天川
5章 天川
「天川…。」
まさか、本当に天川だったなんて。
だいたいわかってたけどね。
「お知り合いですか?」
愛花が話しかけてきた。
普通に言っていいのかな?
「こいつは天川智也、俺が天使の仕事を始めるときに一緒に天上に行ったやつだ。」
「今日から宜しく、信二君。」
そういえば、試練で生き残ってたけどどうやって生き残ったんだろう。
確か、危険度3ぐらいのやつを倒してたよな。
そんなに強いのか?
「天川、お前はどうやって試練を突破したんだ?」
と、聞くと一気に天川の顔が暗くなった。
え、もしかしてやばいこと聞いちゃった感じかな。
やばっかたら、どうしよう。
すると天川の口が開いた。
「いや、なんかちょっと気まずいような感じで…。」
どうしたんだろう、でも聞いてみたいな。
「大丈夫だ。どんなことでも聞いてやる。」
そういうと、天川の表情が少し明るくなった。
「実は、俺は実質倒してないんだよね。」
どういうことだよ!
倒してないなら突破できてないだろ!
「あの、ペアの人が、なんか天使を代々やってきたような人で
天使になるために訓練受けててそれで、全員倒しちゃったんだよね。」
なんだそういうことか。
てっきり不正したのかと思ったぞ。
ていうかそういう人もいるんだね。
一回会ってみたいな。
「授業始めるからみんな座ってー。」
とりあえず人の生活を楽しんでおこうかな。
「今日、仕事の時どこかで集合しないか?」
俺が提案した。
「それはどうしてですか?」
愛花が言った。
「いや、一緒に行動したほうが、やられる可能性が低いと思ったからな。」
これは一応本音だが、ほんとはその天使の一族みたいな人に会いたいだけだけどな。
すると天川が、
「それは、もうちょっと後でいいんじゃないかな。」
「どういうことだ。」
すぐさま、なぜかを聞いた。
「勝手に団体行動したら大天使さんが怒るかもしれないじゃんか。
それだったら一回聞いたほうが良いと思うからだよ。」
ぐっ、正論だ。
確かにそうだよな。
一回大天使様に聞いたほうがいいかもな。
勝手にやったらなんていわれるかわからんしな。
「とりあえず今日は、ペアの二人で合流して悪魔退治でいいな。」
「はーい。」
「了解だよ。」
一日目のプチ話し合いはここで終わった。
「んん?ここは?」
そこは見たことない場所だった。
「あ、起きましたか。」
愛花だった。
そして周りは暗い。
「そうか、仕事か。」
「はい、いつの間にかここにいて…。」
まさか毎回これか、ちょっとやめてほしいかな。
愛花がいなかったら少し混乱してたかもな。
ていうかほんとにここはどこなんだよ。
「地図みたいなものないかな。」
と、冗談半分で言ってみたら、
「あ、あそこに何かありますね。」
と言われ、その方向を見てみると、
「まじかよ…。」
そこには海があった。
しかも、澄み切った水がある美しい海だった。
「きれいですね…。」
そうだけども、今は夜で少し暗いけどな。
「とりあえず悪魔とやらを探さないとな。」
「はい!そうですね。」
そして、羽を羽ばたかせ、空へ飛んだ。
そこから見た夜景はとても、
美しかった。
そこに一つの黒い斑点が現れた。
まるで光を飲み込む闇のように。
「あそこだな、行くぞ。」
と、愛花に言いその斑点に向かった。
そこには、異形な形の生き物らしきものが立っていた。
「あれは、危険度2の悪魔です!」
前のやつより、強い悪魔か。
前のやつも相当気持ち悪かったけど、今回のやつも相当気持ち悪いな。
「あ、あ、お前ら天使か?」
悪魔が話しかけてきた。
「天使はあの方の作戦に邪魔だ、全員殺す。」
あのお方?誰だ?
「グオーーーーーーー!」
悪魔がすごい勢いで突進してきた。
「来るぞ!気をつけろ!」
さて、第二ステージ開幕だ。
6章に続く