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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第二章 貿易都市で商会を始めるようです
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050 颯の苦悩

ちっ。


こんにちはミーリャです。冒頭での行き成りの舌打ちすいません。


しかし、これはつい出てしまったので、特に反省しません。


それ程の事が有ったと理解ください。

リル様とレティシア様達の慰めですが、まあ、そっちの方はうまくはいきました。


が、しかしです。しかしですよ。彼女たちの性知識がまさかコウノトリが子供を連れて来ると思っているのには、驚かされました。


完全に予想外でした。まったく目論み通りに行きませんでした。


彼女達の中での最高のスキンシップは、キスとハグこれで止まっているのですから正直お手上げです。

どんな育てかをすればこんな子に育つんですか………


無理に教えこんだらきっと簡単に出何所を探られて、颯様がきっときついお仕置きをしてくるでしょう。


すっごく痛かったので、もうあれは勘弁してほしいです。

もうあれは軽くトラウマになっているのですよ。


まあ、子供として見られていてその認識をどうにかしないと、どうしようもないと言う事で丸め込んで、大切にされているんだと言う事を強調して説明し、何とか立ち直ってくれましたが…………


当分はその認識をどうにかしようとするのは…………


まあ子供と言えど、何をするかは大体予想が出来るので最低限のお仕置きが来ることは覚悟しておかないといけませんね。

とは言え説得に必要だったと言えば何とかなる程度だと思いますが…………


しかしあの人は本当に女に興味が無いんでしょうか?

奴隷である私たちにまだ誰にも手を出していません。

少々男としてどうなんだと思うレベルです。


獣人族に少数でありますが女性もいて、獣人の見るところは強いか否かです。

彼女たちは自分の子供にどれだけ強い因子を引き継がせる事が出来るかが最も重視されます。


つまり、あの人たちにとって、颯様はドストライクの最優良物件で何時でもウェルカムだそうですよ。

颯様をそう言う事に気付かないのでしょうか?


これは中々に大きな問題です…………


二人に手を出していないことからロリコンではないでしょうし。

まあ、真偽は定かではありませんが。

とは言え、ヘタレであることは確実でしょうが。


普通自分を慕ってくれる女が居るのなら、抱いてしまうのが男と言う物なのではないのでしょうか。

私の常識が颯様を見ているとおかしいのかと思えて来ますね。


しかし、今日は疲れましたね。説得中に朝颯様の相談に乗ったと言ったときに少々唯ならない殺気に当てられた気がしたので怖かったです。

レティシア様の無表情とリル様の笑顔がこんなにも怖く感じるとは思いませんでした。


こういうのを何て言うのでしたっけ?

そうヤンデレです。

一番面倒なタイプだと聞いています。颯様も大変ですね、これが有るから女の人に手を出せないのかもしれませんが。

もしほかの女に手を出したとしたら、女の人が殺されるか颯様がその人を守れば捨てられたと思って自殺する可能性までありますね。


普段の姿を見ているとそんな事は少しも感じさせないのですが、今回の様にスイッチが入ると少々面倒な事に成りますね。


まあ、話をする限りいい子の様ですから出来れば颯様には彼女たちを悲しませないようにしてほしいですね。


そろそろ帰ってくると思うので、出迎えの用意をするとしましょうか。





俺は屋敷に戻った次の日、何やら嫌な空気を感じた。


何だろうこの寒気は?リルとレティシアの俺を見る目が怖い。

何と言うか……獲物を見る目と言うか、なんというか名状しがたい雰囲気は…………


近い内に男爵の暗殺を実行しに行きたいのだが、今日、俺はどうなるのだろうか?


これは、おそらくこの事が原因だろう。




屋敷に帰って来てその日に俺はミーリャにリルとレティシアを慰める事が上手く行ったか聞きに行った。疲れてはいるがそれでもちゃんと聞きにいかないといけないだろう。ミーリャは普段食堂での仕事を中心にやってくれているから多分そこにいるだろう。


予想通りミーリャは食堂に居た。俺たちは椅子に座って話を始めた。


「ただいま、どうだった?」


「ええ、上手くいきましたよ…」


何だか歯切れが悪いな、何かあったのだろうか?


