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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第二章 貿易都市で商会を始めるようです
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041 書類仕事とイチャラブ


皆を見送った後俺は屋敷の事務室で、商会立ち上げのための街や国への申請書の製作に取り掛かっていた。


「そんなに彼らの事が気に成りますか?」


部屋にお茶を持って来ていたレティシアに言われる。

なお今の格好は‘家の中で家事をするのなら着物です’と言って、俺の作った黒地に水の波紋模様の刺繍がされたものを着ている。

着物を見せた時相当な数を頼まれているので、日本の四季折々に合う様な色々な模様の着物を現在作成中だ。

主人に着物の製作を頼むのはどうかと思う者もいるだろうが、これは俺の趣味なので特に気にしてはいけない。



「まあ、気になるね。そこらの連中位には如何こう出来ないくらいには鍛えたつもりだけど、やっぱり心配になる」


「颯殿はやはり仲間思いですね」


「そんな御大層な物じゃないさ、良かれと思って持たせたものが後々アイツらに何か問題を起こさないかと思ってな」


「それ位は自分で判断出来るとは思いますが、そんなに自分の仲間が信用できませんか?」


「そう言うなよ。まあそうだな、取りこし苦労になるように祈っているよ」


ふと、此処にいつもならもう一人いる気がするんだが……


「なあ、レティシア、リルは?」


「リルなら子供たちと遊んでいますよ」


「ん~、そうか。ところでお前はいいのか?」


「何がです?」


「一緒に遊ばなくて」


「颯殿が仕事をしていると言うのに私が遊ぶ訳にはいきませんよ」


それが当然であるかのように言う。俺としては年相応にしていてもらいたいのだけどここまで断言されると無下にできない………


「まあ、仕事と言うか、その前段階なんだけどな……」


自分が作成している書類を見ながら言う。


「それが、どうかしましたか?それに私がやりたいと思っているのですから、いいじゃないですか」


「良く出来た奴だよお前は、本当に俺なんかには勿体無いよ」


少々自嘲気味に言うと少し怒ったような口調に成り


「私は貴方に一生付いて行くともう決めたのですよ、そう思うなら相応しい人になってくださいね」


むしろもっといい者にれと言わんばかりに言って来る。


「……そう来るか」


若干苦笑いをしながら呟く。


「さあ、早く書類を仕上げてください明日には出しに行くのでしょう」


「善処するよ」


「……」


「確約するよ」


「よろしいです。では頑張ってくださいね」


「ああ、お茶ありがとね」


笑顔を浮かべて、


「頑張ってくださいね」


とそう言ってレティシアは事務室から出て行く。


「ふぅ、じゃあもうひと頑張りしますか」


レティシアとの会話で気分転換も出来たので先程よりは多少早く書類を仕上げていく。






「終わった~」


はぁ、疲れた……

書く内容がすごく多かったから大変だった。

使う店舗の場所に営業内容の事細かな内容、従業員数と更にその細かいプロフィール等々…


記入内容が多すぎて心が折れるかと思った。


「よろしいでしょうか」


「あ、レティシア丁度終わったから入って来て良いよ」


「失礼します」


ティーセットを持って中に入って来る。


「今度は紅茶とケーキを持ってきました」


「ご苦労様、一緒に食べる?」


ここに買い置きは無かったと思うからわざわざ買って来てくれたのかな。

本当に気が利くな。


「はい、いただきます」



レティシアが買ってきたケーキは一つ一つの大きさが一口サイズになっているもので、様々な種類の味を楽しめると言うコンセプトの商品だ。

苺、チョコ、チーズ、紅茶などのこちらでもポヒュラーな味を買ってきている。


奇を狙わずに誰もが食べやすい味を選んできているのは彼女の性格が出ていると言えるだろう。


おお、きれいな円形をしていて光沢の感じなんて宝石の様だ。

一つ一つ丁寧に作られている手間のかかっている高級品のようだな。


レティシアは事務室に置いてある食器棚から皿を取り出し綺麗に並べていく。

その内にティーポットからカップに紅茶を入れていく。


ん?


「あれ?フォークが一本しかないですね」


「あ~、切らしていたか……」


ソファーに座って隣を手でたたき。


「おいで」


「はい?どういう…」


「いいからいいから」


「はい分かりました。失礼します」


俺はケーキをフォークで刺して、


「はい、あーん」


「あ、ん……///おいしいです///」


頬を染めながら答える。

うん。かわいいな~もっと行こうか。

次のケーキを刺し。


「はい、あーん」


「ん……♪」


ああ、癒される…

リルも居ればいいんだけどな。


「…………颯殿。どうかなされましたか?」


表演上はこう言っているが内面は‘私の前に居て他の女の子と考えないでください’と言う副音声が聞こえるか気がするんだけどな………


「ごめん。何でもないよ」


内心で冷や汗をかきながら答える。


そんなこんなでイチャラブしながらおやつを食べ後に、






「ところで颯殿。なぜ明日書類を出しに行くのですか?

 無理をしてまで明日にするのは何か意味があるのですか」


緩み切っていた表情整えて聞いてくる。


「ああ、意味があるよ。今は言う訳にはいかないけどね」


「まあ、気になりますがそう言われるのであるなら」


「そうしておいてくれ。まあ明日には分かる事だけどね~」



ありがとうございました

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