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1.小説の世界に転生した…?


それから1年と10か月がたった。

 さて、どこから状況を説明しようか――


まず、俺は赤ちゃんに異世界転生した。

 それを認めるのには時間がかかった。

 なんせここは現実。異世界転生をするはずがないのだ。

 でも、どうやら認めざる負えないようだ。


 そういや、それが分かった時から、興奮して何日も眠れなかったな。

まさか自分が異世界に来れるなんて、夢にも思わなかったから。




「ディザー君。お口開けて! あ~ん」

「やだー!」

「ディザー。しっかり食べないと、父さん見たいに大きくなれないぞ~?」


 そういって。この男、グレイスは俺に無い筋肉を見せつけてくる。


 ディザーという名を与えられた俺は、20代前半ぐらいの猫耳のカップルに育てられた。

 二人とも良い猫だにゃん。

 なんて言ったって、実の親がいない俺を拾って育ててくれているのだから。


 それと、俺にご飯を食べさせてくれている美女はミリエットだ。



つまり、この二人は巨人では無かったのだ。

俺が湖の上のカゴに寝ていたから、巨人だと思っただけらしい。


 ちなみに、俺は赤ちゃんのふりをしている。

 ベラベラ喋ると怖がられて捨てられるかもしれないからな。



――さて、ここから実に奇妙な話になる。


窓から外を除くと、自然に支配された街が見える。

昔はきっと栄えてたであろう街が。

見たこともないような大きな木が生え、猫族が数匹歩いている。


このなんとも言えない不思議な風景。

 そして俺を育ててくれているこの猫耳カップルの顔、名前。


 ……アンブルストーリーそのものなのだ。


 つまり、この世界は小説の世界という仮説が立てられる。

 しかし俺がこの猫耳カップルの実の子供では無いなど、設定が多少違うこともあるから、今は断定できない――




 ある日、この世界のことをもっと知りたいと思った俺は、グレイスに頼みごとをした。


「パパ、外に出たいー!」

「お、いいぞ。だが怖い動物がいるかもしれないから、父ちゃんの後ろに隠れるんだぞ?」

「はーい!」


 グレイスは剣を持ってきた。

 きっと、怖い動物というのはきっと魔物のことだろう。


 するとミリエットは指を口元で合わせて話始めた。


「あら、お散歩に行くのですか? なら私も行きたいなー、なんて」

「ハッハッハ、じゃあ今日は家族全員でデートだな!」


(何言ってんだコイツ)


 というわけで、家族全員で家の外に出た。

 初めに確認したのは、やはり自分の家だ。

 大きな木に、窓がいくつかついており、オシャレな家だった。


 あたり周辺の風景は、窓から見た通り。


 そして日の明かりは、葉っぱによって遮られて、少ししか森林の中に入ってきていなかった。


「今日もいい天気だ。さぁ行くぞ!」


 数分歩いていると、ベンチや階段。様々な家や教会があった。

 もちろん、全て自然に支配されている。

 向こうには、あり得ないぐらい大きな滝が見ていた。


 蝶々や、見たこともない美しい動物もいる。

 俺は興奮して、走り出す。


(うわぁ、すげぇ!!)


「どうやら、釘付けのようですね」

「あぁ、そうだな」


 二人とも、優しい目で俺のことを見ていた。

 俺は一つ、質問をしてみることにした。


「パパー、この家たちは、誰が作ったの?」

「いい質問だ。この家は、昔、"人間"が作ったんだ。見捨てられたこの場所を、今俺達が拠点にしている」


 一歳がする質問ではないな。

 我ながらそう思った。


 グレイスは、子供の俺に分かりやすく説明してくれた。


「へー、面白い!」

「そうだろ? こういうのを歴史っていうんだ。」



 この風景と、歴史を聞いて、俺は確信した。


 間違いない。この世界は小説の世界だ。

 俺はアンブルストーリーの世界に異世界転生したんだ――


(よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!)


「グァルルルルル」


 俺が結論を出したその刹那、何かの鳴き声がどこからか聞こえた。


「え?」

「ディザー、ミリエット!! 俺の後ろに下がれ」


 グレイスがそう叫び、鋭い目つきになる。

 ミリエットは俺のことを守るように強く抱いた。


「この声は、まさか魔獣ですか?」

「いや、多分ただの魔物さ」


 だ、大丈夫か?

 グレイスは、魔物と戦えるのか……??

 正直、ものすごく心配だ。


(どっから来る……?)


 周りを必死に見渡すと、ある家の上に狼のような見た目の怪物が三匹乗っていた。


 俺は叫んだ。


「家の上!!」


 そう叫ぶと、グレイスは上をパッと確認し。呟いた。


「ガディラウフルじゃねぇか」


 ガディラウルフ。それはあの狼の名前だ。

 魔物は家から飛び降り、牙をこちらに向け、涎を垂らしている。


 こ、こええ。人の肉ってそんなに美味しいの?


 俺は思わず目をつぶる。


「怖い?」

「うん……」

「ふふ、大丈夫よ。パパは強いんだから」


 ミリエットの表情は、自身満々だった。


「グワァウゥゥゥゥ!!」


 一匹のウルフがグレイスの方へ向かって全速力で近づく。

 ウフルが飛びかかって瞬間、グレイスはウルフの口に向かって剣を横に振った。

 そのまま数メートル吹っ飛び、ウフルは血を流しながら倒れた。


(す、すげぇぇ!!)


 しかし、僅かでも剣を振るのを遅れていたら、ウルフに美味しくいただかれていた。


 残り二匹のウルフも続いてこちらに向かってきた。

 先ほどのようにウルフを倒すのかと思いきや、今度はグレイスの身体が薄く輝き始めた。


 ――この世界が本当に"あの小説の世界"なのだとしたら。

 この後に、グレイスのスキルが発動するだろう。

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