「……何があった?」


「ええ、元気になっていたと思いますが」


「そうかならいいが、もしかして何か余計な事でも行ったのか?」


「…………」


何か言ったようだな。


「怒らないから、言ってごらん?」


俺はこいつらには今まで見せた事が無いレベルのいい笑顔を作って見せた。

笑顔を見た瞬間にビクッとして背筋を伸ばす。


「……ええと、ちょっとですね。二人に颯様に期待をされないのは自分たちが子供に見られているせいだと言いましてね」


「は?期待していない?そんな事は無いぞ」


「向こうはそうは感じていない様でしたよ。失敗をしたと言うのに怒られもせずにただ良くやったと言われては」


「いやそれは落ち込まない様にと、それに失敗なんてしていなかっただろう?」


「それは人によってはいいのかもしれませんが、あの二人はそこまで弱いでしょうか?それに颯様は魔人を討伐して来いとおっしゃったそうですね。それならあの二人にとっての成功とはすべての魔人を討伐する事です。それだと言うのにたとえ敵の中で一番強い者だとしても颯様に援護までさせてそれでも逃すなんて、二人の中では一番の失態です。それによくやったなどと言われればどう感じるか分かりませんか?」


「っ」


「あなたが思っているほど私達は弱くありません。

 もっと彼女たちの事を見てあげてください、もっと頼ってあげてくださいよ」


「……………」


俺は息を呑む。そして指摘をされた事に対して反論することも出来ない。自分の行動を振り返り確かにと思える部分もある。それにそこは俺にとって一番突かれたくない場所でもある。


他人の世話をすると言う事は難しいな。


特に普通を知らない俺にとってはな………


言い訳にしか聞こえないと思うが、自分がその様な事をされて来ていないからな。

紫苑お嬢様とは常に高め合うと言う条件の中で付き合っていた様なものだから、お互いのミスなど指摘もしなければ慰めもしなかった。母さんは唯々俺に甘えさせてくれたて言う今俺がしている様な感じだったし。ただ俺にはあれが正解に思えるんだよな、なんせどんな事があっても母さんだけは自分の味方でいてくれると言う事は疑いようのない事だったように思えたからな。それが無かったら俺は紫苑お嬢様との訓練もする気になれなかったと思う。


俺は弱いからな。俺は俺の事を守ってくれるものか、守っている者がいないと何もできないのかもしれない。幸い守る側は探せばいくらでもいるからな、この世界でも向こうの世界でも…………

ははは、なんだかんだ言って俺は自分の事しか考えていない。やっぱり俺は屑だな。


心の中で自嘲気味に笑う。


俺は誰かが居ないと何も出来ない。他人を護ろうとするのだって自分と同じ同類が欲しいだけなのかもしれないからだ。そうを思うと今まで自分のしてきた事が自己満足の様な気さえもする。


そう俺は怖いだけだ。自分の周りから庇護対象が居なくなるのが…………

〈魔神継承者〉をクノから渡されてから俺は強くなった、多くのスキルや称号を手に入れてたった一人でも国と戦う事が出来るレベルまで来ているだろう。しかも自分の能力を組み合わせて向こうの世界の兵器をベースにした武器を作る事も成功した。それを使って兵器を作り続ければ自分が直接闘わなくても勝てるだろう。


しかし、精神的な事には関しては大して成長が無い。


自分も自覚している。ミーリャには悪いけどこんな子供でも分かる事が俺には解らなかった。内心で俺はこの世界にいれば人としての感情の共感性が少しはましになるのではないかと少しは期待していたのだが、やっぱり俺は変われないのかな……


目元に何かが溜まっていく様な気がする。






な、何かまずい事でも言ってしまったのでしょうか、颯様の様子がおかしくなってしまいました………


何でしょうこの感じは昔よく見た事がある様なきがします………


これは、そうです。まるで助けを求めている迷子の子供の様な雰囲気です…………


私は颯様の急な変化に戸惑っています、いや。私は颯様の事をリル様やレティシア様と同様にいえ、もっと強い方だと思っていました。でも違ったのですね,あなたは強く在ろうとしている人なのですね。


そう思っていると私の中で何か今まで抱いた事の無い特別な感情が生まれた気がした。そして私は無意識の内に私は立ち上がり、俯いている颯様の頭を抱かしめて、髪を指ですいていました。


