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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第二章 貿易都市で商会を始めるようです
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039 勇者の狂乱

輝崎 勇希視点です


俺は何も無い空間で俺は立っていた。


ここはどこだろう?


あたりを見回す………が何もない天も地もあるかが、分からない空間にいる。そのまま何かないか周りを見ていると。


ん、誰かいる。


黒衣の長い髪の女がいた。その女は俺に近づいて来る。


何の前触れも無く、黒衣の女は刀を上段に構え、俺に向かって刀を振り下ろしてきた。


「ひっ」


悲鳴をあげながら刀を躱す。


「な、何するんだよ」


手をかざして距離を置こうとするが、その女は下段に構えている刀を振り上げ腕を斬り落す。


「あぁ、がああ、腕が、腕が」


ゆっくりと女は俺に向かって歩いて来る。


「何なんだよ、何でこんな事をするんだ」


叫ぶ俺に向って女は表情を変えずに再び刀を上段に構え、振り下ろす。


「うあああああ」







「うあああああ」


俺は叫びながら跳ね起きる。


「はぁはぁ…………ここは?」


見た覚えのないベットに寝かされていたようだ。


「…………」


俺は恐る恐る自分の腕を見る。


そこには何も無かった…………


腕が無いのは夢じゃないのか。


それを思い出し俺は腕を要り落された時の恐怖とそれに勝る程の怒りを覚えた。


「おのアマああああ。


 殺す、殺してやる、絶対に殺す殺してやる」


掌から血が滲むほどにこぶしを握り締める。

喉が潰れるほどの叫び声をあげる。


数分して、叫び続け怒りをある程度発散した後多少冷静になって、どうすれば彼女を殺せるかを考えた。


普通に戦えば確実に殺せるとは言い難いならどうするか?


悩んでいても答えが出そうにないので気分転換と調べ物をするために図書館へ行くことにした。






外に出て分かったが事だがどうやら今は夜中であるらしい、見張りの数も減っていて誰にも合わずに図書館に来る事が出来た。

王城にある図書館は基本的には、上級兵士、魔法兵しか使うが出来ないので特別な許可がいる。そして最奥には禁書も置いてある。


上位階梯の魔法は精霊と今すぐに契約することが出来ないから今は見送るとして、なにがいいか………


………………………禁書でも見てみるか。


国側は隠せていると思っているが、彼は知っていたこの国が人体実験をしている事を。そしてそれが今代の【勇者】の分岐点となる。






そこで俺はいいものを見つけた。


「ははははは、これなら、これなら奴がいくら強くても勝つことが出来る」


彼が見つけた物は禁書の中でも最悪なものと言ってもいいだろう。

しかし、これは太古の文字で書かれており誰にも読む事が出来ず、ただ歴史上の価値と最悪の禁書と言う言い伝えだけでここに置かれていた為、最悪の状態な彼に見つけられてしまった。


その本の題名は【生け贄による人体改造】と言う胡散臭さ丸出しの本だ。

彼も本当によく読む気になったと思う。


これは特殊な魔法陣を書いて、自分の同族を殺すことによってその殺した体数に応じて特殊な魔法を習得することが出来ると言うものだ。


習得できる魔法は七つ。


10、100、1,000……と言う具合に十の倍数ごとに習得できるらしい。


何だ、意外と簡単じゃないかと思うがこれは特殊な魔法を使ってから殺さないといけないので難しいだろう。

しかし彼は【勇者】だ。彼の持つ固有スキルの〈無詠唱〉これを使えば、そのカウント用の魔法を覚えれば常に生け贄をささげる事が出来る。


「くくく、早速行くとするかな。

 生け贄を探しに」


早速彼は生贄を求めて街のスラムへなかった。


恐らく彼は恐怖で心が壊れてしまったのだろう。

傷つけられた事で他人を傷つける事に対しての忌避感は無くなってしまい、更に自分のしたい事をする事に対する躊躇も前よりも酷くなってしまっている。






聖国のスラムは周辺の街に比べても相当な大きさがある。

これはまあ…此処に居る連中は自分の事しか考えていなくスラムなど放っておけと言っている位である為定期的に兵士を送ってそこに住む住人の数を調整して(・・・・)はいるが、それだけだろう。


だから、どれだけ殺そうが恐らく彼は罪に問われる事はないが狙った訳ではないだろう。

寧ろここの事は召喚された者達には隠されている。


「おいおい、いい格好してる奴がなんでこんなとこにいんだ?」


「いいじゃない、スアー君こいつの身包み剥いじまいましょうよ」


「ははは、そうだぜ。んな事はどうでもいいんだ」


顔を隠すためにマントを羽織ってフードまでかぶっているのだが、それでも質の良さが分かるようだ。

典型的な、街の不良と言う様な風情の三人組が思い思いに好きな事を言っている。

彼らは普段通りに得物を襲う心算であったんだろうが……


運が無かったと言う他無いだろう。


「丁度いい俺もお前らみたいな奴らを探していたんだ」


男たちは一瞬呆けた様な顔をするが、


「ははは、こいつは傑作だ」


「ああ、俺達を探していた?馬鹿みてぇ」


「ははは、腹いてえよ」


特に表情を変える事無く男たちを見ている。

それはくしくも彼が殺したがっている女そっくりである。


「「「…………」」」


そこして表情を変えずに見詰め続ける彼に何やら、背に悪寒が走る。


「……」


左手をマントの中で腰だめに構えて、居合のように振りぬく。

そしてその最中に〈アイテムボックス〉から聖剣を出す。


これは何故か慣性が働くらしく、ありえない速度が出る。

なお、それは今回に限っては特に狙っているわけでは無い。

右手が使えないからだからで、その為使っているだけであるからだ。


そんな速度で聖剣を振られればただの街の不良が如何こうできる訳では無く、反応も出来ずに上半身と下半身が別れることになった。


剣を軽く振るい血糊を飛ばす。


「……」


始めて勢いでは無く人を殺したが…


特に何も感じないな。


称号〈冷酷鬼〉を入手しました


称号(禁術士)を入手しました


称号〈外法の者〉を入手しました





その後七人の人間を殺したところで


生け贄の数を達成しました。


第一禁術【色欲之大罪グロクリム・アスモダイ】を入手しました


職業【勇者】は変異しました【真の勇者】を入手しました


称号〈勇者〉は(禁術士)〈外法の者〉と統合し〈邪曲の勇者〉を入手しました


入手者の体に欠損を確認しました。


〈半魔人化〉によって欠損を修復可能です。修復しますか。




了承を得たことにより修復を開始します。


「ぐああああああああああああ…………」


体の作り替わる痛みを感じているが確かに何もない肘から、骨が筋肉繊維が黒く炭化している皮膚を突き破り新しい腕を作っていく。


称号〈憎悪の半魔人〉を入手しました


これがのちの世に‘もっとも同族を殺した勇者’‘禁術を極めた勇者’そして‘最凶の勇者’と呼ばれることとなる〈邪曲の勇者〉が生まれた瞬間であった。



邪曲の勇者 


禁忌に手を染め人道から外れた勇者

禁術の使用時の威力、消費効率に極めて大きな補正


颯の〈魔王〉の称号と同じレベルのものだよ。

今回の召喚者たちは本当に予測が出居ないよ。

フフフ見ていて楽しい、本当に退屈しない(^^♪


ありがとうございました


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