005 ギルドでのテンプレ?
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誤字が多くて、ご迷惑をおかけしました。
これからも読んでくれたらうれしいです。
迷宮から出た俺は、魔石を換金しようと思いギルドに入った。
何だか俺が入った途端に急に騒がしくなった。
先程この中では上位に入るパーティーを一人であしらっているから騒がしくなるのも当然とも思われるが。
だが俺は気にせずに換金する事にした。
先程とは別の人の居る換金用のカウンターに向かう。
「これを換金したいんだが」
そういいカウンターに〈アイテムボックス〉から、大量の魔石を取り出し置く。
ほー、一気に出すと結構高い山になるなあ。
あぁ、やっぱりこういう事があると茫然とするんだな。
「早くしてくれませんかねぇ」
「えあ、すいません少々お待ちを」
受付嬢は周りに受付嬢たちを呼んで数え始める。
ちっ、初めの時俺を担当した受付嬢じゃねぇか折角、別の所で換金し様と思ったのに。
まあ自業自得か。
・・・なんだかすげえ胡乱げな、目線を感じるがまあ無視だな。
「c-ランクの魔石が132個、cランクの魔石が97個、c+の魔石が71個
これはまさかリッチの魔石ですか!?」
あ、なんか適当に雰囲気で名付けていたけど名前それであっていたのかと、変なところに感心していると。
ん、なんか一人がこっちから隠れるように奥に引っ込んでいくな。
「ああそうだがどうにかしたのか?」
「貴方が数時間前にこちらに来ていましたが、その時はランクDだったはずです、どうやってこれを手に入れたんですか」
「それをこちらが話したとして何か得があるのか」
心が弱い者なら縮こまりそうなくらいの迫力で睨んでくる。
うん、怖い怖いそんなに睨むなよ。
「なら、あなたのギルドカードの使用を停止します」
俺は特に顔色を変えることなく言い返す。
「別に俺は、もうこの街にいる用は終わったからもう出ていくけど。
それなら別にこれ有っても無くても別に困らないでしょ?」
「・・・・」
黙り込んでいるな。
「なあそんなことはいいから早くしてくれないかな」
「………分かりました合計で2,780,000マギカ、金貨2枚と銀板7枚に大銀貨8枚です」
へえ、結構な額になったなあ。
確かおよそ銀板3枚で一般家庭が1年普通に生活できるって聞いたから結構大きな額だよな、これって。
もらった硬貨を数え、
「ああ、確かに」
と答える。
ん、なんだかおっさんがこっちに来るな、これはあれか。
周りもなんだかまた騒がしくなってるし。
まあ、あれだろうな、ギルドマスター登場。
ん、なんだ〈看破〉がそれは違うって言っているな
「君か、この魔石を持ってきたのは」
「・・・そうだがあんた誰だ」
「私は此処のギルドマスターを任されているエドワードと言うものだ」
‘だが断る’を言ってみたかったがなんか気になるな、付いて行ってみるか。
だがこの〈看破〉は少々気持ち悪いな、理屈無しでそれは違うと出るからなそれに、あまりこれは信用しきれないな、多分〈詐術〉〈演技〉なんかを相手が待っているのなら無効化されるだろうし。
「俺に何か用か?」
「私の部屋でこれについて話を聞かせてほしい」
大量に魔石を指さして言う。
「ああ、いいぞ」
そう答え、ギルドマスターに付いて行く。
重そうな扉を開けギルドマスターの執務室に入る。
中には実用一点張りの装飾のない机と椅子、本棚が置いてあるだけだった。
ふうん、真面目さのにじみ出た感じの部屋だな、まあ誰が使っていても違和感のない部屋とも言えるがな。
「で、本当は何で呼んだんだ。
別にこの程度の戦果なんて珍しくもなんともないだろ?」
「そうか?Dランクの奴がCランクの奴を5対1と言う状態でいながら、相手を無傷で無効化出来る奴などそうは居ないと思うが?
まあ、お前さんのそのランクが本当に正しければだけどな」
ま、やっぱり気になる所はそこだよな。
どういう仕組みだか解らんがその事実もタダで答えるのは面白くないな。
「それを知りたいのなら本物のギルドマスターを出せよ」
目の前の男が息をのむ。
後ろの受付嬢は反応がないな、やっぱりこいつなのか本物のギルドマスターは?
