個有能力
10章 個有能力
アホ?
アホってあれだよな。
あの頭がやばいやつって意味の。
…。
「って、誰がアホじゃー!」
「そうかじゃあ、バカか。」
「そっちでもなーい!」
誰がバカだ、俺は普通の高校生だ。
ていうかこんなことしてる時点で普通じゃないけどな。
「そんな話はさておきお前はなぜ悪魔が使った技が使えた?」
松本が問いかけた。
「なんか、個有能力ってやつでその能力で相手が使った魔法を自分のものにできるっていうやつで…。」
話していると松本が話を遮った。
「その能力の名前は、もしかして魔功複製という名じゃないだろうか?」
驚いた、その名前はまだ言ってなかった。なぜ知ってるんだ?
「そうだ、なぜ知ってる?」
すると、松本が突然攻撃してきた。
何とかよけるのに成功した。
「うわっ危なっ!何のつもりだ!」
松本は何も言わず剣を振ってくる。
「何も言わないんだったらすこし頭を冷やさせよう。」
こっちも刀を取り出し攻撃を防いだ。
ガギィン!
音が響き渡る。
「どうしたんだあいつ?」
天川もわけがわからず混乱しているように見える。
すると、
矢が、松本に向かって飛んできた。
それを松本は剣ではじく。
その矢は愛花が撃ったものだった。
「いきなり信二君に何をするんですか!」
それに松本は、
「我が家の仇、今ここで殺す。」
そう言いながら松本は愛花に攻撃しようとする。
それを俺は刀で受け止める。
「お前に何の理由があるのか知らないがここで死んでやるほど俺はお人好しじゃないんでね。殺したいんだったら殺す気でかかってこい。俺もお前を殺す気で戦う。」
そう俺は言ったが聞いていないようだった。
聞こえてないのか?
それとも仇の言葉なんて聞きたくないってか。
松本は攻撃を続ける。
やっぱり2人でもきついな。
さすが訓練された天使。
動きが違うな。デスブラスト
「全てを滅ぼせ、死砲…。」
と松本が唱えると手から黒い煙がこっちに向かって飛んできた。
やばい、これ当たったら死ぬやん!
てか、こんなやつを飛ばすってどんだけ恨みとかあんの?
「我に向かう魔を奪い取れ、魔功複製!」
と言い、魔法を吸収した。
「その言葉いります?」
愛花がグサッと来ることを言った。
「いや決め台詞会ったほうがいいじゃん」
と返した。ファイヤーランス
「今この時敵であるものを燃やし尽くせ、炎槍…。」
と唱えると炎の槍が現れ、松本に向かって飛んでいく。
この魔法は前のあの悪魔が使ってたやつを奪ったやつだ。
あの時は刀に炎を宿らしていたけど、こんな使い方だったんだな。
それを松本は軽々とよける。
強い、てかここで死んだらまじでやばいし。
親孝行できないよ~。
と思ったとき、
「こいつは殺させない。」
え!、あいつって
そこにはいつの間にかフードの人物がいた。
なんで殺させないんだ?
「…邪魔だ。」
松本が剣をそいつに振り下ろす。
それをそいつは、するりとよける。
「死ねよ。」
と一言だけそいつが言った。
すると、姿が一瞬消える。
ガギィン!
松本の剣が吹き飛ばされている。
それに松本は驚いていた。
「なんだ、こいつは?」
あいつもわからないらしい。
「あいつを殺すなら俺がその前にお前を殺す。」
とそいつが言った。
松本は腰を抜かしてぺたんと座っている。
そして、こくんとうなずいた。
それを見るとフードの人物が消えてしまった。
一体何だったんだろう。
「琴音、大丈夫か?」
天川が松本を心配している。
てか、あいつ下の名前で呼んでんだな。
松本は何起こったかわからない様子だった。
あいつは何がしたいんだ?
そんな謎を残したまま、意識が飛んだ。
次の日だ。
11章に続く