062 日常風景 ミーリャ・スルト
「なぁ、ミーリャよかったの?」
「何が?」
私は特に出掛ける用事も無いので邸の休憩所の様な所で本を読んでいると同じ奴隷商から買われてきた私以外に二人いる女の子の内に一人のスルトに話し掛けられた。容姿は紅色の髪をショートカットにしていて釣り目がちな目は将来美女になると予想させるには充分な容姿ね。
「だから、あの二人の事。
弁当作ってたけど最終的には手伝ってたじゃん」
「ああ、その事。別にかまわないと思うけど」
「何で二人がいいとこ見せちゃうじゃないの?」
「まあ、基本は出来ていたみたいだったから、すぐに出来る様になるとは思うよ。
それにせっかく出かけているのに昼食がおいしくないなんて颯様が可哀そうよ。
私としてはそっちの方が問題」
「むう。そうか………
まあ確かにそう言うのは嫌だけど」
「それに大丈夫」
私は何か含みある様に自信を持って言う。
「変な所では鈍感になるけど、そう言う所はしっかり分かってくれるから」
「そんなもんか?」
「そんなものよ」
「ところでスルト」
「何だ?」
「貴女も料理くらい出来た方がいいんじゃないのかしら?」
フフフと笑いながら言う。
「ちょ、まてまて。俺はいいんだよ、そう言うのは」
やっぱり面白い反応ね。強気に見えるけどこういう苦手な事はとことん苦手なのよね~
立派な淑女になる為にしっかりしましょうね~
いくつかのスキルや称号の増えた今では同い年の女の子を引き摺って移動する事なんて訳無いわね。
「はなせ、引っ張るな」
あと一人の方はどこにいるのかしら?フフフ、スルトがいると言う事は近くに居そうだけど嫌な予感がして逃げたのかしら?
あの子は勘が良かったから。
二人そろっていれば昨日の事の仕返しに丁度いいと思ったのだけど………しかた無いからスルトには二人分受けてもらいましょうかしらね?
「ひっ」
スルトも嫌な予感を感じたのか軽く悲鳴を上げる。
そんな怖がらなくてもいいじゃない、いつもの料理練習よりもちょっと辛いだけだから。
フフフフフ……
昨日の事は意外に根に持っている様だね。大丈夫かねえ彼女………
ありがとうございました
徐々にほかの子も出していきます。




