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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第一章 召喚されました、人間の敵になるようです
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007 聖国首都へ

「ふぁあ、ん、ここは、………ああそうか異世界に来ているんだったな」


あ、ここは知らない天井だ をするべきだったか。


まあ、いいか。そんなどうでもいい事は。


俺は待ち合わせの時間よりも数時間の余裕をもって起きた。

何故ならこっちの世界に服を持っていないので買い物に行こうと思ったからだ。

今思うと昨日からまれたのも考えてみればこれが原因かもしれないな。

今まで学ランの上にクノから貰ったローブを羽織っていただけだからな。

ローブの品質と下に来ているものの品質が違いすぎるからな。


「あ、おはようございます」


俺に気付いた女将さんは挨拶をしてくる。

女将さんは食堂を掃除している。

毎朝掃除をしているのだろう手際がいい。


「おはようございます。

 早いですね」


「ああ、いつもの日課なんだ、ここは何時もきれいにしておかなきゃならないからな。

 それでなんだ、出かけるのか?」


「服屋に行こうかと思いまして」


「ああ、なるほど」


俺の服を見て何やら含みのある言い方をする。


「?」


俺は宿を後にする。


そのあとに何枚かの黒いシャツとズボン、革ブーツ、革コートに手袋を買った。

それなりにいいものをかったので持っている金の半分が吹っ飛んだ。

向こうでは、顔を隠そうと思っているからその後、雑貨屋で目元を隠すタイプの銀の仮面を買った。

なお、そのままでは自分の動きに耐えられないので魔力で強化したりしたら。


スキル〈付加〉を入手しました


なんてものを手に入れる事が出来た。


これはこの後物凄く世話になる事になる。




そしてその後、ルナさんの待つ転送門の前に向かった。

そこには銀糸の装飾のされた白いローブを着たルナさんがいた。


「おはようございます。

 今日はよろしくお願いすます」


「おはようございます。

いいんですよ、お気になさらず」


「ありがとうございます」


俺たちは聖国首都シャルバーに向かった。




聖国首都シャルバーは人口50万人の人国の中で最大級の都市の1つで、国の政策ですべての建物が白く塗られ観光地として、そして教会の聖地巡礼として多くの人が集まる都市である。


へぇ、すごい綺麗な街並みだな、これで腐った連中さえ居なければなあ……


俺がもの珍しそうに、辺りを見回していると、


「ん、君はこの街のことが嫌いだと思っていたがそうではないのか」


「別に綺麗なものには綺麗と言いますよ。それに俺はこの街が嫌いな訳では無く、ただ街に居る教会の連中が嫌いなんだ」


「ふふふ」


なんだか妙に機嫌がいいな、何か好感度の上がるようなことをしたかな?

記憶に無いんだが………


まあいい早く目的を果たすか。


「ところで、どこ行けば交換してもらえるんですか?」


「ああ、王城だが」


それは危機を感じ少々顔をしかめて聞く。


「本当に大丈夫なのか、それは………

 なんだか嫌な予感がするのだが」


「大丈夫だよ、アポは取って有るし、ちゃんと私も立ち会うからその様な事はならないから安心して」


何やら姉の様な口調で言って来る。


「そうか、それならいいんだが………」


「それじゃあ行こうか」


それにしてもここから逃げたはずなんだがまさか一日でここに来ることになるとは世の中何があるか分からないな。




「すごいな………」


今王城の前にいるのだが俺はその威容に茫然としていた。


街と同じように、白塗りの壁で使用用途の解らないあの尖がりもいくつもあり、壁の至る所に複雑な彫刻もある。〈空間把握〉で確認した限りでは中に大きな中庭もあり池まであるようだ。

さて、念のため魔法の発動準備もしておくか。


「ちょっとぉ、それはやめておきなさい」


とっ、気付いたかやはりこいつも油断ならないな。今のはかなり気配を隠してやったつもりだったんだけど……


「……分かった」


そう言って準備中の魔法を破棄した。


「さっきも言ったが私が立ち会うからにはそんなことにはならないから。

 そう言うのは辞めてね」


本当になぜ?まるで大人ぶった同級生が手のかかる同級生に言うような声色でいう。

こんなに懐かれる?心を開かれる様な事したか?


