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11話『お風呂だレッタさん』


 

 翌日も同じような生活で、お昼の農作業を終えた頃だった。


「ふえー……あー疲れた疲れた。風呂にでも入りたい気分だぜ」


 キリの良いところで畑仕事を終えた。どうせ明日もするんだ。計画的に行こうぜ。

 女の子の体を思いっきり動かして労働するもんで汗もびっしょり掻いてしまった。つーか、昨日も水浴びしてねえし一昨日も全力疾走から魔物との戦闘後すぐ寝てそのままだから、なんか体が汗臭え。

 

「ファファファファ……良いことを教えてやろう人間よ」

「うわなんだよルシ公。ヌルっと出てくるなよ」


 いきなり背後からルシなんとかに話しかけられたのでビクッとして振り向く。

 映画の『スピーシー・オブ・コブラ』に出てくる蛇女ナギンを若くしたみたいな外見をしたシスターは指を村の方へ。


「向こうにある村用の大きなパン焼き窯に隣接してサウナ風呂が作られてるシファー。村人の利用頻度は少ないので貸し切りで入れるシファー」

「そうなの? 風呂があるのに使われてないのか」

『中世に於いて農民の間では風呂に入るのが軟弱だという考え方があった。また、聖職者も風呂は贅沢という風潮で年に数回程度しか入らなかったのだ。まあ、水で沐浴は普通にしていたのだが』

「だからといって禁止されてるわけでもないから、入りたい人は入っていいファー。さあ! 人間! 入ってくるシファー!」

「ふーん。なんか怪しいな」


 っていうかこの女何度も嫌がらせして来てるからな。 

 オレが指摘すると彼女は狼狽したように手を振った。


「べ、別に何も企んでないファー?」

「そうか。まあ、なら一緒に入りに行こうぜ。ゴーゴー」

「えっちょっとルシちゃんはあんまり入らないっていうかぁー」

「うるせえ行くぞ」

「ファー!」


 ルシ公を引っ張って風呂場とやらに連れて行った。相手の方が強そうな蛇人だけど、後ろ手を捻って犯人連行の要領で押していく。こちとらジュードーが得意で関節取るのもお手の物なんだよ。

 パン焼きの窯ってのはどうやら各家にあるわけじゃなくて、領主が作った大型の窯で村人のパンは焼かせているらしい。ただし、教会では祭儀としてパンが必要なので教会の窯で作っている。


『こうした大型でサウナを兼ねた窯はスラブ地方から伝わってきた。特に北に位置するヨーロッパでは暖を取るのも大事だからな。ただし当然ながら使うには領主に使用代、領主に雇われたパン焼き職人に焼けたパンの一部を、そして麦粉と薪を渡さなければ使用できなかった。主食のパンを食うにも税金が多数掛かったわけだな』

「微妙に気になってたんだけどよーカイム」

『なんだ』

「お前さん、ひょっとしなくても解説とか大好きだろ」

『……』


 しかも人間に無礼な態度取られてもそこまで気にしないし、面倒見が良い。

 姿は羽根の生えたニャンコらしいが一家に一匹欲しいレベルだぜ。


「選ばれるべくして天の声に選ばれたって感じだな。いやいや悪いことじゃないぜ? 大助かりだしなこれからもシクヨロ」

「ファファファ木っ端天使は大変ファ」


 なんかルシ公も含み笑いをこぼしている。オレとカイムのやり取りを想像したのかもしれない。天の声スキル無いと聞こえないはずだからな。

 そんなこんなで村にあるデカイ窯にたどり着くと、その裏に小さい掘っ建て小屋みたいなのがある。

 窯はパンを焼いているようで煙を出していた。


「ううう……ルシちゃんは外で見張ってるからピエレッタだけ入ってくるシファー」

「とっとと入れ」

「ファー」


 何やら罠を仕掛けてるにしてもこいつを現場に先行させればどうにもならんだろう。

 小屋の中は既に暑く、大きめの盥と水瓶が置かれている。片面の壁にゴツゴツと石が露出していてそれが熱を放っているようだ。その石が窯の熱を伝えてるんだろう。

 

