなり、量も多くなりました!」と謳われている。ともあれ量が増えたのはいいことだ。九割が水なのは見逃しておこう。

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