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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第二章 貿易都市で商会を始めるようです
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036 第一回商会合同訓練


「はい、今から第一回目の訓練を始めます」


次の日、全員に訓練着を渡して、庭に集めていた。


「何をするんですか?」


「子共には武器の使い方に魔力操作の基礎をやる。

 それはリルとレティシアに任せる、出来るな?

 俺はお前たち大人を鍛える。無論実戦形式でな」


その大人達は、顔が引きつっている様だが逃がさないよ?

あ、ちなみにここは幻術と結界で囲ってある為、攻撃が周囲に跳んで行くことは無いし、他人に見られることも無い。


「よし、やるぞ、まず全員で掛って来い」


「やるぞ、お前ら以前の雪辱を晴らすんだ」


「「おおーー」」


アルが皆を鼓舞しそれ以外の者が返す。


へぇ、しっかりまとめているな~

アルには後で、何かご褒美を考えないと行けないな、まあ今は訓練だ。


「魔法は使わないから安心しろ、来い」


〈平速思考〉〈諸事万端〉〈瞬動絶隠〉〈魔力支配〉発動


お馴染みになったしスキルを発動し準備完了。

相手は、20人魔法使いは4人、他16人が4人一組になり攻撃をしてくると言う事か。

いいね、微塵も油断が無い。


しかし、まだだな。


俺は、即座に敵の中央に入る。


本来ならただの自殺行為だが、全方位を完全に知覚でき、合気術の技術を持っていて使える俺にとってはむしろ攻撃の絶えない場所は一番戦いやすい場所だ。

当然そんなことは解らないので、あっけにとられたような表情になるがすぐに顔を引き締めて攻撃を繰り出す。

全方向から来る攻撃対し、直線状なる様な攻撃を回転ドアの様に回転し、他の者めがけて投げる。


「時間差を付けろ、この様にタイミングさえ分かれば対処は容易いぞ!!」


俺はもっと工夫しろという意味合いで声をかける。


「はい!!」


「おう!!」


投げられたものが返事をする。


そのまま間髪入れずに一列に並んだ4人程のグループが来る。


ほぉ、面白いな。


「はああ」


戦闘にいる者が胸めがけて拳を出す、それを腕で逸らす勢いをそのままに腕をたたんで肘を鳩尾に入れる。


「ぐぉ」


後続の二人が今度は同時に攻撃を仕掛けようとするが、倒れこんでいく先ほどの者を力任せに投げつけ、そいつを目隠し代わりにして残る三人を一人は裏拳で顎を撃ち、二人目はそのままの勢いで回り蹴り、三人目は攻撃を仕掛けていたので、打ち出された拳を見切って手首を極めて投げる。


「最初の奴二秒はもたせろ!!その作戦の意味が無くなるぞ」


どうやら返事が出来ない様だ。

まあいい。


次は、8人で総攻撃か。

そして、そろそろ魔法が来るな。


少々急ぐか、〈瞬動絶隠〉で更に加速する。


「スピード上げるぞ」


そう言いギアを上げる。

数十メートルはある距離を一瞬で詰める。

恐らくこれくらいの速度になると、数人程しか姿でさえ目で追えなくなっているだろう

追えている者を優先的に狙うそのうちの一人であるアルに攻撃する。

動きに緩急をつけ残像を置き去りにして、背後に回り蹴りを撃つ。


「何?」


「ぐぅ」


驚いた事にアルはそれに反応した。

両腕を交差してその腕で、蹴りを止めている。


「うぉぉ」


足を持たれ蹴りを出して来る。


やるな、本当に何かやらないとな。


上半身をそらして、蹴りを避け地面に手を着き掴まれている方とは逆の足で、アルの足を払う。

腕の力が弱まったので、空中でそのまま回転し、周りに回し蹴りをお見舞いする。


その時、夥しい数の魔法が飛んできた。


回避は無理か、なら。


〈魔力支配〉の派生技能〈魔力分解〉を発動させた。

それにより、魔法は魔力へと還された。


魔法使いたちは、見たことも無い現象に開いた口が塞がらない様だ。

まあ、魔法使たちに打撃を入れるのには、怪我の可能性が有るのでやめておくか。


〈魔力支配〉の派生技能の一つ〈魔力振撃〉使用対象の魔力を暴走させダメージを与える技を使う。


魔法使いたちは悲鳴も上げられずに倒れる。


「さあ、まだまだこれからだぞ」


まだ、動ける者、動けない者等しくすさまじい悪寒が走り、その数時間後指一つ動かせなくなった者たちが転がっていた。




「これは………随分と厳しくやりましたね………」


子供たちの訓練が終わったのか、レティシアが顔を顰めながら話しかけて来る。


「そうか?

 まだまだだと思うが」


深いため息を吐きながら、


「颯殿からすればそうかもしれませんが、数時間も自分よりも強い相手と戦っていればこうなってしまいますよ」


レティシアはそう言って来るが、自分の修業時代を思い出してみるでも同レベルの者とずっと修行していたから解らないな。



「では次は、私たちとやりましょう」


「え?」


「お兄ちゃ~ん、かたづけ終わったよ~」


「え?かたづけ?」



周りも見ると倒れていたはずの者達が居なくなっている。


何時の間に………



「では、やりましょう」


「はじめよっか」



はぁ、何だかすごいやる気だよ、俺の周りの幼女は何でこんなに好戦的なのだろう。


二人がスキル・称号を使って、自身を強化にしていく。


ん?何だろう昨日よりも一段階くらい魔力が多く感じるな、何かあったのかな?