「で、どうやって風呂にすんだこれ」

「ファー……ううう」

「答えねえならひん剥くぜ」

「ちょまっ……ええい見物料で儲ける計画が……ごほん。覗いたやつは地獄行きファー! 絶対覗くなよー!」


 何やらルシ公が外に聞こえるように怒鳴った。耳を済ませば、何やら誰かしら立ち去る音が聞こえる。

 ははぁーん、オレに入浴させといて村人に覗かせるつもりだったな? カネでも取って。

 その手は桑名の焼き蛤だぜ。ま、さすがに自分も風呂に入らされるとなれば逃げるか。


「さて、ギャラリーも居なくなったから脱ぐか」


 もぞもぞと一張羅の修道着を脱いで、短パンみたいな下着にも手を掛ける。


「ファーッ!! 下まで脱ぐなんて非常識ファー!」

「えっ!? そうなの!?」


 だってお風呂じゃん。

 渋々とオレはパンツ一丁で待機する。ルシ公も修道着を脱いで胸を片手で隠しながら準備をした。

 性悪蛇女だが、スタイルはグンバツだなこいつ。胸もデカイしクビレもある。ケツから蛇の尻尾が伸びてるのと、肌のあちこちに鱗っぽい模様があるのが種族的特徴だ。ただ体が女なせいか全然性欲感じないけど。

 肉体に精神が引っ張られる現象ってのは聞いたことあるけど、前世は男とはいえ毎日この体で排泄とかしてるんだぜ。いい加減女体にも慣れる。


「ジロジロ見るな! シスター同士でも入浴とかするときは肌をなるべく見ちゃいけない決まりファー!」

「わーったよ。お互い目を逸らしながら入りゃいいだろ」

「こうやって壁にある石の下に盥を置いて、上から水を掛けると温まったお湯が盥に溜まるシファー。同時に蒸気が部屋に満ちるシファー」


 どじゅうって快い音を出して熱された石に水が掛けられ、盥に湯が溜まる。

 何度か小さい桶で繰り返し掛けて、盥にある程度水が溜まった。


「そしてこの盥に大体二人ずつぐらい入って垢を擦ったりして体を洗うファー」

「なるほど」


 というのでオレとルシ公が向かい合って盥に入って見る。パンツ履いたままってのが奇妙な感じだがな。後で脱いで絞ってやらんと。

 二人が入ると膝と膝が触れ合うぐらいの距離になった。尻尾が邪魔っぽい。

 

「……」

「……」


 暫し無言であったが、何故か涙目になったルシ公が立ち上がった。


「これじゃ丸見えファー! 後ろ! 後ろ向くファー!」

「うるせえなあ……」


 仕方なく今度はお互いに背中合わせになって体育座りになる。あーなんかルシ公の鱗っぽい感覚が邪魔。あと尻尾が超邪魔。

 

「こ、これもなんかよくないファー! こうなれば私が前を向いて……!」


 と、背後でルシ公が体をこちらに向けた感覚があった。

 そんで体勢はルシ公の広げた足の間にオレが体育座りしてる感じに。背中に密着してるルシ公の胸が当たってる感触がした。


「……なんで私が仲良しこよしでピエレッタとお風呂に入ってるシファー!」

「気にすんなよ。ほら、足とか洗ってやろうか?」

「いらんファー! もっと詰めるシファー!」

「おい馬鹿狭いんだから蹴るなおい……てめこらっ! ジュードー舐めんなよ!」

「ぎゃああ足取られたファー!!」


 そんなこんなで、ルシ公と風呂場で遊んでやり、久しぶりの温かい湯で体が洗えてさっぱりはしたな。  

 

