狂気
17章 狂気
…ここはどこだ。
いま目に映っているのはただ真っ白い空間。
何もない、聞こえない。
だが何かがいる。
何だろう?
いや、誰だろう?
そう思うと、その何かが話しかけてきた。
「何をしている、もっと壊せ。」
「壊す?なにをだ?」
「決まっている、この世界の物すべてだ。」
一体何を言ってるんだ、こいつは?
「まぁいい、お前の体はもはや俺のものだ、お前の意識など興味はない。」
「体ってどういうことだ。」
「知らないほうがいいだろ、知ったら…いやもう狂ってたな。」
「どういうことだ。」
「お前はもう狂っている、もう何年か前にな。」
「なんだそれ。」
「覚えていないのか、自分で記憶を封印したか、まぁそのうち思い出すだろ。」
「封印?」
「いやこっちの話だ。」
「もっとお前には聞きたいことがある。」
「だめだ、じゃあな。」
「おい!行くな!」
その何かはどこかへ消えていった。
くそ!
どうなってやがる!
あいつはどこ行った!
突然『黒山信二』がいなくなり、残った3人は全員で『黒山信二』を探していた。
「どこ行ったんでしょうか?誰かを殺していないか心配です。」
「そういえば昼から戦い始めて夕方に終わったんですか、かなり時間かかりましたね。」
ていうか、いま普通に飛んでるけど普通の人は誰も反応しないな。
どうしてだろう?
なにか、特別な力でも働いてるのか?
「は~い、情報を伝えに来たサク只今参上いたしました!」
突然そんな声が後ろから聞こえてきた。
3人とも瞬間的に後ろに振り向くとそこにいたのは、
「ガキ?」
その姿はどこにでもいる只の小学生ぐらいのガキだった。
そのガキは、
「む~、ガキじゃないもん。」
そう言った。
「どうみてもガキだろ。」
「だからガキじゃないもん!」
「まぁ、そんなことはいいが、お前がサクか?」
「そうだよ、一応天使の階級では大天使様の次にえらいからね!」
こんなガキが?
「こんなガキとはどういうことなの?」
「聞こえてんのかよ!」
「当たり前でしょ、そもそも君たちが現世にいるときにどうやって話してると思ってんのよ。」
「なんかの能力か?」
「うん、そうだよ、この能力は脳心読話、ほかの人の考えてることがわかったり脳内に直接話しかけることができるよ、実はほかにもできることがあるんだけどそれは内緒で。」
「便利な能力だな、俺達には能力すらないよ。」
「そのうち使えるようになるって、ポジティブに考えてこー!」
そんなこんなで話してきたが、重要な話を忘れていた。
「そういえばサク、なんか情報があるってのはほんとか?」
それにサクは、
「あぁ、本当だよ、教えてほしい?」
「教えてくれ、今すぐ具体的にだ。」
「わかったいいよー。」
そういうと、サクは話し始めた。
「まず、黒山君が変わっちゃたのは、悪魔の仕業。」
「悪魔?どんな奴だ?」
「話を遮らないで、そこもちゃんと教えるから、その悪魔は人を狂わせる能力を持っています、その能力によって黒山君は変わっちゃったんだ。」
「だから早く教えろ。」 サイコデーモン
「だから遮らないでって、その悪魔は狂気の悪魔、五大魔の一人、でも一番弱いから安心して。」
そう言った瞬間櫻木の顔が真っ青になった。
それにサクは心を読んだのか言う、
「大丈夫だよ、愛花ちゃん、五大魔とはいえ完璧じゃないから黒山君は元に戻せるよ。」
「そうですか!よかったです!」
「でも…相当きつい試練的なものがあるよ。」
「試練ですか?それって何ですか?」
「黒山君の過去を知らなきゃいけない。」
突然サクはそう言った。
「過去ですか?」
「うん、過去、黒山君が今まで体験してきた人生、その中の重要なことがあった時から。」
「重要なことですか?それって何ですか?」
「それを今から見てきてもらうんだよ。」
「サク過去に行くのはいいが、どうやって見に行くんだ?」
「特に難しいことは要らないよ、まずある場所に行く。」
サクの顔が厳しくなった。
「どこへだ?」
「とりあえず行こう、早いほうがいい。」
そういうと、サクは方向を変えそのある場所に向かおうとした、
「まぁ、行くしかないよな。」
「そうですね、絶対信二君を助けなきゃ!」
「私もあいつの過去には気になります。」
そうみんなで言うとサクの元へ向かった。
だがそこにあったのは絶望だった。
18章に続く