でなければギルドマスターが偽物だと言われたら少しは反応するだろうし、そもそも此処に付いて来ないだろうからね。
「君は一体何を言っているのかね!!、君は……」
俺に対して怒鳴ると言う偽物扱いされたら当然と言える対応をしようとするが
「もういい、この子はもう確信を得ている。
言い訳はもう無駄だろう」
後ろから聞こえる声によって遮られる。
やはりか、急に受付嬢は見た目に反し老獪で、油断ならない雰囲気と膨大な魔力を放ち始める。
これは…………今の俺が〈魔神継承者〉の称号を使って強化しているときとほぼ同じレベルか、多少とは言え敵との戦力差を計算出来るようになったのが後悔したくなったな。これは下手な事が言えなくなった。
ここで戦えば勝てなくはないが負傷するのは必至、いやまだスキルや称号で上がるだろうな。
「ほう、君はこれくらいの力量があるのか。
これはいいことを知った。」
っ、この女ぁ。
いっそここでおっぱじめるか?
いや、それではこいつの思うつぼだ、だがこれでの力量がばれた時点できれるカードが少なくなっちまったな。
称号は言う訳にはいかないからどうするか。
「なんですと、ルナ様と同等の力量ですと馬鹿なこのような若者がAランク相当の実力を持っているということですか」
エドワードさんがルナさんと話をしているうちに考えないとなあ。
ため息を突きながらルナさんはエドワードさんに言う。
「はぁ、お前、いくら驚いたからと言って私の個人情報をばらすとは、あとで覚悟しておきなさい」
ああ、かわいそうなほどに、顔を青くしているよ。
今のうちに打開策を考えるか。
スキル〈思考加速〉発動。
「はい、すいません。
それだけは勘弁してください」
必死で弁解しているのを無視し。
「おい、君は人の目の前で考え事をするのは少々礼儀がなっていないんじゃないのかい?」
え?スキルは無効化された?なぜ?
「ふっ、不思議そうな顔だな、覚えておくといい思考の加速系能力は、使用中に頭に魔力の塊を当てられると効力が無効化されるということを」
おいクノそんなこと聞いてないぞ。
だが、それで無効化できるとして俺はいつそんな魔力を頭などにくらった?
何もしなければ殺されるかもしれないな。
臨戦態勢くらいは取らせてもらうか。
スキル〈思考加速〉、〈並立思考〉、〈平速思考〉、〈魔力操作〉、〈見切り〉発動。
会話をするためにメイン思考の思考速度は1倍にとどめそれ以外を10倍に設定。
「なんだ、ここでやりあうのかい?」
「別に気にするなよ、あんたと同じでただの威圧だよ。
それに急に襲われた時の保険でもある」
即座に闇属性の上級魔法くらいは打てる準備をして、先程の様な事をされない為に頭部を〈魔力操作〉の魔壁でカバーする。
まあ、本当に戦闘になったら切り札をつかえない時点でかなり不利だけどな。まあヤバくなったら使うけど。
「私としてはあなたと争う気はありません」
「そりゃそうだろ、あんたと俺がこんなところで戦ったらこの街が無くなる」
嘘は言ってないな、俺の〈看破〉がそう言ってる。
そしてやつも〈看破〉を持っているだろうからこちらに闘う意思がないのは分かっているだろう。
俺たちは互いに見つめ合うと同時に臨戦態勢を解いた。
「はぁ、俺がステータスカードを偽装できる理由だったな」
まあなぜ?という問いにやり方は答えられんがまあこれが特別製だということくらいは言ってもいいか。
それなりに面白い奴と会えたからな。
「それはこのカードをくれた奴が特別な細工をしたからで、なぜその様な事が出来るかは俺も知らんし、細工の内容も分からん」
「な、出まかせを」
エドワードが割って入って切るが。
「〈看破〉を持っているあんたなら嘘かどうかくらい分かるだろ?」
「・・・そうだなお前の言葉に嘘はない。
しかし、まだ言ってない事があるだろ?」
「なに?最初俺に聞いたのはカードのことだろ?