まあ、二人同時にやるのなら、もう少し称号を使うか。


〈魔の極〉〈紫電の魔人〉発動


魔力量が上昇し体に魔人の特徴である魔紋が出る。


やっぱり〈魔神継承者〉〈魔王〉よりは小さいな。

まあ、当然か。

ん?髪の色が変わってる?

〈紫電の魔人〉の所為か、他の称号でも変化が有りそうだな。


と、気を取り直して、



「それじゃあ、始めようか?」


「うん」


「はい」



今回は、リルと一対一で訓練をしていた今までと違いランクだけで言えば自分よりも高い二人とやるので、今日は、魔法攻撃解禁です。

当然だが加減はするが。



「行くぞ、リル」


「はい」



二人共普段は険悪だが、同じ戦闘狂(本人には言える気がしない)と言う事もあってこう言う時だけは息が合う。

こんなコンビネーションが出来るなら普段から仲良くしてほしいと颯は思っている。


本当に熟練のコンビの様な連携で向かってくる。


ちなみに今回の訓練でミスの回数が多かった方がその分だけ、颯への接触を邪魔しないと言う事を賭けているので、お互いの動きに細心の注意を払い合いそのせいで一糸乱れぬ連携に見えている。



そんな裏事情は知らないので戦闘狂だからと言う理由で片付けられるのは、少々可哀想に感じるがまあ仕方ないだろう、普段の行いがねえ………


それを迎え撃つために火、氷、雷、闇の中級魔法を使いそれぞれ属性の剣を五個ずつ作り出し自分の周りに浮かせる。


リルにとっては初めて見る俺の本気の魔法の行使、レティシアは昨日の事もあってかそこまで驚いてはいない、何やら尊敬が鑚仰さんぎょうや尊崇の領域に入り始めている・・・



「リルあれをやるぞ」


「はい」



あれって何だろう?


一人が二人と、二人が四人と、倍々ゲームのペースでリルとレティシアが増えていく。

最終的には、1024人になった。


〈分身〉か、何時の間に入手したんだろう?

合わせて2048人まあ、こんな大人数と戦うなんて、こう言う事は滅多に無いから楽しもうか。


こんな事を思うあたり、彼も同じ穴の狢だろう。


二人は分身を盾にして俺に接近してくる。

それに合わせ〈分身〉が雪崩の様に迫って来る。


魔法で作った剣を乱舞させ、迫り来る〈分身〉を繰り裂く。


四種類の魔法の剣による色が宙に残り、色とりどりの剣閃が空に移される。


頭上より膨大な魔力を感じ空を仰ぐと、手に持つ刀より数百メートルに及びそうな程の巨大な炎を燈した刀を、上段に構え振り下ろそうとするレティシアの姿であった。


リルの訓練の時の瞬間的に出せるものではなく、長時間の詠唱による事で生み出された高階梯魔法か。

どうやらその魔法に〈白焔〉を混ぜ込んで更に巨大な物としているのか、俺には思いつかなかった面白い使い方だな。


それじゃあ、俺も少々試したかった事をしようか。


氷の魔法の剣に〈魔力分解〉を行い魔法を氷属性の魔力に分解、〈魔力支配〉でその魔力を使用して空中に、魔法陣を書く。

超級の一歩手前の魔法使いとすればゴールとも言える特級を使う。


氷属性特級魔法 千樹氷獄 地面より一本一本が樹齢数千年クラスの大きさの樹を数万本生み出す氷属性最強の一角を発動させる。


レティシアが目を見開いて驚いているが、次の瞬間には何事も無かったように表情を戻し刀を振り下ろす。


焔は樹氷を食い散らかしていくが、一本ごとに目に見えて勢いが殺され五本目で逆に押し負け消滅した。

そのままレティシアを捕まえ、〈分身〉を一体一体正確に氷枝で貫いていく。


〈分身〉を全て貫き終えて、あれリルはどこだ?

馬鹿な俺が見失ったのか?


っ!?


背後に気配。


随分腕を上げたな、これは後でご褒美だな、だが残念。


雷剣を雷閃に変化させ打つ。


今日はこれで終わりだ。


しかし、それが当たった瞬間に消える。


〈分身〉だと………


再び気配今度は正面しかし、


……魔法は間に合わないか。


「はぁぁぁぁ」


前回の様な攻撃力では無く自分の持ち味であるスピードの上昇に全魔力を使い、袈裟切りを放つ。


上半身をそらして躱そうとするが、首筋に一筋の赤い線そしてそこから落ちる一筋の血。

本当にいつここまで強くなったんだろうな。

まあ、今日はたっぷり褒めようか。




「今日は、俺の負けだね」


レティシアを氷樹から、解放し頭を撫でながら二人に笑いかける。

どうやら俺の感知能力を誤魔化したのは、〈死氷〉で自分の周りにある温度、音、臭い、風、魔力などの全てを殺したそうだ、クノ、神がチートと言う程のスキルを破るとは恐ろしい奴だな。

とは言えこれは、周りの温度が同じくらい低くないとできないので俺が氷の特級魔法を使うまでが誘導されていたらしい、遊び心が出たことと、あれ位の魔法じゃないと迎え撃つには足りなかったとは言え、まんまと作戦にかかるとは、俺もまだまだだな。



「ご褒美を挙げようと思うから考えておいてくれ」


「はい」


「リル?何だい」


「この一週間開いている時間は、わたしと遊んで」


「む、ならば私も、颯殿お願いします」


「そんな事でいいのか」



俺はあっけにとられたような表情で言う。



「うん」


「お願いします」



まあ、本人が言うならいいかこの一週間は出来るだけ時間を作るか。


その後一週間は、颯が更にやる気になって訓練をした為、広場から訓練中は絶え間なく悲鳴が聞こえたと言う。


ありがとうございました

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