お題、消えた死体のトリック 、鉄道ダイヤを駆使したアリバイトリック 、結局、動機は……?、刑事、推理
私は彼を殺した。
正直恐ろしい。
あまりにも自分勝手な彼の言い分に腹がたって私は分厚い本で彼で殴り殺した。
場所は新幹線のトイレ前。
血を綺麗に拭いて酔った彼を介護する演技をし、座席に座らせた。
動転していたにしてはいい判断だったと思う。
きっと寝ているようにしか見えないだろう。
「……こんな時間稼ぎしてどうなるの?」
凶器である本を持ってきたといえ、いずれバレる。
……
おかしい。
私は観念して警察からの電話を待っていた。
私が彼と旅行することを知っている人間は少なくないし、とっくに死体を乗せた新幹線は目的地に着いているハズなのだが……。
私は忘れ物をしたと鉄道会社に電話をかけた。
(○○の○○席?いやぁ。なにもないですねぇ……)
どういうことだろう?
《死体が消えた》ということか?
私は西村京太郎マニアだが本人も知らぬうちに《鉄道ダイアを駆使したアリバイトリック》を行ったというのか?
火事場のバカ力というものか?
混乱していると携帯に着信があった。
ああ。
警察……そんな!殺したはずの《刑事》からだった。
《……お前いまどこにいるんだよ?》
「なんで……生きてるの?」
《あれぐらいで死ぬか!○○駅にいる。はやくこい》
「……」
《お前がそこまでして東京の演劇学校に行きたいなんて父さんしらなんだ。ダメだなぁ。刑事ってのは頭がかたくて……今度はちゃんと話をきくからはやくこいって》
卒業記念の父との東京旅行。
その帰りの新幹線で私と彼は進路について大喧嘩した。
父は地元にいてほしかったようだが、私はどうしても東京にいきたかった。
それで私は分厚い赤本の角で父の頭を……。
なんて幼稚な《動機》だろう。
《お前に殴られて少し頭も柔らかくなったしよ……》
もう私は演技をする必要はない。
「お父ちゃん……私逮捕される?」
父は笑った。
《ばかやろー!娘と喧嘩してぶん殴られて逮捕なんてしたらお父ちゃんが恥かくわ!……お前はいい子すぎたんだなぁ。反抗期にちゃんと反抗させなかった俺が悪い。お父ちゃん器小さくてごめんなぁ》
「うわぁぁ!おとうちゃーーん!ごめんなさぁぁい!」
《こら!いまどこだ?外ならそんな大声出すな!》
お父ちゃんのいった通りだ。
人が集まってきた。
お父ちゃんが生きててよかった。
人殺しじゃなくてよかったぁ。
「ねぇ君?」
私はお巡りさんに保護されてその後お父ちゃんと再会した。
お父ちゃんとしっかり話をした。
私は春から東京へ行く。




