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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第三章帝国での武術大会は面倒事になるでしょう
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089 悪女のたくらみ

数百にも及ぶ魔物モンスターの死体から売れそうな部位と魔石を取り終え、一段落したところで。

関わるだけ面倒くさそうなアホネコを放置して、さっさとこの場所から離れようとするが。


「あ、あの。私も地上に連れて行ってください」


案の定、そう声をかけて来た。


「断る」


きっぱりと断り、その場から離れて行く。さも、私には取り付く島もありませんよ~とアピールをしている様にも見える。


「わ、私は道が分からないんです。お願いですから一緒に連れて行ってください」


それは自業自得だろうが、それよりも、もし私がこいつを連れ帰ったと仮定しよう。そうなればこいつは私には主人が居なくなってしまったので、新しい主人になってくれとかそんな事を言って来るに決まっている。

私としてもそれが使える様な奴であればいいのだが、こいつは主とは言えグータラな私見たら、なんだかんだ言って働かせようとするに決まっている。そんな奴をそばに置くなんてありえない、そんな奴がそばにいれば、のびのびとだらける事が出来ないに決まっている。

しかも亜人の奴隷をこの街で持っているなんて、無駄に目立つ様な事は、絶対にごめんだ。今でさえ、有り得ない速度で攻略を続けている事で、目立ち始めていると言うのに自分からその材料を追加するなんて愚の骨頂。


しかも、こいつは私の切り札である。【黒糸】を更に言えば、【黒糸陣】まで見ている。

それが漏れるのも私にとって都合の悪い事だ。最善策としては、ここで口を封じておく事であるが………さっきの階位技術を見るか限り、粗悪な短剣しか所持していないとは言え直接手を下すのは、難しい事が予想される。それなら付いて来ない様に正論で押して、こいつの言い出しを事を断る方向に持って行けばいいか。


「人をトレインに巻き込んでおいて、それは都合がよすぎないか?

 むしろ、人をそんな事に巻き込んだとしたら、殺されても文句が言えないよね?」


と殺気付きで脅す。


それにね、と付け加える。


「私はソロで行動する事になれている。迷宮ダンジョンの中で無駄なリスクを背負いたくはない。

 君は、はっきりと言うのなら速度特化型の敵魔物モンスターを引きりける役目をして来たのだろう。

 と言う事は君のもとのパーティーは、ちゃんと隊列を組んでバランスのいいパーティーだったのではないのかい?

 でも私は、一人でそれが完結している。はっきりと言うのなら、そこに誰かが加わるのは私にとってマイナスにしかないらない」


それは二の句を付けないと言うのが、正に当てはまる言いぶりだった。更に言うと最初の要求をのませた後に呑ませたかった要求も先読みされて、言う前から断られたように感じた。

 

「うっ………(ぐすっ)」


若干涙ぐんでいるが、それは同性には通用しないだろう。


………こいつと一緒に居る事のメリットも考えて見るか。


メリットはおそらく今の様な大群相手にも私の【黒糸】が有れば何とか出来て、一気に稼ぎが増える事だろう。更に言えばこいつがすべての敵を引き付けてくれるから私は自質的に、【黒糸陣】を作ってるだけでいいと言う考え方も出来る。

そうなる事を仮定すると戦闘は、今までの様な不意打ちを中心にする戦闘から、ある程度は命を危険にさらす戦闘になる。その事は、デメリットとして追加してもいいだろう。

戦闘で命をかける事は、当たり前かも知れないが彼女の目的は、一目ぼれしたベットのおいてある宿屋に泊って稼ぎによっては自堕落な生活を送る事。それが彼女にとっての最高の形なので、戦闘は単なる過程であり、その過程に危険を含めるくらいなら安い宿でもいいから今から自堕落な瀬克をした方がましと言うだろう。


目の前にいるこいつがどれだけ、私の危険を肩代わりしてくれるか………


だが、こいつの防御力を考えると一撃貰っただけで戦闘不能になるだろう、今までこんな事をして生き残っている事を思うとよほど回避能力は高かったのだろうが、それが永遠に続くとは考え難い。

幾ら、回避能力に特化いているものであっても人間だ、機械であっても誤作動を起こす可能性があり、絶対のなんて口が裂けても言えないのにそれに命をかけるのは何とも不安が残る。


やはり、欲を書くと碌な事が無い事は、歴史が証明している。今のペースでゆっくりと安全マージンを取りながらやって行くのがベストだろう。


そう考えをまとめ、やはりここでこいつの事を助けるのは、自分にとってプラスにはならないと結論付け、その場を去ろうとした。


「あ………待ってくださいっ」


そう言って私の服の裾を掴む。


「………」


先程よりもさらに強い、氷柱の様に冷たく鋭い殺気を出して睨む。


こう言う殺気を使った威圧関係は、【暗殺者】と【忍者】の補正範囲に入っているらしく、同ランク帯ではどうやっても出せないであろう強さとなり、ここで置いていかれれば死ぬ以外に結果が待っていない様な状況で、切羽詰っていた彼女にとって、その殺気はまるで心臓を直接掴まれた様な恐怖を彼女に与えた。


「ひっ……」


耳がペタッとたれて何とも加護欲を誘う雰囲気を醸し出す。


それはもし彼女が冷静だったら、自分が相手に対して、命を脅かしたと言う事以外にも自分に恐怖を与える事が目的なのではないかと言う事が、多少なりと予想が付いただろうが、そう思わない事も私の誘導した通りなのだけどね。


ん、さっきまでと言っている事が違う。いや、理性では……と言うか何度考えてもこいつを連れて行く事は、私にとってマイナスにしかならないと考えているし、面倒を背負う事はしない方がいいと思っているのだけど〈直感〉がこいつを連れ行けと、五月蠅いんだよね。


向こうにいるころから、〈直感〉は外れた事は無から、そこまで反応していると言う事は連れて行けば何かいい事があるのかも知れないけど、それに倍する面倒事がある事が容易に想像がつく。こいつを連れ獲るのはどうなんだろうな………


まあ、いいや。こいつを脅すこのくらいでかまわないだろう。


「…………仕方ない。地上に連れて行くだけだぞ」


それを聞いた瞬間、耳が立ち顔も笑顔になる。


「ありがとうございます」


この後、多分上に戻れば自分の事をパーティーに入れてくれ、とかそんな事を言って来るだろうから、私が相手の熱意で折れる様な感じでやればいいな。もし、それを言って来ないとしても、私は今までの事をやり続ければいいだけだらか問題は無い。


ありがとうございます

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