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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第三章帝国での武術大会は面倒事になるでしょう
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082 魔人達とお話

久々の更新です。

更新していない間も、読んでくれる人がいてとても嬉しいです。

ポイントも順調に上がって行くのも、大変嬉しいです。

これからもよろしくお願いします。

お手数かもしれませんが、誤字が有りましたらご報告お願いします。


俺は妲己の家で、さっきの【魔人】達との会話についてと話の中に出て来たことについて、詳しい事を聞こうと思って家に上がらせてもらった。

話の内容が内容なので、人払いがされていて、誰もいない家の中は、静寂が支配している。

家の外からは、シャラが帰って来た事の祭りの準備をしているのだろうか、喧噪が聞こえる。


妲己は流石に客に、茶を用意させるわけにはいかんな、と言って家の台所の方へ向かって行った。


俺は多少のひまが出来たので、目を瞑って話の内容を思い出す。






椅子に座りながら机越しに、俺達は睨み合っている。


いや、この表現はあまり正しくないか、俺は妲己を【魔人】達は俺か妲己を睨んでいるのが半々。

俺が妲己を睨んでいる理由は、俺が孤人族の変装?変身をしている事を良い事に、俺の事を良いように使ってこの即席の対面場を作らさせられたからだ。


もちろんこの格好していて、こいつの事を聞いていたので、別に言う事を聞くくらいならいいと思ったのだが、要求が予想以上に細かかった。


そして、そもそも妲己は俺に用意させたお茶を飲んで、お茶菓子を一心不乱に食っているので、誰も睨んではいない。


昨日の持ち物から予想して、俺がこう言ったお菓子などの嗜好品をため込んでいる事を見向いて、この場で出せるだけ出せと言って来たので、机の上はお菓子だらけだ。


しかも出したお茶は、後でみんなで飲もうと楽しみにしていた、一缶大金貨一枚もする高級茶葉だ。


何で、こんなに俺の持ち物の事を知っているのかはいいとして、流石にこれは苛立っても所が無いと思う。


………まあ、このままだと恨みが出続けそうなので、閑話休題|《ちょっと棚上げにして》、話を進めよう。


それと妲己の方を睨んでいる者達は、何やら只ならない印象を俺に与えた。

まるで、親の仇を見る様な雰囲気だ。


俺がそう思っていると【魔人】達のリーダーの様な俺の攻撃に耐えて、最後までたっていた男が話を始めた。


「妲己。昔の様に俺達と一緒に、人間たちと戦ってくれないか」


ふむ………まあ、案の定だけど。目的は妲己か……


しかし、昔からの知り合いと言う感じの言い方だな。


それに対し妲己は。


「何度も言っておるじゃろう。わしは、協力する気なぞない」


とまるで興味も見せずに、お菓子を食べながらそっけなく答える。


男は一瞬何を言われたか分からなかったのか、呆けた顔をしたがすぐに。


「何故だ」


男は理解が出来ないと言う様な顔をして、立ち上がってテーブルを思いっ切り叩いた。


凄まじい音が辺りに響く。


それに呼応して、後ろに控えている座り切れない者達も殺気立つ。


それを見てはいるが、その程度では妲己を如何こうする事は出来ないと思い、俺は傍観を決め込んでいる。

ちなみにこのテーブルは、俺の魔力で強度が上がっているので、その程度では傷一つ付かない。


「以前は、同士として共に戦ったではないか。

 奴らは、俺達の事を虫けらか何かと思っている。

 お前もよく知っているだろう、俺達の同胞が奴隷として浚われて、如何言う扱いを受けるかを。

 しかも静かに暮らしていたいものを【魔人】と言うだけで、人間たちをそいつらを殺しに来ることを。

 多くの同胞を殺されたのだ、何故お前はそんな平気そうな顔をしている」


俺には、この男がどうにかして妲己を説得しようとする。


「………」


妲己はそれを黙って聞いている。

男は話を聞いているのだと思い話を続ける。


「お前も内心では、それらを如何にかしたいと思ってるのだろう? 

 昔みたいに人間どもを「もう、黙れ……」っな」


男のセリフにかぶせる様に、妲己は強い拒絶の言葉を出した。


「フドルフよ。

 お前の考えは、浅い。

 力を行使しているだけでは、現状は変わらん」


言葉の裏を読むと、人間は馬鹿だから力で如何こうすると、結局は忘れて恨みだけが残ってまた自分たちの事を攻撃して来るから、だろうか?