それ以外のことは答える理由が見当たらないんだが」
「・・・」
「・・・」
俺たちは、無言のまま睨み合う。
「まあ、そう言う事にしておいてやる。
で、これから君はどうするんだい?
この街での用は終わったと言っていたが?」
「ああ、俺がこの街に来た理由は、レベル上げと路銀稼ぎだからな。
そのどちらも達成したからもういい」
「なんだ?その程度の額でいいのか?」
「なに一番金になりそうなものはまだ売ってないだけだ。
それに、ここでこれを買い取れるとは思えん」
「なにそれは少々聞き捨てならんな」
「なに、8等級の武器を即金で買える金は流石に持ってないと思っただけだ」
俺はそう言い〈アイテムボックス〉から【黒煉】を取り出す。
出したとたんに禍々しい雰囲気を刀が放ち始める。
それを見てエドワー、いやおっさんでいいか、おっさんは驚愕していた。
ルナさんは頬を顰めただけだったがそれは経験の差?年齢の差だろうか?
………妙な悪寒が。
だがすぐに顔を引き締めて聞いてきた。
「それで君にそれを売る伝手があるのかい?
それほどの等級となると、それすらも獲るのは難しいと思うぞ」
「別に適当にオークションにでも流すさ」
俺のその発言を聞いて再び驚愕する。
「馬鹿な、君は自分が何を言っているのか分かっているのか?
それがいったいどれだけの価値を持っているのか本当に理解しているのか」
まるで悲鳴を上げるかのように言い放った。
俺はそれに冷めた目を向けて、ため息をつきながら言い返した。
「別に俺の使う武器は、槍なんでねぇ、はっきり言うなら自分の使わない武器などたとえ10等級の剣が出ようとも俺は売るだろうな」
「っ」
「俺には収集欲などはないからな。
自分で使えないものなどには興味はない」
「・・・」
「・・・」
2人ともこの発言には開いた口がふさがらなかった。
まあ無理もないだろう、この世界で8等級なんて小国であるのなら1つあればいいと言われているレベルで、この世界での人間の大国、聖国グロリー、帝国ガイズル、帝国ガザン、皇国インペリルの4国だけでそれぞれがその等級なら5つほどあると(噂されているだけだが)言われている。
ちなみに、帝国が二国あるのは昔内戦で国が分かれたためだが、分かれてなお大国といわれるような国力を有しているのだから、元の国の大きさが桁外れであったことが解るだろう。
ちなみに彼にこのことを説明したクノにとっては、別に8等級など珍しくもなんともなかったので適当に言っていたせいか彼もそれほど珍しくもないと思っているので、それなりにはなるだろうが、そこまで大した額にならないと思っている。
「まあそれはいい君が手放す気でいるのなら、聖国から刀型の高等級の武器を探していると通達が出ているんだ、それは渡すのならそれと同じ等級の槍を用意しよう」
聖国?ああ勇者御一行か。
刀使いか?侍か?まあ後者ならこっちに侍は居ないからユニーク職か?
ちなみクノの情報。
「本当に8等級の槍なんて、手に入るのか?
別に槍使いなんて別にいくらでもいるだろ。
なんでそっちにまわさないんだ?」
まあ予想はつくんだが。
「なんでも侍と言うユニーク職を持っていて、さらにそのものは勇者のパーティーの一員らしいから優先して高等級の武器を与えられるらしいんだ」
くだらないな、そんな理由で優遇するなど。
あいつの取り巻きということは女だろうな。
「まあそう言ってやるなよ
勇者一行はね。象徴なんだよ。その象徴である一員の麗しい美女が高位武器を持いる事は何かと都合がいいんだよ」
「ああ声に出ていたか、すまないな。
そしてなんとも下らない理由だな」
彼は自分が勇者の内部でしか知らないようなことを漏らしていたのは、指摘されていなかったので気付いていない。
「でも交換するとして大丈夫なのか?
