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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第三章帝国での武術大会は面倒事になるでしょう
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093 アホなやり取り

「何これ?」


まず店に入って思った事は、床中に散乱している服の山。何故か倒れ込んでいるクロとナターシャ。

クロは苦悶の表情でナターシャは何とも満足そうな顔をしている……


うん。何と言うか状況の説明を聞かずとも何があったか、容易に想像がついてしまうのは、私がこいつに何度もこの様な表情をして、襲い掛かられた覚えがありするぎるからなんだろうな。


遠い目をしながら、まずクロに〈アイテムボックス〉から掛布団を取り出しかけて置く。


迷宮ダンジョン魔物モンスターに追い掛け回されて疲れているだろうし。

………こいつに体を壊されたら困るからな。


さてと…………


何とも幸せそうな顔で倒れているナターシャを見て、碌な事をしていないのは容易に想像がついて、何ともムカつくので叩き起こす事にした。


「おら、起きろ!!」


重力魔法を発動させてこいつの体重を十分の一に、今の腕力を考えればそんな事をしなくとも持ち上げる事は可能だろうけれども、今からしようとしている事は出来そうにも無いので念のため使った。


まず、首根っこを掴んで猫掴みと言うのかな?そんな感じで持ち上げ、その後その場で振りかぶり、店の外目掛けて、放り投げる。


ちなみに店の外に向かって投げたのは、こいつの事を店の壁にぶつけて、埃がまき散らされたりでもして服を汚そうものなら、後でどんな目に合わせられるか分からない為である。


投げて地面に激突する瞬間に重力魔法を解除。


これをする事によって衝突する瞬間には、衝突エネルギーは全てこいつの体に入る。


と言っても……


「あぶなっ!!」


何て言ってはいるがかなりの余裕がある様な感じで、地面に当たる直前の瞬間から動き出し、すかさず手を………いや、あれは、指一本だけか?変な所で自分が強い事をアピールして来るな。それを地面について少々地面にひびを入れながら、速度を殺して宙返りをしてちゃんと足から着地する。


「いきなり何するんだよ?」


何て形だけの非難をしてくる。


私もその事は分かっているので、特に取り合わずに。


「一応聞いておくが、帰って来た時の状態は何だ?」


「それはだな………」


髪をかき上げながら、説明を始める。様になっているのが、また私をイラッとさせる。


正直に言うとハァハァ言いながら説明して来るので、こいつの言う事をまとめると。


直接むいてやるには、クロが予想以上に良く動くので捕まえる事が中々に難航したので、追い詰めて行ったら、意識の外から思わぬ反撃を食らい、脳が揺れて倒れてしまったらしい、その後クロも迷宮ダンジョンで相当走ったので疲れていたのか、少ししたら眠ってしまった様だ。


なお、この事を聞き出すのに私は十五分ほどかかっている。

何故ならこいつがクロの事を追いかけている時の黒の表情の事やしぐさの事を事細かに説明して来るものだから、なかなか話が進まなかった。

ナターシャの奴はすごいいい顔を話していたから、気付いていなかった見たいだけど、きっと私はこの時、すごい顔が引きつっていたと思う。


しかし、こいつはこんな見た目じゃ無かったら、犯罪だろう。


*容姿関係なく犯罪です。


そして、その後寝かし付けて落ち着いたクロに跳びかかろうとしたこいつに、重力魔法を使ってインパクトの瞬間に自分の体重を百倍近くにした本気の蹴りを叩き込んだりした後で………え?その結果?私がそう言う事をするのは分かっていたようで、吹き飛ばされてさっきみたいな感じで、ケロリとしていたよ。

ムカつく事に、本気の蹴りだったのに堪えた素振りも無い。


そんなアホみたいなやり取りを(こいつはそう言う事がしたくて、普段そういう事をしている素振りもあるが)して、やっと私の持ってきた本題に入ることが出来た。


「ふ~ん、薬の密売ね」


何とも興味なさげだ。


こいつは普通の金銭や名声には対して欠片ほどの興味も抱く事は無い。


まあ、密売と言う意味では、こいつも迷宮ダンジョン内の服に使う事の出来る素材を許可なく使って売っている。

何故そんなものまで、許可の様な物がいるのかと言うと迷宮探査によって生み出される経済効果は、小国の経済効果一個分に匹敵もしくは、凌駕する。

つまりこいつが何気なく使っていてここで散乱している服の素材は、それこそ市場に流れれば、巨額の値段になる。

それ故にギルドは市場に流れる量を厳しく制限して、もっとも利益を上げることが出来る水準を保っている。

その為、ギルドの秘密保管庫には、売れば大国の国家予算に匹敵すると言われている程の素材が保存されているそうだ。

まあ、迷宮探索ギルドのギルド長になる条件は、ランクA+級である事。はっきりと言うとこのランクは、そっち直に言うと自然災害級。

相手にしようとするだけ間違っていると言われている位の化け物、大国でも十人はいないだろうと言われている兵器たちだ。

まあ、私はもっといると思っているけど。

しっかしそれが級の魔物モンスターが足下にゴロゴロいる様な都市で、本当に良く生活が出来ると思う。


おっと話がそれたな、つまりこいつはそんな素材で作った服を気に入った奴には格安で売る。

気に入る基準はすべて容姿だが………


それとこれを転売したことがしれようなら、容赦なく消しに来るとも聞いた事があるが………


正直に言うと、今から一戦交える事になるだろう連中よりも、それの方が私は遥かに怖いと思う。


「まあ、分かっているとは思っているけど、私は動かないわよ」


「分かっている。相手度分かっているが、お前ほどの敵はいないだろうから、私一人でもなんとかなる」


「そう、まあ、私並みが居ても、不意をつけばあなたなら殺せるわよね?本当に殺傷能力に関しては、考えられない程に強いからね、あなたの特殊属性は」


「……」


「早くとも三日以内にかたを付けなさい。それ以降だと相手も本腰になるわ。そうなると不意を打つのは難しいだろうから」


「分かった」


取り敢えず今日は、疲れを取る為に宿屋へ向かった。


次の投稿は新作の方を少し本腰を入れて書きたいので土曜の00:00に投稿します。

ありがとうございました

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