049 完全敗北
完全にこの交渉は俺の負けだよな…………
もしかすると最初の叔父の話も俺の反応を見るために話なしたのか。更に驚くことは、こいつは殆ど嘘をついていない。
俺はこの交渉中ずっとこいつの様子を視ていた。心拍数も発汗も呼吸数もどれも正常だった。当然魔力も使ってはいない。
この事から油断していた。
これが経験の差か…………
こいつが嘘を吐いたのは紅髪の悪魔が自分の叔父を狙っていると言う事だけ………
はぁ、ちょっとこれは優秀すぎやしないか。
「ははは、武力では君たちに手も足も出ないからね。少しは出来る事を見せて置かないと」
「…………考えを読まないで下さいよ」
「君は正直だから読みやすいよ」
秘書の人にまでそう言われる。
「はぁ」
「すいません。この方此処まで信用できそうなものは居ないと奴隷商の事から目を付けていて、予想以上に有能そうな方だったので柄にも無くはしゃいでしまいまして」
…………苦労してますね。
…………これから、貴方もしますよ。
「「はぁ」」
「おい、どうしたんだ、そろって溜め息なんて幸せが逃げるぞ」
「「…………」」
俺達はそろって恨めしい目で睨む。
こっちの人の方が気が合いそうだ。
「変な所で団結してないで、そろそろ話をしないか?」
「こうなったのは、そっちの所為では?」
「お前に隙があるのが悪い」
「…………」
もう帰りたい。
「所で、ソル君彼を貴族とするのならどの位がいいかね」
「何ですか、藪から棒にそうですね……
個人の持つ能力、そして生み出した技術、保持する兵力。
声らを総合的に判断すれば。うまくやれば侯爵領くらいなら落せると思います。
それを加味すれば、辺境伯の叔父の後釜でいいかと」
え~、それ俺が殺して俺がその後釜につくって事かよ。
それはどうなんだ。
「魔人討伐の功績もありますし、問題ないです」
あ、また読まれたみたいだ。
「うむ、決定だな。紅髪の悪魔が叔父を殺せばお前は男爵だな」
「いや、ホント勘弁してください」
「ははは、大丈夫だ。もうすでにこの都市を救った英雄として名前を公開しているからな」
「な、なんて事してくれてんだ、コラ」
敬語なんで知るか、よろしい戦争だ。
「まあ、そうなっておけば君が勝った子供たちの安全は確保できるし。
君が孤児院を作ると言えば作れるよ。亜人たちがこの街を救った事にしておけば、君の亜人の差別意識の撤廃の近づくのではないのかい」
それになる事によるメリットを上げて来る
「どこまで知ってんですか、ホントに!?」
「ははは、ソル君そろそろネタばらしをしてもいいんじゃないのか」
心から愉快そうに払い声を上げる。
「ええ、そうですね。と言っても黙っておけと言ったのはウェイン様ですよ。
颯様、私を見て何か分かりませんか?」
「?」
銀髪。
「……」。
「??」
スレンダー美人
「………」
「???」
〈諸事万端〉発動
………ハーフエルフ?
そしてこの魔力を波長はもしかして?
「…………」
「もしかしてルナの親族?」
「はい。姉です」
にっこり笑って返事をした。
と言う事はだ、
「…………………手紙かなんか来てます?」
「はい。五日ほど前に」
ああ、そう言う事か道理でこっちの事を知っている訳だ。
考えてみれば、リルは見た事が無い筈なのに俺たちの仲間だと分かったのはそう言う訳か。
しかし何て書かれているかメッチャ気になる。
「知ってるなら、最初からそう言えばいいじゃないですか」
「君が貴族嫌いだからね。インパクトが必要だと思ってね。
所で男爵の件は受けてくれるね?」
「………………………………分かりました。受けます」
長い葛藤の末答えた。
まあ、面倒事もあるにはあるがメリットもあるからいいとしよう。
それに断られなさそうだし……
「うむ、では頼むよ」
副音声はしっかり殺して来いかな……
「はい…」
はぁ、疲れた。今日帰ったらしっかり休んでから殺しに行くか。
リルとレティシア今どうなっているかな?
疲労困憊と言う雰囲気で街を歩いていく。
色々知ってたのはこう言う事でした。
自分でもなんだかなぁ、とは思いますがそれでも奴隷商の事から個人特定して、相手に感ずかせずに会話を運んだりとかちゃんと有能な人ですよ。
ありがとうございました




