067 休日終了
俺はいつも通りの夕食の一時間前くらいに帰って来た。喉が乾いてるので食堂に行ってお茶でも貰おうと食堂へ向かった。
「ただいま~ミーリャ。お茶貰える?」
「お帰りなさいませ。勿論です………よ?」
俺の頭にいる物を見つけた瞬間に動きが止まった。
「お~い、どうした?」
反応が無い………
………ムニムニ
固まっていた事に悪乗りして頬っぺたをつまんで伸ばしたり遊んでみるが反応が無い。
ん~。そこまで驚く様な事なのか?
「はっ、何しているんですか」
「おっ、戻って来た」
「おっ、じゃないですよ。なんてもの連れ帰っているんですか。
竜の子供をさらうと成竜が殺しに来るんですよ」
「ん、そうなの?」
頭の上に居るシェンに話し掛ける。
「ん~、他の身内想いの奴はそうするかも知れないけど私の場合は私以外に同じ種族は居ないからね。
そんな心配はいらないよ」
「だってさ」
そう答えると
「な、な、しゃ、喋った!?」
ミーリャはさらに驚きの声を上げる。
「おい、なんかまたミスったか?」
「特に何か問題の有る様な事はした覚えが無いけど?」
「な、何で普通に会話しているんですか。喋っているんですよ」
「いや、だから何の問題が」
「【魔人】かも知れないじゃないですか」
「ん?どうなの?」
「違うね~根本的に純粋な龍は【魔人】にならないし~」
「だ、そうだが」
「ええと、そうなんですか?」
「そうだよ。【魔人】になるのは人間、亜人、モンスターだけだよ」
全く失礼なと言わんばかりに強い口調で言う。
「人間もですか?」
「あれ、知らないの」
「颯様は知っていたんですか」
「だって俺称号で〈魔人化〉する奴持ってるし」
「え…………」
あれ知らなかったんだっけ?それとこの問題は亜人差別とは別の所に根がありそうだな。
「えーと、そんなものを持っていて大丈夫なんでうすか?」
「特に何か問題は無かったが」
「そうだね。て言うか〈魔人化〉は悪い事じゃないし」
シェンが話して来る。
「そうなんですか?」
「そうだよ~単純に〈魔人化〉なんて大きな魔力を持って人型になるからその名前がついているだけだよ。
と言うか君の持っている〈天使化〉もただ属性に光が付いているだけで〈魔人化〉と大きな差は無いよ」
「そ、そうなんですか」
「そうなんです」
へぇ~、そう言う認識なのか。
その後はミーリャの声でみんなが集まって来てシェンのお披露目となった。
意外な事に小さい子たちには可愛いと言う事で案外すんなりと受け入れられ。
リルとレティシアには俺が管理しているのなら大丈夫との事だ。
見た目が子竜である為そこまで警戒をしていない様だ。
ちなみに喋る事に関しては特に反応が無かった。自分でも予想外なレベルでシェンは簡単に受け入れられた。
さてと、明日あたりに使者が来るだろうから準備でもしておこうかね。
知識無い子供たちは可愛ければいいのでしょう。
問題はこの後に帰って来る大人の亜人たちの方でしょう。
ありがとうございました




