064 日常風景? 颯(3)
俺は今、街から数十キロ離れた荒野にいる。
別に街中でやってもいい気がするけど街はともかく邸にいるやつらは巻き込みたくないからな。
え?何ホントはもう失敗してんだろ?
そうだよ、悪いか。二か所に結界で空間を隔離してその中を重力魔法で空間を歪ませて実験用の物体を飛ばしたんだけどな、その物体と元あった空気が物体が空気を押しのけるんじゃなくて同時に存在してしまった為、核融合が起こっちまって大爆発しそうになったんだよ。
まあ、それをした瞬間に〈超直感〉がすげえ危険を知らせて来たから〈死氷の魔王〉を発動させて何とかする事が出来た。【白焔】をどうにか出来る時点でこれくらいの事をするのは余裕だったけど。
空間湾曲系の転移は無理だろうな、真空の状態で送ったりすればいいと思うがそれじゃあ生物は送れないし。
となると残っているのは最初の頃にクノがした体を魔力に分解してから加速させる事で高速移動をする方法かな?
以前にも説明したが魔力は質量が極微量程も無い完全な零。物体が光速を超えられない理由は簡単に言うと光速に近づくと質量が速度によって無限に近づくのでそれ以上加速させる事が出来なくなるからだ。なんだかんだ言って光速なんて必要にと思うけどね。
魔法はパッと見物理法則を無視できるように見えるがそれは魔力と言うエネルギーを使っていて実を言うと物理法則に魔力と言う変数を入れると実は釣り合っているそれ故、無から有を生み出している訳では無いつまり意外と物理現象に縛られる(特殊属性は概念操作と言ってこれは正確には魔法ではない)質量があっては魔力や魔法を使おうが光速に達する事は出来ないと言う事になる。
神になら出来そうだけど物理存在である俺らには不可能。魔魂体の神や最高位精霊は特別な方法を使わないとこっちの世界に干渉出来ないけど奴らは俺らに出来ない事が出来る。
さてと転移の事は一度体験した事だから感覚は大体分かってる。
ここで重要なのは自分の魂を保護する事、これは今までに手に入れた称号と新しく手に入れた物で何とかなる。
〈死者の行進〉〈死と境界の王〉発動
この二つを使えば魂を感知して保護することが出来る。
ちなみに魂の方に至ってはこの世界の魔法技術では感知どころか本当の意味で証明出来てさえいない。
なお魂を保護して魔力化しないと元に戻っても心臓が何故か動かなくなる。これはモンスターで試したから確かだ。
それと魔力化させたのは〈魔力支配〉の派生技能だ。
ふう、やるか。
自分以外での生物で試した。その時はちゃんと生きていた。理論上は問題ないがそれでも相当覚悟がいるなこれは…………
「すー、はー、すー、はー」
大きく深呼吸をし,覚悟を決める。
〈平速思考〉〈諸事万端〉発動
〈魔の極〉発動
思考加速、処理能力、魔力純度を上昇させる。
〈魔力支配〉発動
自分の魂を保護しながら自身の体を魔力に変換する。
そして自分の体が完全に魔力へと変換された。
意識は明瞭。異常は無いかな?
これは異常とは言えいかも知れないが。
知覚範囲と思考速度の上限が上がっている?
まあ、異常じゃ無いからいいのかな?
思考速度の上昇は今まで脳や神経、神経伝達物質の速さの上昇を魔力でしていたが、体そのものが魔力になった為そんな事をする必要もなくなったからである。
特定条件の一部達成が確認されました。
スキル〈半■霊化〉を入手しました
称号〈魔の半■霊〉を入手しました
称号〈狂科学者〉は変異しました
〈瘋癲の科学者〉を入手しました
おっ、称号とスキルだ。
何これ何故に伏せ字?
えっと………え?いつもの説明が見れないどういう事だこれ?
俺はステータスカードで称号の説明を見ようとしたが見る事が出来なかった。
まあ、見れない伏せ字の奴は多分の魔力強化とこの状態になる事と魔法の強化だろう。
しかし、瘋癲、病気扱いですか…………
そこまで酷かった俺?て言うかこれは完全に悪口だよね……
称号って加護だよな?ありがたみなねぇ。
ん?ここに向かって高速で近づいてくる反応がある竜かな?と言っても俺がスキル使っている時よりは遅いけど……
まあ相当強いね。…………面倒臭いな。取り敢えず変装しよう俺を絶対に分からない奴がいいよね。
何だろう小さくなればいいかな?
〈多面の道化〉発動
大体俺が小一だった頃の姿になる。
さっきまで空中に浮いてたから髪の長さの調整して無いなした方がいいかな?
相当チビだったので足の先よりも長い。
…………何と無くこれでいい気がするな魔魂体ならこれくらいの不思議な点もあっていいだろう。良し、これでいいか。
さて、ここから離れよう此処でもし戦闘になったか下手をすると街に戦闘の被害を受けるからね。
さあさっそく新称号で移動してみよう。
〈半■霊化〉発動
ありがとうございました