「な、何だと………だったら、黙って搾取され続けろと言うのか。」


今俺が考えた様な裏を一切読むことが、出来ていない様だ。その事に妲己は、ため息を吐きながら。


「そうは言っておらん。もっと別の解決法を探せと言っておるのじゃ」


「なら如何しろと、言うのだ。

 話し合いでもしろとでもいうのか?奴らにとって俺達は、管理してやると言って来るのだぞ、そんな奴らに対して、何を如何しろと言うのだ。

 それこそ俺達には戦う以外に道は無いのだ」


リーダーの男……フドルフは、それ以外方法は無いと言わんばかりに言った。


確かにそうだが、だからと言って、そう言う方法を選ぶのも下策だろう。


「はぁ……。

 如何するつもりなのだ?

 数の上で負けて、【英雄】や【勇者】と言う無視できない存在もいるのに、勝ち目なんぞなかろう?」


「【魔王】様がいる。それにお前もそいつらくらい倒せるだろう?」


「………他力本願じゃの。

 もし【魔王】が協力する気が無かったら、お主らは如何するつもりなのじゃ?」


妲己の反応は、冷ややかなモノだった。


………ごもっともだな。……と言うか、その時、俺は今すぐここから、おさらばしたくなって来たのだが………


しかし、【魔人】達も妲己のその発言に対し、更に殺気を大きくしていく。


「そんな事は、有り得ん」


何を馬鹿な事を言っているのだと言わんばかりに、フドルフはその発言を否定した。


「何故そう言い切れる?穏健な【魔王】がいなかった訳ではあるまい」


妲己は、手をひらひらと振りながら、追い打ちをかける様に、言葉を紡ぐ。


「だから何だ。

 現れると言われている【魔王】様は、世界に変換を起こすと予言されているのだぞ」


後ろにいる者達も、そうだそうだと言っている。


何て言うか、そこまで切羽詰っているのか【魔人】達は……本当に自分たちについて、有益なのかどうか分からない存在に、そこまで期待するとは………いや、もうこの様子は、狂信的とも言っていいな。


俺は呆れたと言う体で、話を聞いている。


「だから何じゃ?

 その変革の明確な、内容も分からないのにそれを盲目的に信じるのは、どうかと思うぞ?」


そう言って妲己は、カップを手に取ってお茶を飲んだ。


「………」


【魔人】達はその発言に対して、先ほどの物よりも頭に来ているのだろう。

武器を抜いている者もいる。


はぁ、面倒くさい。そのもう騒げるように成るだけの回復力は、評価するけど今は………ただ鬱陶しい。


俺は動くな、と言う意味合いを込めて、魔力と殺気と共に睨み付けた。


「ひぃ……」


この程度で、委縮するんなら動こうとするなよ。


はぁ………


それに対して、妲己がすまんな、と言う感じでこちらを見て来る。


俺は、そんならお前がやれよと言いたくなったが、話をしている者がそんな事を出来る訳無いと感じ、それに対して特に何か反応をする事は無かった。


「何故、そこまで俺達の事を否定するのだ………

 【銀仙王】と呼ばれ、太古の【双極王】にさえ匹敵すると言われたお前が」


「何時の話じゃ………しかも【双極王】になんぞ、匹敵している訳があるまい。神格召喚が一体でも確実に勝てるとは言えんわ」


妲己は、うんざりした様な雰囲気で答えた。


今の話は、聞かなかった事にしたいな~下級神級に匹敵するって言っている様なものじゃないか………

………まあ、無理なんだろうな、絶対にこの話はいずれ、俺に関係して来るんだろうし……はぁ……


俺もうんざりした様な感じになる。周囲の者がどうした?と言うふうに見て来るが無視する。


妲己が何だか、分かっておるぞと語りかけて来る様な、眼差しを送って来る。

こいつは、俺に会ったときに何か考え事をしていたから、もしやと思ったが、やっぱり俺の正体を見抜いているのか?

こいつの実力と今までの経験から、考えると別段不思議な事では無いけど………その事を分かっていて、こいつらに喋らせたのだとすると少々性格が悪いな……


しかし、ここまで人間と戦う事を固執している者達を説得するのは、大分骨が折れるぞ……まさかと言う予感レベルでは無く、確実的なレベルでそれを俺にやらせる気なのだろうな。


仕方ないので、俺も発言する。


「君たちは、僕にも勝てないのになんで、人間と戦って勝てる気でいるの?」


と言っても俺は、こいつらの事を擁護するきは無い。


「なっ……は?」


「っ……」


【魔人】達は急に喋った俺に対して、何を言われたのか理解すると、激怒しそうになるが、俺が一睨みすると先程の恐怖を思い出したのか、黙り込んだ。


妲己は、俺が急に挑発的な事を言った事に関して驚いている様だ。


「今日は、もう帰ったら?

