仕事
2章 仕事
「どういうことだ?」
今までのもよくわからないが、いまのは特にわからん。
悪魔?倒す?どういうことだ?
「悪魔ってどういうことですか?」
隣にいたやつがその天使?に質問した。
その質問にその天使?は
「悪魔は普段、別の次元に閉じ込められています。しかし、夜になると、結界が壊され、この次元にやってくるのです。だから私たち天使が悪魔を倒し世界の平和を守るのです。」
そう言い終えると、一人が
「んなことやってられかやよ!早く家に帰しやがれ!」
と言った。すると
「それはご自由に。」
その言葉に全員驚愕した。
もちろん俺もだ。俺だってやることがある。本当は今すぐ帰りたい。
しかし、その俺の意思は次の言葉で変わることになる。
「これは一種の仕事のようなものです。毎月最後の日にチェックがあります。その時に倒した悪魔の数に応じて給料を差し上げます。」
その言葉に全員もう一度驚愕した。特に俺だ。家が貧乏だから沢山お金がいる。
その瞬間俺の心は決まった。
「それでは、この仕事を辞めたい人は、後ろにいる案内役の天使のところまで行ってください。この仕事を受ける人は残ってください。」
辞める人は全くいなかった。
ほとんどの人が残っている。
もちろん俺もだ。
「それでは、この仕事について説明します。まず悪魔は5段階に分かれます。
危険度1、この階級の悪魔は比較的弱いです。初心者のみなさんはこの階級を狙いましょう。
危険度2、さっきのより比較的強いです。
危険度3、普通の強さです。
危険度4、ここから強くなります。
危険度5、ここの階級に所属している悪魔は5大魔と呼ばれています。
階級の話はこれで終わりです。ここからは武器や魔法の話をします。
この悪魔に対抗するためには、武器や魔法が必要です。
武器は悪魔に対抗できる手段で最も主流です。武器は個人で違う形をしています。後ほど形を調べます。次に魔法は悪魔を倒すとまれにもらえます。魔法の効果は様々で今確認できる限りで約千種類あります。これで話をおわります。」
長い…。
今まで以上に話が長かったな。
「…武器の形か。」
どういう形になるのだろう。
「それでは今から武器の設定をします。武器の形を思い浮かべてください。」
思い浮かべるって…。とりあえず剣の形を思い浮かべた。
すると…。
「熱っつ!」
手が何か光っているその光はだんだん剣の形になり、
「できちゃった…。」
その形は、刃は赤く持ち手は青く色がついていた。その形はまるで
「日本刀…。」
「それでは、今から下界にワープさせます。その後の行動は一緒にいた者と行ってください。
針が4を回った時ここに強制移動させます。それまでに悪魔を1匹以上倒してください。
1匹も倒せていない場合その時点で力不足とみなし解雇となりますのでご注意を。では頑張ってください。」
そう言い終えると、目の前が白く光り目を閉じた。再び目を開けると、
「町だ…。」
しかも俺の家の前だった。
「あなたですか?」
振り向くと女の子がいた。
しかも、可愛い!
髪の毛はロングで目がきれいだった。
「君も天使なのかい?」
と、聞いた。
「はい、そうです!名前は櫻木愛花です!」
「俺は、黒山信二だよろしく。」
と自己紹介をして、今までのことを聞いた。やはりこのことは知らなかったらしい。夜、起きると天使がいて、ついていったら、天上についたという。
「今何時かわかるか?」
と聞いた。あの大天使とやらは4時を回る前に悪魔を1匹倒してこい、と言っていた。
それならば時間が惜しい。
「あ、はい、わかりますよ。えーと、あと少しで3時になります。」
3時か、時間はまだあるな…あれ、悪魔ってどこいるのかな。
「悪魔がいる場所ってわかるか?」
「確か、人の負の匂いを好む、って言われたから…。」
負の匂いか…ん?
負の匂いって悪い心や嫌なことってことだよな、もしかしたら…。
ペタペタ…。
後ろから何やら音がする。
もしかして…。
ゆっくり振り向くと、
「ふふふ、負の匂いがするなあ。」
やっぱり悪魔だった…。
「あの姿は、危険度1の悪魔です!」
危険度1か、一応お手頃だな。
「負の匂いだ、しかもかなり濃い、貧乏の匂いだ…。お前から匂うぞ。」
そう言って指をさしたのは、俺だった…。
あ…、やっぱり貧乏にも反応するんだねー。
愛花が、憐れむような眼でこちらを見ていた。
「そんな目で見ないでくれ…。」
とりあえずそう言った。
「貧乏だったんですね。」
「…いわないで」
ちょっとこの悪魔にイラっとした。
「お前をこの俺に取り込めば、俺は強くなれるぞ。」
なるほど。負の匂いがする人間はあいつらにとって強くなるための、食料ってわけか。
だけど、このままやられるほど、俺はお人好しじゃないからな。
試してみるか。
「愛花、やるぞ。」
「は、はい!」
まずは悪魔ってのはどんな奴なのか調べないとな。
そういえば…。
「愛花、お前の武器はどんな形だ?」
聞いておけば闘いに役立つ。
「あ、はい。私は、遠距離で使える弓矢です!」
「それじゃあ、愛花は援護を頼む。」
「はい。わかりました!」
よし、それじゃあバトルスタートだ。
3章へ続く