俺の属性にあうものが聖国にあるとは思えないのだが。」
「それに関しては問題ないだろう金と神の名にものを言わせて周りの国中から高位武器を集めているからね。多分それほどのものを持ち込めば、物もちょうど刀だから交換してもらえるだろう」
本当だろうか?
正直言うと俺は聖国に対していい思いがないからな。
クノが言ったことが本当かどうか俺はそのあとに〈遠視〉のスキルと探査の魔法を使って確認したが、まあ契約で誓わされたことは国に逆らえないことと人間に害をなさないことくらいであったが、意外と軽いものだったそれが事実だったので俺はおそらく一生信用できないだろうな。
「・・・そういうのなら仲介してくれんか?
俺は聖国や教会が信用できないから」
「なんだと貴様、教会を愚弄するというのか」
こればかりは、向こうから来た時から決して考えを変え無いだろう、例えこの世界には、本当に神がいて奇跡が起こるとしても、それには必ずと言って言い程に人間の私欲が付いて来るからなあ。そんで聖国は実害が有ったからな。
「愚弄するのではない。
ただ純粋に俺は、宗教が信じられないだけだ。」
「ぶしつけな質問かもしないが、君が教会を信用できない理由を聞いてもいいかい?」
「俺は、生まれつき変えられようのない理由で他人を差別する人間が嫌いなんだよ。」
何せ母親以外からは、本当にひどい目にあわされ続けたからな。
こちらの世界では綺麗事と言われるだろうが俺は、これだけは決して譲れない。
「なぜ?そう考えるんだい。
そんなことを言っていると生きづらいんじゃないのかい」
この世界で教会に逆らって生きるということは生きづらいなんてゆうレベルでは本来ないのだが。
なぜなら教会の威光は人間の住む国のすべてに教会は立っておりそのおかげで生まれた時から完全に洗脳に近いくらいに何度も何度も‘我々人間が最も神に愛された存在であり、それ以外のものはすべて我々が管理してやるべきである‘と言うことを子供のころ言われ続けて普通の人間は育つのだからである。
流石に本音を言うほどの関係ではないと思うので、少し言葉を濁す。
「昔はどうだったかは知らんが今は私利私欲のためにそれを利用している連中がほとんどだろう、むしろ聞くが、何故おまえらはその教えを信じる?
大方自分で深く考えたことはあるまい、ただ昔から他人がそう言っていたからだろ」
見たところルナさんはむしろ面白いという感じで聞いているが、おっさんの方は顔を真っ赤にして今ここにルナさんがいなかったら、今すぐにでも掴み掛って来る様な、そんな雰囲気だ。
「ははは、君はまるで昔の勇者みたいなことを言うね。
彼らの世界では人種差別が忌避とされていたせいで人を助けつつも教会に差別をやめるように言ったがそれを言った途端に勇者は魔族に毒されたとか言って殺したそうだよ」
こちらの反応をうかがうようにこんなことを話してくる。
だが俺は少し的外れなことを考えた。なんやかんやであいつが自滅すればいいと思ったがあいつのことだからどうせ戦う理由なんてあのハーレム野郎ことだからあの時少し見た巫女さんやお姫様のために闘っていると思わされて傀儡にされるんだろうな。
ちなみに勇者召喚は今までに八回あったらしい。
まぁ無難に答えとくか。
「本当にとことん屑だな、自分に都合の悪い奴は勇者でも殺すと言うことか」
嘘は言ってないがもう少し反応があると思っていたのか、心なし不満げだ。
多分、今までの会話の中で俺が異世界人と言うことはばれたとみていいだろう。
でなければ勇者の話などここでわざわざ入れては、こないだろうからな。
しかし自分たちの都合で呼んでおいて殺すとか何様のつもりなんだろうな。
「ところでさっきの仲介の話だがそっちは・・・」
「ああ、構わないよ。
じゃあ、明日聖国へ行くということでいいかな?」
「ああ、それで頼む」
「ではまた明日」
「ああ
あ、そうだ何かいい宿は知らないか?」
「ギルドを出てすぐにある『小鳥の泊まり場』と言うところが登録したばかりの冒険者ならそれくらいのランクがいいんじゃないか?」
「ん、そうかなら、そうするか」
俺はそう言って執務室を後にした。
ありがとうございました。
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