「ん? カイムー声が聞こえねーぞー。イェーイ見てるー?」

「呼ぶな! 天使を呼ぶなファー!!」


 残念ながら風呂場に置いてるスマホからカイムの声は聞こえなかった。

 今サービスタイムだってのに。




 ******





 風呂から上がって教会に戻ると、JFK司祭に連れられて領主とも合わされた。

 マナーハウスと言うなんかレンガ造りの、豆腐みたいな四角い建物が領主館だ。


「領主一家はここで暮らし、蛮族や凶暴な魔物などが襲ってきた際の避難所になり、また徴税した穀物の保管庫でもあります」

「なるほど。確かにでっけえな。ここだったら蛇の群れに襲われても平気かも」

「まあドラゴンに襲われたらイチコロですが」

「……居るの? ドラゴン」

「滅多には居ませんよ」

「わお。もし出てきたら、オレ攫われるお姫様役でいいから誰か助けてくれ」

「試練から逃げてもいけません」


 肩を竦めながらJFKに続いて屋敷に入った。ここはしっかり窓ガラスで採光しているようだが、室内には既に蝋燭の明かりも灯っている。

 

「聞き忘れたけど、ここの領主ってシスターを縛り上げて拷問したりとかそういう特殊な趣味があったりしないよな? 司祭サマ」

「馬鹿ですかピエレッタ」

「いや。天使サマがそこら辺注意しろよーって」

『私のせいにするな』


 叱られちまった。まあ、おエライ人の前だから借りてきた子猫のように大人しくしておこう。

 領主館の奥へと通されたオレらは、絨毯の敷かれた広いテーブルのある部屋でデカイ帽子を被ったおじさんと面会をした。この時代って皆帽子を被るのが普通なもんで、パット見は何処の種族かわからない。聖職者だと微妙に布面積の小さい頭巾だからわかりやすいけど。

 おじさん以外にも恐らくその嫁と思しき女性と、まだ六歳程度の小さい少年が居た。

 

「初めまして、シスター。わたしが領主のロンです。この村に、神の声を聞く聖女が現れたことを嬉しく思います」


 レーガン大統領のあだ名みたいな名前をしているな、と思いながらニッコリ笑みを作って挨拶を返す。


「初めまして領主サマ。アタイがピエレッタだわさ。大丈夫よ。クスリはやってないわ。アタイ神様の声を聞いたの」

『なんでそう頭の悪い不良娘みたいなノリになるんだお前は……』


 カイムからの突っ込みを受ける。だがオレのイメージに即した神様の声を聞いたガールの演技はこれなんだ。両手の指を胸の前で組んでそう言った。

 だがまあ、信心深いこの時代の人はそれでも何か感じ入ったようで領主は大きく頷き、奥方は涙ぐんでいる。

 彼らの生活は宗教と密接に関わりまくり、聖職者というのはかなりの特権階級でもあったみたいだな。オレみたいな小娘も聖乙女と天の声を持ってるからってだけで、随分向こうがへりくだっている。


「彼女が天の声を聞き、神に試練を与えられ聖乙女と認められたことは司祭である私が神に誓って保証致しましょう。ピエレッタは来年の復活祭の後に聖地へと向かって巡礼の旅に出かけます」

