勇者よ、変態ストーキングとは格が落ちたなああ?マジうぜえ。
ブックマークありがとうございます。
「べ、別にッッ恥ずかしいなんて思ってないんだからなッッッッッ!」
赤面する口の悪い少女。彼女は定食屋「猫猫亭」の看板娘兼店員である。ついでに学生も今日からする。
今、何故彼女はツンデレ発言をぶちかましたのか。
解、ツンデレだから。
はいすみません。巫山戯ました。
彼女は今…人生で初めてスカートを履いていた。何故?学校の制服だから。
このファンタジーな世界にはかつて異世界人が伝えたという「制服」たるものがある。
つまり、セーラー服とからブレザーとか。勿論スク水も忘れてはいない。
で、今。彼女はセーラー服を着ている。
真っ白のブラウスに黒に水色のラインのネクタイ。膝上のスカート。
全てが初体験で声まで裏返るツンデレ口悪少女である。
ちなみに、ツンデレチートな少女は天下一を謳う王国直下第一学校というところに行く。チート乙。
「うん………うちの娘はかわいいな。」
そう言って鼻腔より赤き液体を垂れ流すのは「猫猫亭」の旦那である。
娘、ガチ引きだった。
「うわっ………親父キモッ」
グサリ。親父の心はこれでもというほど抉り返されmental zeroのお知らせが来る。
親父、陥落。
「じゃ、じゃあ………………行ってくるぜ。」
恥ずかしげに言い残し、彼女は猫猫亭を出て行った。
マジ萌え。そう言って再び親父はキモ男のように鮮血を垂らすのだった。
「ったく………………何でこんな服着なきゃならねーんだよ。てかなんで学校行ってんだ私。」
ツンデレ少女は困っていた。
何で学校行くねん、と。
ツンデレ少女は転生者でも召喚者でもないけどチートなのだ。
転生者じゃないのに赤ちゃんの頃の記憶アリアリの理性まで備えてる超チートな転生者驚きのスペックなのだ。
つまり、学校行く必要性皆無ww
最近小耳に挟んだ話では勇者が今年入学するらしい。
大事なことなので二回言おう。現在の日本社会における厨二ジョブ、この異世界で言う所の御伽噺の中の英雄中の英雄が今年ツンデレ少女も入学する学校に入学するらしい。
普通の人はきっとこう言うだろう。
「ああ…なんと私は幸せなんでしょう………」と。
でも少女はそんなこと知ったこっちゃない。寧ろお荷物邪魔者足手まとい。つーか関わるんじゃねえこのクソジョブ野郎である。
「遅刻遅刻!」
いやいやまだ遅刻はしねーよとついツッコミたくなってしまう台詞。ただし男声で。
嫌な予感がするため曲がり角で大きく跳躍する少女。その判断は正しかったと言えよう。
振り返ればそこには…「あれ、さっき女の子いなかったっけ?」とズバリテンプレを実行しようとした黒髪の少年が………
うん。ああ、これ絶対勇者だわ。
全力疾走。大丈夫、少女は制服のスカートに細工を加えてキュロットのようにしていた。
ほんと、異世界転生とかしてないか不思議である。
「あ、ちょっとまってそこの君!道を教えて欲しいんだが!」
これまた勇者スペックを全開で少女を追う黒髪茶目の少年。
マジで朝からついてねぇ。と、少女はそのチートスペックを全力行使して勇者から逃げた。
「ちっしゃあねえ!【空間跳躍】!!」
「逃がすか!【転移】
その1000万人に一人しか適合者がいないという時空属性魔法を軽々と行使しチートスペックで鬼ごっこ。
目には目を。歯には歯を。チートにはチートを。
でもぶっちゃけ少女が何処に空間跳躍したかわからない少年は学校の前に転移した。
ちなみに少女はというと。
「はぁッッッはぁッッッなんだあの変態………………」
「おお、孫よ。災難じゃったようじゃな。」
校長室にいた。
校長、威厳が崩れてる。
て言うか少女のお爺ちゃん=学園長って。少女のチートの理由がわかってくる感じである。
「祖父…確か今年の入学生に異世界から来たとかいう勇者が居やがったよな?」
「ふむ。」
「そいつって………まさか黒髪に茶色の目じゃねーだろうな?」
「む?勇者召喚成功のパレードを見ておらんかったのか?そうじゃぞ?」
「……………………………そいつのクラスってどこだ?」
「特S。」
特S=特別学級Sクラス。
「よし!祖父、私学校行かないからな!」
「えっなんで??」
勿論少女はチートなので特S。
うん。没。否、南無三。
結局少女は学校やめられなかった。
チーン。御愁傷様である。しばらく変態に付き合わねばならいのだ。
「摩訶般若波羅蜜多心「ねえ、」自在菩薩行深般若波羅蜜多時照「君の名前」空度一切苦厄舎利子色不異空「なんて」色色即是空空即是色受想行識亦復「言う」舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄「の?」不減是故空中無色無受想行識無眼「僕」舌身意無色声香味触法無眼界乃「の」意識界無無明亦無無明尽乃至無老「名前」老死尽無苦集滅道無智亦無得以「は」所得故菩提薩埵依般若波羅蜜多故心無 罣礙無罣礙故無有恐怖遠離一切「だよ!」想究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多「よ」得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅「ろ」多是大神咒是大明咒是無上咒是無等「しく!」能除一切苦真実不虚故説般若波「出来れば」即説咒「君」掲諦「の」諦「名前」掲「は」波羅僧掲「なんて」薩婆「いうの?」経」
一心不乱に写経する少女。無心&達筆である。
ところでそれ、何のお経?何で知ってんの?なんで感じ知ってんの?そんなことは神さえもあずかり知らぬ領域である。
「ねえ…君!だから名前を」
「席に着けー。」
上手にスルーする彼女。スルーとは最大の防御である。面倒くさがりは伊達ではなかった。
ちなみに横は勇者ではなかった。安堵。
「諸君、おはよう。諸君らは今日から王国直下第一学校の生徒だ。
入学式は明日。今日は自己紹介と校内見学などをする。じゃあ…アイウエオ順で…」
少女は明後日の方向を向き、聞くことを放棄した。人の名前を覚えるのが面倒いのである。
羊を何匹数えれば眠くなるか、試してみることにした。
羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹、羊が以下略。
速攻で飽きたそうな。
さて、自己紹介は終わった。
次は校内見学である。
「四人組を組んで動け。以上!」
おい、先公。
少女は青筋を作ったという。
気付けば変態がこちらに歩んでくる。
マジうぜえ。と、彼女は扉まで早歩きで逃げた。
勇者が走ってくる。面倒なので女子トイレに入った。
「【空間跳躍】」
そう言って彼女は校長室に行く。
右手に退学届を持って。
「おお孫よ、どうし」
「退学届出しに来たぞ。」
「…おじいちゃん寂しい!やめて!」
「絶対に辞めてやる!」
少女、結局やめられなかった。
「ッッッ勇者変態すぎだろ…………あ、登校拒否っていうルートが」
「やめて!おじいちゃん泣いちゃう!」
少女の苦悩は続く。
「ってなに続かせてんだゴラァ!」
To continue?
▷Yes / No
「ってイエスにカーソル合わせるんじゃねぇぇぇぇぇ!」
ポチッとな。
「クソッッッタレェェェェェ!」
ナレーションが見える少女であった。
修正:段落分け




