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天使の翼  作者: カイト
16/23

思念刀

15章 思念刀


くっ!

危なかった。

あともう少し反応が遅れてたら殺されてた…。

なんだあいつの刀は?

思念刀とか言ってたけど、ん?

そういえばなんかの本で見たような…。

「おい!ぼさっとすんな!」

天川が叫んだ。

みるとケルベスがもう一回あれを打とうとしている。

まずいってマジで!

「最初で仕留められれば良かったんですけどね、まぁいいですけど。」

次やられたらまじでまずいよ!

「今度こそ…死ね。」

ケルベスが刀を放った。

ここでおしまいか。

そう思ったとき、

ヒュヒュヒュヒュン!

無数の矢が飛んできた。

その矢はキレイに刀にあたり刀は弾かれる。

その矢が飛んできた方向をみると、

「愛花か…。」

愛花が矢を打って助けてくれたのだ。

「大丈夫ですか!」

「あぁ、ごめん、ありがと。」

さて、あの刀はどう攻略するか?

どこかで見たんだけどなぁ。

刀…増える…思念…思い通り…あ、そうかあれか!

只の伝説かと思ってたけど本当だったのか!

「なんです?なにかいい方法でも見つかりましたか?」

ケルベスが問いかけてきた。

それに俺は、

「あぁ、とびっきりのいい方法がな。」

「それは楽しみですね。それでは今度こそ…死んでもらいますよ。」

「おい!あぶねぇぞ黒山!」

「いいや、大丈夫だよ天川。」

「すごい自信ですね、嫌いじゃありませんよその度胸…それではいきます。」

そう言うとケルベスの後ろに刀が現れた。

あの伝説が正しければこれで攻略できる!

「さて今度こそ死んでもらいますよ。」

そういうと、大量の刀がこっちに飛んできた。

そこで俺は、      ウィンズスラッシュ

「風の力よ我が敵を切り裂け、風切!」   

そう唱えると、風の刃が思念刀を使っているケルベスに向かって飛んで行った。


ある時青年は人ならざる者に出会った。青年はその者にある願いをかなえてもらう。

その願いとは自分が思ったことを現実にできる力が欲しいという願いだった。

その願いの代償は大きく青年は家族を失った。

青年は自分がやってしまったことの重大さに気づいた。

その後青年は自分の命果てるまでこの願った力で人を救うということを決心した。

青年は旅をした。自分と同じ過ちを犯すものが現れないように。自分の家族のために。

歳をとった青年はこの力を悪用されないようにするために呪いの秘術をかけ刀に形を変わらせ洞窟の奥底に隠した。

それより後の話、この話を耳にしたものがいた。そのものはぜひその力を使いたいと思い、お金をかけ刀を探させた。刀は見つかったがしかしその刀を振ろうとすると体が動かない。

そのままそんな手を使っても動かず、そのまま朽ちていった。これこそが呪いの正体であった。刀を使うものに悪意があるなら体は動かなくなり力を持たざる者は朽ちていく。力があるものは刀を振れるが使っている途中体が動かない。しかし悪意を持たないものならばその力を思うように操れる。これが思念刀の伝説である。


黒山が放った風の刃はケルベスの体を切り裂いた。

体を切り裂かれたのだ。

その時ケルベスは…笑っていた。

「まさかあの伝説を知っているものがいたなんて…。」

そう言った。

「俺もどこかで聞いただけだ。」

俺がそういうとケルベスはにやりと笑い。

「得体のしれない子供ですね。」

「そりゃどーも。」

「よろしければ、この刀を使っていただけませんか。」

「俺はいいがお前はいいのか?」

「えぇ、構いませんよ、しかし悪いことには使わないでください。」

「お前が言えることか?」

「そうですね。」

笑いながらそう言った。

「私はその力を使いこなせなかったようですね。」

「もっといいことに使ってればよかったんじゃないか。」

「できなかったんです…、私は悪魔の魂から生まれた存在、正しく生きることは許されないんです。」

「今度会うときはもっといいやつになってればいいな。」

「そうならありがたいのですがね。」

「じゃあありがたくもらってくぜ。」

「はい、では皆さままた逢う日まで。」

そういうとケルベスはガラスのように弾け消えてしまった。

「…あいつは根はいいやつだったのかな。」

俺はそう思った。

いいいやつになりたかったのになれなくて。

「…どうやったら救えたんだろう…。」


16章に続く



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