病弱少女理論
病弱な僕と
強くて優しい君の
儚く綺麗な時間が
頭の中で甦ってくの
ねぇ 泣かないで ?
"僕ハズット此処二居ルカラ"
病室の窓から覗く
見飽きた景色に溜息をつく
そんな毎日だけど
そんな中に一人
君が手を振ってる
僕も嬉しくて手を振りかえす
君の持つ綺麗な花
見とれていたら君が口を開いて
「好きです」なんて
言ってくれたらな...なんて
僕の想像は今日も頭で渦巻いてるよ
嗚呼 僕はなんでこんなに弱いんだろう?
毎日そう思いながら生きてるよ
でもなんでだろう?
君がいるとね
ちょっと強くなれる気がするんだ
それが僕の答えかもね
小さな声で呟いた僕の「ありがと」
君に届いたかな?
僕の存在を揺さぶる僕の体の中のあいつが
こうやって叫ぶんだ
【お前に人を愛す資格はない】と
そんな言葉に負けそうになる僕に
君の笑顔思い出すと
強くなれる気がするんだ
負けないんだ
今日はとうとう手術の日
僕の体に凶器がかかる
でも不思議に怖くないのは
君がいるからだ きっと
意識が遠のく
君が見える
どうしてなのかな?
君が何か言ってる
"す き だ よ "
目覚めたときには
いつもの感覚
点滴をさされ
君を思い出す
僕、頑張ったよ。って
心の中で呟いた
次の日もきっと君に会える
そう信じて眠る
起きると鈍い痛み
目の前には愛しい君
「今日は朝早いね」って僕が言うと
君は涙を流し始めた
僕もホントは悟ってた
でも僕はずっと信じてた
君の笑顔で打ち勝てるって
「泣かないで」僕の言葉に
君がぐちゃぐちゃの涙で微笑むんだ
「ずっと好きだったよ」って
僕も涙目で頷いた
声も出ないくらい嬉しくて、
声も出ないくらいに苦しくて。
「君は優しくて強くて
人を笑顔に出来て
僕も大好きだった
君は僕の太陽だ」
僕の告げた最後の理論
視界がぼやけてく
僕の"病弱少女理論"
君に届いたかな?
僕の"愛 イ シ テ ル"
息絶えた僕を
君は抱きしめてくれるかな?
ねぇ
大好きだよ
病気の少女の恋の御話しです。
一応、なろうでの作品の二十作品突破記念作品でございます。