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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第一章 召喚されました、人間の敵になるようです
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004 迷宮でスキルを試そう

ギルドから出た俺は、まだ宿屋を探すには早いだろうから迷宮に潜ることにした。


迷宮は、この街の真ん中に位置しているから、探すのは簡単だ。


この街は、迷宮からとれるモンスターの素材と魔石とそれを取りに行く迷宮探索者たちに対する商売で産業が成り立っていると、聞いてはいたが、本当にそれ関係の店が多い、武器屋に防具屋、道具屋に宿屋が探索者のランクに合わせて、たくさん種類の店がある。


まあ、今は完全に無一文だから稼がないと今日の寝床さえも無いんだけどね。


考え事をしながら迷宮に向かっていると迷宮の入り口が見えてきた。


「すまんがcランクの階層の入り口を開いてほしい」


俺の格好と年齢を見て、


「ああ、cランクだぁ、自殺志願者かおまえ?

 もっと現実的なランクにしといた方がいいんじゃねぇのか」


管理人のジジイは、舐めたような目で俺を見てくる。

少しカチンときたので、能力を隠すとかそんなことも忘れて、ランクを偽装せずにジジイにステータスカードを見せてこう言った。

俺は切れると相当口の悪くなる悪癖があるせいか、普段では使わない様な口調で言った


「ぐだぐだと抜かしてねえで、とっとと黙って言うこと開けジジイ」


「あぁ、ジジイだと俺はまだ30・・・」


ジジイは俺のステータスカードを見て固まった。

固まったジジイに向かって、〈脅迫〉と〈歩く恐怖〉を発動させ言い放つ。


「分かっただろ?実力的には問題ない」


「ああ、わかった」


顔を青くしたジジイは転送装置を操作して、


「お気を付けて」


さっきの威勢はどうしたんだろうな?根性のない奴だ。

まあいいかとっとと入ろう。

俺はその反応に満足し、すっきりした様子で転送装置に入り迷宮に入った。




「ふぅん、やっぱり迷宮にはご都合主義的な光源があるみたいだな。 

 まあ便利だから文句はないが、途中に光源無しの場所があった場合苦労するのだろうな」


と言う、感想を抱きながら気を取り直して戦闘準備をしておく。

出し惜しみは無しだな。

闇属性中級魔法 黒槍‣剛、黒壁‣複 を発動しておく。

黒槍‣剛は文字通り黒槍の上位交換で、黒壁‣複とは初級の黒壁を術者の魔力量や技量の許す限り生成する魔法だ。

さらに〈並立思考〉を使い3つほどの中級魔法を発動の直前で待機させておく。


「さて、行くかな」




数時間か経過し俺は第50層のボスの階層の扉の前にいた。


ん?過程はどうしたってはっきり言うとギルドで闘った女たちの方が強かったし連携もうまかったんだよね。それに比べるとここのモンスターは連携もお粗末で、特に苦戦もなく完全に作業としか言いようがなかったしただ索敵で見つけた敵に向かって中級クラスの魔法をぶつけていく簡単な作業だったし。


まあ、一応ここまでで手に入ったスキルを紹介しておく〈索敵〉〈隠形〉〈空間把握〉〈マルチロックオン〉〈マッピング〉と迷宮に潜るには欠かせないスキルが手に入った。

さらに称号は 〈無慈悲な侵略者〉 〈大量殺害者〉 〈一騎当千〉と、どれも多対一の時に大きな補正がかかる優秀な称号だ。

ちなみに詳細は、


空間把握 


熟練度に応じて視覚以外で自分の周囲を把握する


PS これで後ろからの攻撃も怖くないね


マルチロックオン 


多数の敵に対する照準がしやすくなる

誘導効果の付加

         

PS これで散弾でさえ正確に敵を狙えるよ、無駄が無くなるよ




無慈悲な侵略者 


他のもののテリトリーに攻め込み、一切の容赦なくそこに住む者たちを殺し尽くしたもの

多対一で大きな補正


大量殺害者 


一度に多くの生き物を殺害したもの

多対一で大きな補正


一騎当千 


一人で千の兵に匹敵する者をそのもの足らしめる称号

多対一で大きな補正    


PS どれも普通じゃ手に入らないような強力な称号だよ。

  敵の数が多ければ多いほど、ほぼ無制限に力が上がり続けるのだからね。




あ、ちなみにcランク以上の敵がいるところから始めたから41層から攻略を始めている。


「いくらランクが自分のランクよりも低いとはいえ迷宮のボスには注意しろと言っていたな」


何故なら迷宮にいるボスモンスターは迷宮から魔力の供給を受けるから普通のモンスターに比べてランクが一段階くらい上昇するらしいからな。

そう、呟きながら扉を開いてなかに入った。

そこにいたのは、骸骨に禍々しい黒いローブに豪奢な金のアクセサリーを付けこれまた豪奢な金の杖を持ったいかにも生前は大魔法使いであると全身で語っているモンスターそうリッチだった。