立場的には完全に失礼な言い様なのだが、容姿が見た感じ少女なのでそういう感想が出てしまう。

そんなやり取りをしながら門に近づく。


「昨日連絡を入れた。迷宮都市ザクセンのギルドマスターのルナだ、門を開けてくれるか」


初対面の時に見せた貫禄を出しつつ言う。


「了解です」


へぇ、これだけでは入れるのか、やっぱり高い立場にいるんだな。


門をくぐるとのもすごく維持のコストのかかりそうな、すごく手間の掛かっていそうな庭が広がっていた。しかもここ温度が一定になるような魔法が使われている?

こんなに贅沢してるのかここの王族は、いやそういえばクラスの連中もここにいるんだよな。

ちなみにすでに俺は仮面を着用済みだ、まあルナさんは少し止めようとしていたがこれは着けていく。もし見つかったらまずいからね。これを付けていれば格好が違うからよほど注意深く見られなければ大丈夫だろう。


案内に従い部屋に通される。


「ここでお待ちください」


案内のメイドさんはそう言って部屋を出ていく。


案内された部屋も相当豪華だな、とことん贅沢をしなければ気が済まんのか。


ソファーの柔らかさと品質に馬鹿馬鹿しさを覚えながら待っている。ちなみのこの世界の皮は当然の事であるが魔物の皮を中心に使い日本の様にその為に動物を育てる様な事は特別な技能を持っている人間がいない限り同じことをする事は出来ない。しかし一部の特別な顧客の為にテイマーを雇い下級の魔物を使って作る為、値段は通常のソファーの数十倍から数百倍以上の値になるらしい。


考え事をして待っていると、大きな箱を持った男を連れたキャリアウーマンの様な雰囲気の堅そうな女性が入ってきた。


「おまたせしました。早速ですが話に移らせてもらいます。

 あなたが持つ魔刀と我々の持つ魔槍を交換すると言う事でしたね」


見た目通り仕事を早く済ませるようだ。


「ああ」


「ではこちらを」


そう言うと後ろの男が箱を開け豪華な装飾のされた槍を机の上に置く。

俺はそれを見た瞬間にそれが直ぐに見栄えがいいだけの美術品だと見抜いた。


「はぁ、お前舐めてんだろ。取り敢えず見栄えが良さそうなものでも渡しとけばいいとでも思ってんのか?こっちが渡す等級は教えておいたはずだ、その高等級の魔槍がこの程度の魔力しか無い訳が無いだろ」


「なっ、そんな」


嘘はついてないか。と言う事は…………


〈索敵〉〈空間把握〉発動


見っけ、こっちの事を見張っている者達を見つける。武装をしている連中もいる事から騙せればよし、バレたら殺してしまえと言ったところか。

それでやられるほど俺も弱くないけどね。


〈思考加速〉発動


高速発動で発動させた雷属性初級魔法 電矢 を使い周りで見張っている5人とこちらに殺気を向けていた荷物持ちの男を気絶させる。


「おい、それはやりすぎだろ」


「大丈夫だ、気絶させただけだ。

 さて、これはどう落とし前をつけるつもりだ。

 まあ、お前に言っても無駄か?責任者を出せ」


目の前にいた女は、詠唱も無しに魔法を使い護衛の男を気絶させた事に恐怖を覚えていた。

そんな事を言われるが断れる訳もなく。


「は、はいわかりました」


と答え部屋を出て行った。


「いいのか?

こんな事をして」


「構わない、これでどうこうしようなら………

 城ごと消し飛ばすか?」


と最後の部分をぼっそと言い。考え込むような体勢をとった。

まあ、もし来るんなら昨日の夜に思い浮かんだ、空がある状態で使える大量破壊用の魔法を使ってみるか?