 どう考えても、君たちのその勝ち目のない戦いに付き合う様な、頭が残念な人は居ないと思うけど?」


あそこまで、こいつらの事を拒否している様なら、別にここも出いっても問題ないよね。


「………」


「それに君たちはさ、人間たちと本当に、会話しようとした事あるの?

 以外と亜人たちを差別しない人たちもいるよ?

 一部の人間だけを見て、その種族が悪だと断言するには、ちょっと早すぎるんじゃない?」


それは、君たちの嫌いな人間とおんなじだよ?


まあ、俺はここに来てまだ半年もたってないから、あんまりこっちの人たちの考え方に、とやかく言う資格は無いのかもしれないけど、こいつらは年月を悪い方に重ねたんだろうね。


恨みをため込んできた、みたいだしね。


力を付けた理由も、ただ復讐をしたいから、相手を殺したいから。


俺が力を付けた理由と何が違うのかと言われたら、俺は相手を殺したかったのではないし、恨んでいた訳じゃ無い、ただ自分と一緒に鍛練をしていた榊お嬢様の事もあるけど、自分の地位を手に入れたかったからだ。


まあ、今のこれはいいだろう。


「………今日の所は、帰る」


その発言に周囲の者達は、驚いている様だがルドルフは、有無を言わせない口調で話を進めて行く。


「また、来るぞ」


俺と妲己に向かって言って来るので。


「僕は基本的に、集落から離れて人間の街を回っているので、次に来た時にいるとは限りませんよ?」


「そうか………本当に人間の事を見ているのか?」


と言っても自分自身が人間なんだなどね。特に妲己が何か言って来るわけでもないから、こいつらの目の前くらいはこの設定で通すかな。


「色眼鏡で見て来る人は居るけど、優しくしてくれる人もいる」


これは、リルやレティシア達がカールスルーエでは、普通に過ごせているから全部が嘘な訳じゃ無い。


「貴女が本当に、自分達の身内を護りたいと言うのなら、自分の方から戦いをやめると言う選択も選択肢に入れてもいいんじゃないのかな?」


これは、とてつもなく難しく、ほとんどの者が選択できないものだけどね………かく言う俺も自分にその様な本当に心の底からの復讐心を抱いた時に、それを選択することが出来るかは、分からないが………






まあ、もっと話は有ったのだけど、将来的に俺に関わってく様な話はこんなものかな………


「はぁ………」


如何にかしたいが、あの考え方が【魔人】達の中に浸透していると言うのなら、ちょっと俺に如何にかすると言うのは、荷が重いな………


そう考え事をして唸っていると、妲己が現れて声をかけられる。


「あんまり、根を詰めて考え過ぎなのじゃないのかのう?」


こいつの隠形法も謎だよな………俺の〈諸事万端〉は様々な探知系のスキルを統合をしてはいるが、空気中に極微細の無色の魔力を飛ばして、その魔力が俺の目となり耳となる。


しかし、この魔力は空気中に存在するよりも小さいので、探知しようとしても探知する事が出来ない。


例えば、この魔力を匂いとすると普段からある物に対して、人は気づくことが出来ないだろう。更に、それよりも匂いも薄い物が空間に溢れたとしても気付く事は出来ないだろう。


と言っても魔力は、臭いと違うから一概にも言えないけどね。後、俺よりも魔力操作に長けていればそれは可能かもしれないが………いや、俺よりも長けているのだろうな、まあ、それをどの様にしているのかは、残念だけど俺には理解する事は出来ないのであろうね。【仙孤】はその様な魔力の操作に長けた種族だし、まあ、そう言った操作は長い年月を経る必要がある技術なのだろうな。


「お~い、どうしたのじゃ?」


「五月蠅い……………すまない………」


最初の方は、考え事を妨害されて、怒鳴っている様な声を出してしまったが、すぐに我に返って言葉が小さくなる。


…………つい悪態をついてしまった。


「ははは、すまんのう。じゃまだったかの?」


何も気にした様子を見せる事無い様だ。


「いえ、すいません……」


自分の落ち度を認めている状態でこの対応は、むしろ辛いな………


少々、俺はバツの悪い様子で話を始めた。



ありがとうございました

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