「っ」


中に入った瞬間に幾つもの火炎魔法が飛んできた。

黒壁で飛来する炎弾を防ぐ。だが黒壁中級魔法でもあるにもかかわらず、初級魔法の火弾の一発で一枚の黒壁が消されていく。

俺は思考速度を今できる最大まで上昇させて数十本の黒槍を並立生成し投擲する。


しかし、それは奴に触れた瞬間に砕けた。


「くっそ、やっぱり闇属性は無効かよ」


しかも黒壁を一発で相殺とかなんだよ。

見た感じ初級の炎弾だと思うが、中級魔法の防壁を破壊とかやばい。


っ、こいつの魔力量は俺より多い!?


どうするか、攻撃は無効だしなあ、俺は職業【魔王】の影響でほかの属性の適性を犠牲にして闇属性の適性を上げているので、今はまだそこまで強いものは使えないからなぁ。

俺は油断していたみたいだ。

〈魔神後継者〉になったので自分は強いと思っていたがそうでも無かったみたいだな。

少しは考えながら戦わないといけないな。こういうのも含めてちょうどいい経験値稼ぎの場なのかな?


こういう時の打開策としては………数でどうにかしてみるか。

〈並立思考〉で火属性初級魔法 火弾 を10個程作りリッチに放つ。


「どうだ?」


四方から火弾を受け奴の周りが火に包まれる。

だが火が晴れるとそこには服にただ一つの焦げすらないやつの姿。


くそ魔壁で完全に防がれた。

ダメだな、これはやはりこの程度では、傷一つ与えられないか。

くそ、やばい攻撃手段がないな、これじゃあなぶり殺しにされる。


次は、初級の魔法に魔力を注いで、威力を底上げするか。

だが時間がかかるな、奴からの攻撃を防ぎながら魔力を貯めるのには無理が有るな。


〈魔神継承者〉の称号を使うのも有りだが、この称号を使うと一時的に魔人になっちまうからなあ、残留魔力で魔人がいたことがばれたら、絶対なんか聞かれるだろうし。


魔力を注ぐのは、いくら思考が速くなっても意味ないからね。


「はぁ、なんでこんな初めから、狙い撃ちしたみたいに相性が、悪いんだろうなあ。

よしあれを試すか」


俺は称号を使う以外に打開策が、思い浮かばなかったのでまだ練習中だった疑似複合魔法を使うことを決心した。


クノが言うには複合魔法は特殊な方法で使われる戦術級、戦略級の魔法しか存在しない。


つまり俺は特殊な条件下で、巨大な魔法陣を使わなければ作ることができない合成魔法を〈並立思考〉を使い、現象を途切れることなく繋ぎ合わせれば、似たような現象を引き起こすことができる………と考えられる。


さてやるか、〈並立思考〉で土、火、風、闇の属性の魔法を発動。


土を風の魔法で酸素を集め完全燃焼させた炎で温めさらに重力で土を凝縮し密度を上げて温度を上げる。


こう言うと簡単そうに聞こえるが本来なら、それぞれの工程を一人ずつに分担して、半径が1,5メートルくらいの魔法陣がいる大規模な魔法になるだろう。


込められた魔力と熱量の大きさにリッチが距離を取り始める。


「ははは、引いていくということはこれが、お前を殺せる威力になっていることがわかるみたいだな」


あとはこれに真空の層で囲って温度を下がらない様にすれば完成だ。

多重工程魔法 石弾‣劫火 と言ったところか。

大体表面の温度は3000度くらいかな?この色なら。


「終わりだよ」


俺はそう言って無属性の魔法 操作を使って石弾を小さく10個ほどに分裂させる。

俺はリッチを囲むように展開させ全方位から襲わせた。

リッチは氷の魔法で防壁を作って、それで俺の魔法を防ごうとする。

しかし、その程度の氷では俺の魔法に耐える事は、出来なかったようで一瞬で蒸発した。

石弾は奴を貫き、奴なんとか防御を試みるがそんなことは許さずに一気に攻める。

魔石を壊さないように気を付けながら体を削り続けた。


最後は魔石しか残らなかった。


「よし」


俺は起こした現象に満足しながら呟いた。

しかし、俺はその瞬間に強烈な眩暈とともに眠気に襲われた。

その急激な眠気に耐えることが出来ずに、俺はそこに倒れこむ、


「くっ、なんだ」


意識を保とうとするが、意識は遠のいていく。

意識が遠のく瞬間にスキル、称号の習得アナウンスが頭に響く。



スキル〈魔法合成〉を入手しました。


スキル〈平速思考〉を入手しました。


スキル〈疑似創星〉を入手しました。


称号〈戦術級魔導士〉を入手しました。


称号〈燋熱の魔導士〉を入手しました。


称号〈魔の極〉を入手しました。






何だったんだ、さっきの眠気は?