「おお……できれば留まっても欲しいところだが、神の言葉ならば……」

「大丈夫よ。アタイ皆のこと忘れないわ。ビッグになって故郷を自慢するの。そこには素朴な心優しい人たちが居たって。ピザ屋とロックバンドは居ないけど」

「ぴざ?」

「ううん。何でもないわ」


 適当に耳障りの良いことを告げておく。


「ところでこのような事を頼むのも不躾で、大変恐れ多いのですが……その、天の声というのは、わたくし共の事に関して何か告げていませんでしょうか」

「というと?」

「例えば村に災害が訪れるとか……」

「ふうん。ちょっと待ってね」


 オレは通鏡(スマホ)を取り出してカイムに小声で話しかけてみた。


「もしもしカイム。なんか領主さんが天の声的なアドバイス無いかって聞いてるけど」

『そうだな……じゃあ次の事をそのまま伝えろ。[お前の企みごとは実行すれば地獄行きになるだろう]』

「なんだそりゃ?」


 怪訝な表情をしたオレに、領主が聞いてきた。


「あ、あの! どうでしたでしょうか」

「『お前の企みごとは実行すれば地獄行きになるだろう』だってさ。オレもよくわからねえんだけど、天使がそれだけを」

「ひいいいいいいほおあああああ!! ゴメンナサイゴメンナサイ!!」

「何が!?」


 突然泣き叫びながら身悶えして地面に這いつくばり謝り始めた領主にオレはドン引きした。


「カイム!? なんか心の中でも読んだのか!?」

『私にそんな職能は無い。だが、心にやましいものを持っている者に刺さる言葉を天から貰えばこうもなる』

「ハッタリかよ」

『大方、お前を利用してどうのこうのと考えていたのだろう』


 そりゃあ領地に突然便利な術を使う、おまけにピーアール度抜群の美少女聖乙女が現れたら観光に利用すると思うけどな。アイドルデビューとか。

 しかしまあ本人が信仰してるガチ神に看破されてるとなれば怯えもする。正確には神じゃなくて天使だけれど、天使はそもそも神の声を伝える的な役目だと思われているので同じようなもんだ。

 領主のアレっぷりに夫人と子供も怯えている。いかんな。怖がらせすぎだぜ。


「ふむ。それでは罪を懺悔なさい。邪な気持ちを持ったことを認め、素直に悔いることで主が許しを与えるでしょう」

「は、はい……」


 ちらりと領主は家族に視線をやると、二人は部屋から出ていった。懺悔タイムなので外したのだろう。

 領主は気まずそうにオレとJFKへ視線を行き来させる。ええんやで。JFKへの狙撃を画策したと告白しても許そう。


「実はピエレッタ様が神に認められし特別な御方であると知り、あわよくば村の発展と病気の息子を癒やして貰うべく専属の僧侶となって頂こうと……なんなら側室にでも」

「わお」


 アイドルデビューじゃなくて永久就職の話だった。

 なるほどね。神様に祝福されてるっぽいオレと血縁関係になればなんか偉ぶれそうだしな。一族まるごと祝福されるかもしれねえ。

 だけど気になるのは、


「司祭サマよ。あんなこと言ってるけど聖職者って結婚オッケーだっけ?」

「はあ。今の教皇が張り切って綱紀粛正して妻帯不可を叫んでおりますが、まあこんなフランスの先まではあまり効力が無いようで何処の司祭も司教も妻帯しておりますな。学問などに一生を捧げる修道士なら妻帯不可もわかりますが、普通の聖職者まで禁止というのは教皇の解釈によるものなので、フランスでもドイツでもあまり支持されておりません」

「ふーん。そんなもんか。だけど、オレってば旅に出るよう神サマに言われてるのに勝手に結婚予定立てられちゃ困るわな」

「懺悔致します。お許しを……」

「ピエレッタ」


 あ、この術こういう時に使うのか。

 

「ゆるゆるしますよーっと……[改悛(ペナンス)]」


 聖術レベル2のスキルを使用すると、ポワワと何か光の玉が浮かんでゆっくりと領主のきつく目を瞑った頭に触れ、それから空中で薄れて消えた。

 そうするとなんかこう、領主の表情がスーッと安らかになって涙を流し始めた。

 宗教的に許されたという安心の気持ちがそうさせたんだろう。この術の効果は対象の精神を癒やす感じのアレだ。癒やす・キリストって感じ。

 ヤバイ感じにダウナー系のクスリがキマったみたいだなーとオレは思った。

 なんか怪しいので使わなかったけど、夜寝る前とかに自分にやるとスッキリ眠れるかもしれねえな。

 宗教はシャブ的な何かってのは誰の名台詞だっけか?


