063 兵士たちの雑談
噂話風です。こんなのどうでしょう?
街の見回りをしていた時に俺は信じられないものを見た。人によっては聞けば嫉妬に狂ってしまう様な光景であったと言えるそんなものを。
俺達はいつもの様に街の見回りをしていた。その日も街を見回り特に何か起こる事も無く昼になったので同僚たちと一緒に昼食を取ろうと近くの公園に行ったんだ。
そこで見たのは見ただけで質の良さと分かる服を着た子供たちだ。
最初は貴族の子供かと思ったが、同僚がそいつらの素性を教えてくれた。
「あいつらはここ最近この街に来て商会を設立したって言う奴が奴隷商から引き取ったって言う子供たちだよ」
「へえ、子供たちにあんなにいい服着せるって事は相当金を持ってるって事か?」
「何だ?知らないのかお前。そんじょそこらの貴族なんて目じゃ無い程に持ってるぞ」
何だって?貴族よりも金を持っている?信じられない。
「信じられないって顔してるな。まあ、気持ちは分からんでも無いが事実だ。
何でもその商会は何でも魔法具を作れるらしい」
「はぁ、魔法具!?
魔法具って言ったらあれだろ、迷宮だけで手に入って、人の手では作れないって言われていて、国の研究機関も開発を投げたって言う」
なんだか胡散臭い奴だな。何かやましい事でもしているんじゃないのか?
「現実逃避をしているみたいだが多分お前が思っている様な事は無いぞ。
所で話は変わるが白黒の美幼女って知ってるか?」
「勿論だ。この街を魔人から救った英雄じゃないか」
「その二人はそこの商会に所属している」
「はあ、マジかよ」
「しかもその商会の会長ハヤテ・マユズミって言うらしいが、その人は市長室から魔人に向かって攻撃して、その攻撃によって魔人を退かせたらしいぞ」
「なっ、ちょっと待ってくれ。
それってあの鬼の魔人の事だろ?
そいつが居た場所って確か、商業管理局から五キロはあったよな。有り得ないだろ」
そんな離れているものなんて見えもしないだろ普通。
化け物か……そいつ。
「それはいったいどんな魔法を使ったんだよ?」
「確かライフルって言う魔法具だったと思うぞ」
「もしかして、それも………」
「ああ、そいつが作ったらしいぞ」
「うぁ」
何だそれ?魔人を倒せる程の部下が居て本人は魔法具を作れる?
下手な軍隊よりも強力な集団なんじゃないのか……………
「そ、それって大丈夫なのか?
もしそいつらと敵対したら…………」
「俺たちは心配する必要な無いぞ。
ほら、うちの市長は亜人容認派の人間だろ?
そこの会長はうちの市長並みの容認派らしいからすごい仲がいいらしいぞ」
へぇ、容認派なのかそれはいいな。他人とわざわざ険悪になるなんて馬鹿馬鹿しいもんな。
「…………何と言うか単純な奴だな、それを聞いた瞬間にそれかよ」
「な、何の事かな?」
「………まあ、いいか」
話を終わりにして子供たちの方を見ると
「おい、何だあれ!?」
俺は信じられないものを見た。
「ん?ああ。魔力を使ってることか?
何でも会長が特殊な訓練法で子供限定になるらしいが、殆ど手に入れる事が出来るらしいぞ」
「な…………」
俺は絶句した。なんじゃそりゃ!?
魔力を使うなんて一握りの人間にしか使えないものだと思ってたのに。
目の前で繰り広げられているのは帝国武術大会以外であるなら決勝であってもおかしくないレベルの戦いが繰り広げられている。
「規格外だな」
「そうだな。まあ、そう言うもんだと思って諦めろ」
「世の中理不尽だな」
「そうだな。そればっかしは運だろ」
元々は奴隷にされていたとしても羨ましい。
「はぁ、何を考えているかは予想がつくけどそれは不謹慎だぞ?」
「うっ」
俺顔をしかめて話をやめて無言のまま食事に戻った。
ありがとうございました
周り子たちは段々と他から見ればおかしいほど強くなります