やばいことを考えていると息を切らしたおっさんと兵士がやってきた。


よしやるか。


そうしようとしたときルナさんが俺の前にでる。


「待て、これは何のつもりだ」


ルナさんが声を荒げて言う。


「こっち正式な手続きを踏んでここに来ている。この対応をすると言うのは何のつもりだ?」


「はっ、勇者様に武器を献上できるとゆうのに図々しいぞ。

 ととっと武器を置いて消えるがいい、この汚らわしいハーフエルフが」


ルナさんが悲しそうな顔をする。

こいつ………

俺は怒りに我を忘れながらも、使っても構わない称号を使う。


「おいルナ、下がっていろ」


少々言葉遣いが悪くなってルナが驚いた様な顔をしているが知った事か。


称号〈魔の極〉〈無慈悲な侵略者〉〈大量殺害者〉〈一騎当千〉発動。


称号を発動させ急激に増した威圧感に兵士が怯えているな。


これくらい称号を使いレベルも上がっているから上級魔法も使えるだろう。最悪脅しの為に壁でも吹き飛ばすか。


「な、貴様抵抗するのか」


「貴様らはその言葉で他人がどう感じるか解らんのか」


「は、下らん。下等な者どもの事など我々の言う通りにしていればいいのだ」


それを聞いた瞬間に俺の我慢は限界に達する。


殺す。


「口を開くな、死ね」


火属性…風属性複合上級魔法 爆裂…封乱 を使い目の前にいる男と兵士をまとめて焼き尽くす。

なお、真空の膜と結界が威力を逃がさないため、部屋の壁や床には焦げ一つ付いてなく。更にその中で高温の風を高速回転しているので炭化した肉体もさらに粉々になり水分の蒸発によって空間の中の気圧も上昇する為、温度はさらに高くなっていく。

その後氷属性の魔法で温度を下げて残ったごみを窓の外へ捨てる。




スキル〈無音〉を入手しました。


スキル〈証拠隠滅〉を入手しました。


称号 〈豪熱の魔導士〉を入手しました。


称号〈サイレントキリング〉を入手しました。


称号〈完全犯罪者〉を入手しました。




まあ、妥当なスキルと称号だろうな。それに名前はあれだけど効果そのものは使えるからいいか。


「さていこうか」


「どこに?」


「俺にちょうどよさそうな武器を手に入れに」


城の地下に何だか面白そうなモノがあったからな。

そう言いルナさんと共に歩き出す。


「え、でも此処の道分かるの?」


「〈空間把握〉でここの構造は分かっている」


「え、じゃあどう移動するつもり?」


「〈無音〉で移動すればいい」


そう言って壁の隠し扉を開きながら言う。


「何これ?」


「地下室の入り口」


簡潔に答える。


扉を閉めた時の繋ぎ目を〈証拠隠滅〉で消す。

そしてさらに奥に進む。降りて行くと重そうな扉が見えてくる。


これは堅そうな扉だな。しかもこの扉は溶接してあった。普通のやり方では開く事は出来ないだろう。


まあ、物理的に壊せばいいんだけどね、それと警報の魔法の残滓は有るけど…………これは何年か前に効力を失っている様だから無視でいいか。


黒煉を取り出し切り裂く。

まるでバターをでも斬るかのように扉は斬られていく。

すごい切れ味だ。これならどんなに下手くそでもこいつを持ったら一端の剣士になれそうだな。


「よしここだ」


中に入るとそこには幾重にも封印?の布の巻かれた槍が置かれていた。


「これは、どうやってこんな所、見つけたの?」


「え、だから〈空間把握〉と〈マッピング〉で」


「………」


俺は魔力が漏れないように結界を張って槍を持つ。

槍を持った途端、その場に巨大な魔力が満ちる。


くっ、やべぇこれは予想外にきつい。【黒煉】の時は特に意識しないレベルだったがこいつは………


称号〈戦術級魔導士〉〈魔王〉〈魔の極〉〈魔神継承者〉発動。


ぐぅ、すごいな、これは期待できそうだ。

数分間、魔力を吸われ続けやっと落ち着いた。

槍は形を変え黒い持ち手と刀身に赤いラインの走る槍に形を変えた。


称号 〈神杖槍の契約者〉を入手しました。


「ふぅ」


危ない確かにこれは、封印されるのも当然だろうな、これだけ危険なら。


人外称号を四つも使って魔力が枯渇寸前だなんてありえんだろう。

まあいいものが手に入ったな、さて帰ろうか。


「それじゃあっもどろうか」


「えっとその槍はなに?」


「ん、これがさっき言った良さそうな槍」


「さっきの魔力は」


「まあ詳しい話はここを出てからにしよう」


俺たちは、来た道を戻りも説いた部屋に【黒煉】を置いて帰ることにした。


「え、置いて帰るの」


「何を言っているんだ、今日は武器の交換に来たそして無事に終わったそれでいいんじゃね」


「はぁ、わかりましたここでは、滞りなく交換が終わりました」


うんと、俺はうなずき俺達は門に向かって歩き出した。


彼らがさった後の部屋のテーブルの上には【黒煉】が置いてあった。



ありがとうございました。

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