「さて。よろしいですよピエレッタ。そしてわかっているとは思いますが懺悔の場で言われたことは決して他の誰にも教えてはいけません。いいですね」

「アタイ誓うわ。絶対漏らさない。ホントよ。寝言だって言わないもの」

「よろしい。では顔を上げてくださいロン領主。あなたの罪は許されました。これからも主に祈りを捧げる度に、主に感謝を致しましょう」

「はい……」


 まあ、そんなこんなでオレの改悛行使は完了した。次は婚礼だな。勝手に鳩とか蛇とかを婚礼してやったら駄目かな。

 その後で夕食の席に誘われてヒャッホーってなった。

 貴族サマの料理だぜ。具体的には肉が含まれる。先程の広間でテーブルクロスも敷かれて料理が並べられた。


 雉の丸鳥ロースト~厚切りパンの皿に乗せて~

 兎肉とレタスのスープパセリ添え

 アーモンド入り白パン

 チーズ

 ブドウ


 特に雉ロースト。毛をむしってもも肉やら手羽やら付いたままの一匹まるまるの塊が、こんがり飴色をしていて平たい皿代わりのパンに乗せられている。まるでクリスマスだぜ。

 じゅるり。オレは涎が口から溢れそうだった。席に領主一家がつくが……


「ん? さっき見た子供がいねえみたいだけど」

「すみません。息子は体が弱くて……客人の前だというのに、熱を出して臥せってしまいまして」

「そいつは可哀想だ!」


 こんなに豪華なメシが並んでるっつーのに!

 オレだったら這ってでも食いに来るぞ!


「食事前に回復をお祈りしに行かせて貰ってもいいですかい? いえね、ほら子供ってのは大事にしないと」

「よ、よろしいのですか?」

「気休めかもしれませんけど」

 

 というわけで、オレはJFKから微妙そうな目で見られつつ領主息子の部屋に案内された。

 ベッドで布団を被っている少年は空気の流れで軽く席をして、熱っぽい目をオレに向けた。


「あっ……聖女様」

「大丈夫かい? 具合はどうだ」

「ごめんなさい……今起きますので……」

「待て待て。一つ試してからにしようぜ。スキル祈り使用! ナムアミダブツ!」


 オレが例の便利スキルを使うと少年の真上から、光る水滴みたいなものが現れて、勿体ぶるようにぴちゃりと彼の体に落ちた。

 

『聖術レベル9[聖傅(アンクション)]が発動した。殆どの病気や怪我を癒やす上位聖術だ。もっとも、祈りスキルでは効果が落ちるが……まあ充分効くだろう』

「覚えてない術まで出るから便利だなー」

『自分では選べないが小当たりしか出ないクジのようなものだ』

 

 一日一回限定だけどな。使わなかったら損みたいだろ。もう夜だし。

 少年は戸惑ったようにしていたが、やがて体を震わせてベッドから降りた。


「坊や……! 体が……!」

「な、治った! 元気になりました! す、凄いです聖女様! ありがとうございます!」


 母親と手と手を取り合って喜んでいる少年を見ながらオレは呟く。


「ここまで急激に治るとなんかヤバイクスリみたいだよな……」

『お前は秘跡の効果をヤク扱いしすぎだ』


 カイムとそう言い合って、それはそうとオレはメシが食いたくて仕方なかった。


 食事の場で領主から跪いて足にキスされるほど感謝されてから、オレは豪華な晩飯に移った。しかしまあ、JFKの視線から掻い潜るように一瞬で口の中に料理を放り込むのに必死だったぜ。

 雉肉は多少固いけど噛んでると味がじわーって滲み出てきて腹によく溜まり、パンも普段食うのより美味かった。やはり野生の鳥は旨いんだよ。鳩肉を調理できるようにせねば。

 館からの帰り道で馬車で送られたのだが、二人きりになって小言を言われるかと思っていたけれど、


「権力者相手に勿体ぶって術を使うのはいいです。寄付とマウントが取れますので」


 とのことだった。

 教会と君主の権力争いも大変なのね。まあとにかく久しぶりに腹いっぱいになったので、満足して大あくびしながら教会に戻った。




田村さんが女体に興味なさすぎ問題

奇跡連発してくれるめっちゃ便利なユニットは確保したいよね!

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