俺は頭をおさながら体に異常がないか調べた。


特に、これといった異常はなさそうだが、一体何だったんだ。

案外ステータスカードのPSを見たらわかったりして。


黛 颯

職業 魔導士Lv3 魔導槍士Lv2 魔王Lv1

称号 異世界人 魔王 魔神後継者 、、、

スキル 思考加速 並立思考 魔力操作 アイテムボックス 、、、


レベルはやっぱり上がりづらいな、まあクノ、曰く能力の上昇は指数的って、言っていたから。

まあ、当然かそれでも魔王Lv1で変化ないのはこたえるなあ。

えっと新しく手に入ったスキルは、


魔法合成 


複数の魔法を一つの魔法とすることが出来る。

     

PS これがあると一つの詠唱に本来なら相反する複数の属性の言霊を入れられるから楽にさっきの魔法が再現できるよ

君のことだから使いこなすよね(^_-)


今度は顔文字かよ、いったいなにを目指しているのだろうか、この駄神は。

しかもウィンクマーク?なんだか本当にウィンクしている姿が目に浮かぶなあ。

ん、この時点でもう違和感が無くなって来てる気がする。

さて次だ、


平速思考 


思考を分割し、さらに思考を加速する。

     

PS 君はバカかい?

普通思考を20分割してさらに思考を5倍にするとか何してんの!?

脳に100倍近い負荷をかけるとか倒れて当然だよ。

なんだか〈並立思考〉と〈思考加速〉でまるで〈無詠唱〉に見えるように使っていたけどもしかして〈無詠唱〉が勇者専用のスキルだって言ったときに、顔をしかめていたのはやっぱり意識しているのかい(*´ω`*)


ああしているよ、悪いか、なんかムカつくな、その顔文字。


疑似創星 


***************************


なんか伏せ字になっているし。

まあ内容の予想はできるけど。


戦術級魔導士 


一人で数千人単位のものに作用する魔法が使える者

魔力量と大規模の魔法の威力と範囲に大きな補正


PS これを持っていれば君も立派な人間兵器


人間卒業おめでとう


『俺なんかで、人間兵器の勇者なんかに勝てるのか?』

なんて言っていたけど、僕の加護を切った状態でこんなものが手に入るあたり、君は何もしなくても兵器だったって事だよね~ 



おい、まだそんな物騒な威力の魔法は使ってないよね。


まあさっきので、うまく使えばできる気もするが…



て、結局勇者と同じかよ。



燋熱の魔導士 


一つの現象を起こすことを一定以上に達することが出来た者


PS すごい、すごいよ。この手の称号は、一つの属性に特化した魔導士の一握りだけが到達しうる極地だよ

でも、君ならこの手の称号がいくつも手に入りそうだね


魔の極 


魔法の行使が神の領域に入った者

魔力量と魔力純度に極めて大きな補正

    

PS すごいね・・・

小規模ながら君がやったのは星の創造とおんなじことだよ。

そんなのを考えられるほどのイメージがつけられるって、君たちの世界の科学はすごいねえ。


なんで科学を知っているんだ?もしかして、記憶をのぞかれたか?

まあいいか、奴はあんななりでも神だから、これくらい出来て当然だろうしな。


…迷宮の踏破おめでとうございます。

 初の踏破ということで特典を差し上げます…


へぇこれは本当に都合がいいな。

何が手に入るかな?


と思い目の前に現れた宝箱を開ける。


「ちっ、ここでほしいものが出るほどご都合主義じゃないか」



出てきたものは刀身が黒い刀だった。


黒煉 等級 8

煉獄の黒い炎の宿した刀。

触れるもののすべてを溶断する。


厨二が入った奴なら小躍りをしそうな武器だが槍士の俺には関係ないな。まあ売るか。

つうか鑑定を持っていなくても説明が読めるのも都合がいいな。

そう思いながら転送装置に入り地上に戻った。

ありがとうございました。

感想・誤字の報告お待ちしてます。


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