つい、自分が何故かは分かりませんが一番安心する事、恐らく顔も覚えてない親にやってもらった事をしていました。


「っ」


驚いた声を上げます。

リル様とレティシア様が後で怖い気もしますが………ええい、もう成る様になれです。


しかしそれにしても手触りがいいですね。細いのにしっかりコシ有るのに柔らかい……………はっ、触り心地を楽しんでいる場合ではありませんでした。


「無理をしなくてもいいじゃないでしょうか。

 颯様はよくやっていますよ。ですから少し力を抜きましょう」


「だ、だが……俺がしっかりしないといけないんだ」


でもただ反射的に出て来たような、唯それだけの事を返して来る壊れた人形の様に呟いている。


これは説得するのは無理そうですね。意外と頑固そうですらかねぇ、だったら、


「それなら、私の前くらいは力を抜いてください。

 もう、こんな姿を見せたんですから気にする事無いでしょう」


「……………………いいのか?」


長い葛藤の末に言葉を絞り出すと言う表現がぴったりだと思える声で返して来る。


「ええ、いいんですよ」


「ありがとう」


そう言って颯様は私に身を預けて来ます。


あ、涙が…………


颯様は何かつきものが落ちたような穏やかな顔で、私に抱かれています。何と言うか印象ががらりと変わってしまいましたね。朝は二人の事で本気で悩んでいる姿を見て、ここに来た初日の怖かった印象が薄れて、二人が懐いている理由が分かった気がしました。


更に初めは教会を敵に回すと言った時は驚きましたけど、私は個人的にも教会には怨みがありました。それに亜人を助けたいと言う理由も共感が出来ました。


そして内面を垣間見たと思えばこんなにも繊細で傷つきやすい、少々言い方が悪いかも知れませんが子供の様な人だと言う事が分かりました。


守ってあげたい。この人を傷つける人を近づけたく無い。


今は力がありませんですが、それはこれからどうにかして行けばいいのです。

〈魔力操作〉はリル様とレティシア様のおかげで手に入れました。しかしそれではまだ足りません彼を護るほどの力を…………


その後、颯様を眠りにつくまでそうしていました。

寝てしまった後は少々名残り惜しいですが、肩にブランケットをかけてそこを後にしました。


御休みなさい。


颯様。ゆっくりとお休みになってください。


さてと、この事をリル様とレティシア様に何て言いましょうか…………

殺されないといいですね………





そしてその決意をしてから一週間後その決意を秘めながら訓練に励んだ結果私は力を手に入れた。







感情値が一定を超えた事を確認しました


【聖母】は上位派生しました【魔聖母】を入手しました


特殊条件の達成を確認しました〈聖者〉は派生し〈堕ちた聖者〉を入手しました


特殊条件の達成を確認しました〈天使化〉は派生し〈魔天使化〉を入手しました


〈魔力操作〉は上位派生します〈魔力支配〉を入手しました





【魔聖母】に〈堕ちた聖者〉ですか奴隷に落とされ。たった一人の為だけに自分の力を振るうと決意したのですから当然ですね。


まあ、理由は他にもあるのだけども、それ原因の一つである為それも間違いではない。その為そう思い込んでしまい。颯の正体にはたどり着かなかった様だ。




元教会で聖者と崇められていたが貴族に罪を着せられ奴隷へと落とされた少女は【聖母】〈聖者〉を持ちながら教会を恨み、【真の魔王】を持つものに仕え、その者を心から守りたいと思うもとによって手に入る特別条件を満たす事によって手に入る。対天使用の最凶のスキルと称号を手に入れた。


颯は意図しない所で最凶の天使殺しの配下を手に入れる事になった。それに気付くのはもう少し先の事。



普段は見せないけど彼は繊細なのです。

しかし私が言うのもなんですがハーレム?がどんどん増えますね~

ちなみに彼の周りでめったに手に入らない称号が手に入るのは〈魔神継承者〉が原因です。


ク「あれを持っている彼は半は神の様なものだからね~

 彼に対して強くて純粋な感情を向けると言う事は、僕らに祈るのと同じ事になるんだよね~

 まあ、これは予想通りなんだけどね~」


との事です。


彼は〈魔人化〉だと思っていますが、本当の所は〈半神化〉の様ですがそれは?


ク「僕としてはこの事を隠しておきたいんだよ。だから細工して魔紋が出るように細工してあるんだよ」




ありがとうございました



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