愛花
3章 愛花
「とは言ったものの、どうやって倒せばいいんだ?」
そもそも悪魔ってどうすれば倒せるんだろう?
そこからだな。まだ何も知らない状態だから調べる必要があるな。
「愛花、奴らを倒すにはどうすればいいかわかるか?」
「これを読めば全部わかりますよ!」
そういって出したのは何かの本だった。
試しに読んでみると、
わかりやすく悪魔のことが書いてある、なんだこの本は!
「どこでこんな本を?」
なんでこんな本を持ってるんだ?
まさか愛花は特別な人なのか?
「天上に行くときに天使の方からもらったんです。後いろいろなことを聞かせてもらっ
たんですよ。」
普通そんなものもらえるのか?
まあいい。とりあえず悪魔の倒し方は分かった。
この本によると、悪魔は体の中心にある核を壊せば倒せるらしい。
そして一つ気になる記事を見つけた。
「負のオーラを吸い取られたものはこの世から存在ごと消える!」
まじかと俺は思った。
絶対に吸い取られてはいけないな。まだ親孝行をしてないじゃないか。
「おーい、いつまで待たせんだ、こっちは待ってんだぞ。」
あ、待っててくれたんだ、意外と優しい。
今は、3時半ぐらいか、ん?時間がたつのが早くないか?
まあ今はいい。とりあえず悪魔を早く倒せばいいんだ。
「じゃあ行くぞ。」
そう言って悪魔に向かって走ると…。
「なんだこれ?」
まだ0.1秒ぐらいしか走ってないのにもう悪魔の前に来ていた。
確か5mぐらい離れてたんだが?
もしかしたら天使の状態だと身体能力が上がるのか?
「な!いつの間に!」
悪魔が驚いていた。少し面白い。と思ったその時…
バシュッ
後ろから矢が飛んできたが俺には当たらなかった。
慌てて振り向くと…
笑顔で弓を構えている愛花の姿があった。
「グァ!」
と言ったのは肩に弓が刺さった悪魔だった。
すると愛花が笑顔のまま
「あらー、外しちゃいましたねー。次は核をしっかり狙わないとですねー。」
そして俺はすべてを察した。
「あ、こいつ重度のサイコパスだ。」
しかし、矢が肩に刺さっていてダメージが入っている標的を見逃すわけにはいかない。
そして、悪魔の核に刃を立てた。
「裁きの時間だ。」
悪魔の体はガラスが割れるように砕け散った。
悪魔を倒し辺りに、静寂がもどった。
しかし、まだ面倒なことが残っていた。
「倒しちゃったねー。私がやってもよかったのに。」
さてどうしようか、どう突破しよう?
「愛花、お前って…。」
「はい!察しのとおり私は、かなりのサイコパスです!」
笑ってゆうなよ。本当にどうすればいいんだ。
「でもそんな性格のためか周りの人が私を避けているような気がして友達がいないんです…。」
ハッと気づいた。
こんなにも悲しい人を俺はどうにかしようと思っていたのか。
自分は最悪だ。
「それじゃあ俺と友達にならないか?」
愛花は、少し驚いた顔をした。
自分でもなんとも何を言ってるんだと思った。
すると、愛花が泣き出してしまった。
「あ、ごめん!急にこんなこと言われても困るよね!」
必死に泣き止ませようとしたが泣き止まない!どうすれば…。
「違います!」
急に愛花が泣き声で叫んだ。
「違うんです。私は親が家にいつもいなくて、友達も作ろうとしても、避けていて
誰かにやさしくしてもらったことなんてなくて。それで、やさしくしてもらったのが
すごくうれしくて。」
そうだったのか。
俺とは境遇は違うが、生まれ持った性格で誰からも相手にされず、ずっと耐えてたんだ。
暗い独りぼっちの空間で、ずっとずっと。
「私は、いいんですけどこんな私でも友達になってくれるんなら!」
もちろん俺の気持ちは一つだ。
「おう、いいぜ!俺たちはずっと友達だ!」
すると、愛花が心から笑ったような気がした。
目が覚めると、そこは天上の大天使の前だった。
「今ここにいるのが、試練に合格した者である。」
慌てて辺りを見渡すと、そこにいたのは、俺たちを含めてたった4つのペアだった。
「半数以上のペアは時間内に悪魔を倒せなかった、またあるペアは悪魔に殺された。
その中で試練を突破できたのは、あなたたちだけ。
それを誇りに思いなさい。
4章に続く