日常
4章 日常
たった4ペア?
そんなに難しかったのか?
「悪魔に殺されたとはどういうことだ?」
あるペアのやつが言った。
するとその問に大天使は、
「そのままの意味ですよ。悪魔と闘い殺された、ただそれだけのことです。」
殺される?この仕事で?どういうことだ?
「それはもちろん、悪魔だって襲われたら殺す気で襲い掛かってきますよ。命あるものですから。」
それはそうだけれど、この仕事はそんなに危険だったのか?殺された人はどうなったのか?
「それではー、お楽しみの結果報告タイムです!」
結果報告?ていうか人が死んでんのにそんなことやってる場合じゃねえだろ。
そういえば、さっき見渡した時に天川もいたな。
生きててよかった。
「まず、黒山・櫻木ペア、危険度1の悪魔を1体討伐。
天川・松坂ペア、危険度3の悪魔を2体討伐。」
危険度3を2体?俺たちより倒してるじゃないか。
「おっと、時間になってしまったようですね。それでは、今日はこれで終わりです。
明日からは、夜になると目が覚めます、日が昇っている間は、いつもどうり普通に生活してください。夜になったら仕事を始めてください、時間になると自動的に家に戻り朝になります、それでは、頑張ってください。」
他のペアが省かれたな。と思った。
そこで意識が飛んだ。
目が覚めると自分の家だった。
「んー、夢か。」
よくできた夢だったなー。本当だったら夢みたいな話だよな。
机の上にご飯が置いてある。
いつもの朝だ。
「そうだ、ニュースを見よう。」
ニュースもいつもどおり。
「やっぱり夢なのか。」
そう思い、バッグを持ち学校に出かけた。
「おはよございまーす!」
誰かが後ろから俺に声をかけてきた。
おかしいな、友達はいないんだがな。別にさみしくないけど。
ゆっくり後ろに振り向くと、
「朝からいい天気だね、信二君。」
…愛花だった。あの夢の。
なぜここに愛花がいるんだ?あれは夢だよな。
「お、おはよう、どこかで会ったっけ?」
そう聞くと、愛花は、
「え、昨日の夜一緒に仕事したじゃん!」
夢じゃなかったのかよ!てゆーかそうしたら3時から7時までしか寝てないじゃん!
寝不足になるわ!
と、心の中で総ツッコミをした。
「あぁ、愛花か。」
「そうだよ、私は、夢だと思ってたけど、朝こうやって会えて二人とも覚えてるんだったら、あの夢は本当だよね!」
うーん、あの夢は本当だったのかなぁ。それだったら何か変化があると思うんだけどなぁ。
ん?何かおかしいぞ。
「なぁ、愛花、その制服ってうちのだよな、なんで着てるんだ?」
「それは決まってんじゃん。同じ学校ってことでしょ。」
…なぜ?俺は夢の中で愛花と会っていたのか?
まだ何も知らない愛花と?お互い会ったことない人と?
あれは夢だったのか?それとも現実?
何が起こっているんだ?
「どうしたの?そんなに悩んでるような顔して?」
その言葉で俺は我に返った。
「あぁすまん、ぼーっとしてた、それより後5分で遅刻だぞ。」
「えっ!じゃあ早くいかなきゃじゃん!」
とりあえず今は学校に向かうことが優先だ。
疑問は後で考えればいい。
そう思い走って学校に向かった。
なんで…。なんで愛花と同じクラスなんだよ!
今まで愛花と会ったことなんてなかったじゃねえかよ!
なんだ、これは俺がクラスメイトの顔と名前を忘れていたっていう事件の苦行かな。
「はい、今来た人遅刻だよ。」
あ、間に合わなかった。
そして、なんとも古典的な罰。
バケツもって廊下直立立ちである。
「これ、地味にきついんだよなぁ。」
「そうですね、いっそこのバケツ振り回して先生を気絶させたほうがいいんじゃないかと思いますね。」
いや、それはもう気絶の域を超えちゃいそうだな。
てか、やっぱりサイコパスは変わらないのね。
「そういえば、今日転校生が来ると先生が言っていましたよ。」
転校生か、この流れだとあいつが来てもおかしくないな。
別にいいんだけど。
「そこの遅刻者2人、この子が転校生よ。」
話を聞いていた先生が連れてきた転校生は、
「…天川…。」
そう、昨日の夜一緒に天上に行った、天川智也だった。
「よっ、黒山、昨日ぶり。」
5章に続く