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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第二章 貿易都市で商会を始めるようです
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042 アルの過去

奴隷たちのまとめ役のアルさん視点です


俺は変哲もないただの犬の因子を持つ獣人の村に生まれた。


特にこれと言って希少な少数種族と言う訳でもなく、ありふれた亜人の村だった。


そこで俺は、生まれた時から一緒にいた幼馴染のアンと恋をして村でも親を除いたら一番と言うくらいに強くもなった。

父も‘成人する頃にはもう手も足も出ないだろうな’と嬉しそうに言っていた。

母親もそれはとても嬉しそうだった。その日にはご馳走も作ってくれたものだ。


俺はそんな幸せな日々が何時までも変わりなく続いていくのだと信じて疑わなかった。

それは何の根拠のない思い込みだったと思い知らされたのは、それから半年後の雨の日だった。


教会の教えを理由にして亜人の村を襲っていた人間の盗賊たちが村を襲ってきたのである。


最初は旅人を装って村に入って来た。

こいつらは先に村に入って一番強い戦士を殺そうとして来た者達だった。


父が真っ先に殺された。


そしてその瞬間に村に大量の人間たちが入って来て俺の仲間たちを殺していった。


俺は父を殺した奴と戦った。

不意打ちしかできない腰抜けだと思って戦ったが、そいつは強かった。悔しい事だが、恐らく父と正々堂々闘ったとしても高い確率で勝つだろうと思えるくらいに………


殆ど遊んでいる様に気だるげに闘っていたが、それでも俺は負けた。

だが、そのおかげで、一番強い奴を足止めできたので大半の村人は逃げることが出来た。

アンは逃げられたかどうか分からなかったが、逃げきれている事を信じたい。


そして俺は捕まえられた何人かの村人と共に捕えられて人間の国に連れていかれる事になった。

ここでは不思議と怒りを感じてなかった。


‘俺は出来る事をやった’そう思っていた。


しかしそこで俺は目を疑う様なものを見た。


そう、居たのだ。


村の中でも上位の強さを持った彼女がそこで捕まっていたのだ。


「何故?逃げていない」


「ごめんなさい、あなたを置いて逃げられなかった」


だが、不用心に話をしたのが不味かった様で彼女奴らは俺の目の前で犯そうとしたのだ。


「いや、やめて」


「いいじゃないか、恋人に見せてやれよ」


「いや、アル見ないで……」


「ははは、いい声でなけよ」


どうやら奴らの頭はそう言う事は嫌いなのか、それとも亜人になど触りたくも無いのか、そこはにいなかった。


「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す、コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス……」





感情値が一定を超えたことが確認されました。


称号〈殺害者〉を入手しました


感情値が一定を超えた事と特定称号の入手を確認しました。


スキル〈魔人化〉を入手しました




新しく手に入れたスキルと称号を使う。

今までの自分では考えられない程の魔力と殺気を放つ。


「殺してやる!!!」


自分を戒めている魔法具アーティファクトを引き裂きアンを犯そうとして言う男に殴りかかる。


「があああ」


唸り声をあげながら殴りかかった。

その男の頭部は弾け飛んだ。


「ひぃ、ば、化け物」


「があああああああああああああ」






拳を振り下ろす何度も何度も、振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす振り下ろす。


戦いの最中最後の抵抗と言わんばかりに奴らはアンに向向かって高階梯の魔法を打ち込み殺した。


それをした魔法使いに向かって、たとえ生きていないとしても


拳を振り下ろし続けた。




死体の原型も無くなりそこには潰され、地面に張り付くだけの赤い染みだけが有った。


まるで終わるのを持っていたかの様に背後から足音が聞こえる。


「ははは、随分と良くなったねえ」


最初に鹿野の父親を殺した盗賊たちの頭は、盗賊とは思え無い程に細く女と見間違えそうな美貌の糸目の男であった。


「今の君となら面白く、踊れそうだ」


糸目をそれでも細いとは思うが見開き狂気の宿った笑みを浮かべる。


「さあ、踊ろう」


俺の剣を返してきて、自分の得物を抜いた。


「仲間を殺されて何も思わないのか?」


俺は盗賊たちを殺している最中に入ってこなかった理由と言う意味で聞いてみる。


「思わないよ、彼らは僕の手足、仲間じゃ無いしね」


「……そうか」


「そんな事はどうでもいいよ」


そう言うと瞬間移動と思える程の高速歩法で俺に迫る。


「はは、あはは」


笑いながら刀を振って来る。


「殺す!!!」


俺は今日何度目になるか解らない程言った言葉を掛け声にして戦場に踏み込む。




結果を言えば俺は負けた……


そして俺は皇国で奴隷となった。戦いの余波のせいで生きているのは俺と奴だけだ。

奴は去り際に‘生きて逢えたらまた踊ろうね’なんて言いやがった。

奴は次に会ったら必ず殺してやる。


一個人に恨みが向いている為に、彼はそこまで人間を恨む気持ちが無いと言う事になった。


そして三年後。彼は仲間とも言える奴隷たちの世話をしていたらあっという間に立っていた。

彼は強い分値段もそうだが警戒もされ売れ残っていた。


3年の月日は彼の殺意を他人には悟られない程に薄く鋭く研ぎ澄まされていた。


そしてそこで彼はその店長の命令であの悪魔を倒して来いと言う、良く解らない命令を受け言われた場所に行きそして出会った、自分がたとえ復讐をやめる事になったとしても下に付きたいと思う者に出会った瞬間であった。



ありがとうございました

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