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クラスごと勇者召喚されたみたいだが俺の職業は魔王のようです  作者: satori
第一章 召喚されました、人間の敵になるようです
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019 リルちゃんとの訓練風景


セーラさんとセトさんとの模擬戦をしてから一週間がたった。

その間、三人に過去に何があったのか聞き出そうとしているのだが、中々切り出せずにいた。

何と無くではあるが、今のままでは聞くことが出来ないことが〈直感〉で解ったので聞けずじまいでいる。


その間は、リルちゃんの戦闘訓練をしたり、武器を作ったり、街で買い物をしたりと普通に街に滞在していた。

何故なら、リルちゃんは生来の身体能力と魔力量に頼りきりで、技術が拙い様であり、武器の方は人前で使える物を持っていなかったからだ。


聞いた話によればリルちゃんが持っている職業は【魔狼】【魔氷】【闘剣士】の三つ。

しかも、所持している職業の二つが最上級で残り一つが上級職だった。

驚いたことに俺の持っている職業の階級と同じだった。

種族的には、完全に負けているのでレベルが同じなら負けるんじゃないかと思っている。


とは言え、こいつはそれをもろともしない程に、強力なスキルと称号を持っているので逆に、相手のレベルが高くとも勝ってしまうだろう。


すごいよな、こんな力を持っていて、こんなに純粋に育つことが出来るとは、あの二人はよっぽどいい、親だったんだろう。


なんだかんだで、ここにら辺に、引退の理由がありそうだな。


ちなみに、【魔氷】とは、氷属性に限り極めて高い適正を手に入れ、おそらく最終的には思考だけで氷属性に限り無詠唱で使えるようになるだろう。

この【魔○】シリーズは、【○魔導士】の上位派生の最上級魔法職業である


さて、その訓練風景の一部を紹介しよう。




俺達は町から、一キロほど離れた草原にいた。


「さてと、一緒に旅をする前に、お互いの実力を確認しておこうか」


「はいっ」


「いい返事だ」


お互いに、スキル、称号を使い能力を強化する。

他人に晒せない〈白焔の魔王〉〈魔神継承者〉〈龍殺し《毒》〉以外の称号で強化した。

何だか見せられない物が、だんだん増えて行ってる気がする。

後で、彼女が持っている称号とスキルをこれが終わったら聞くとしよう。


見せられない称号以外の称号で強化したところ階級は、B+と言ったことろか。


「それじゃあ、いくよっ」


「行きます」


足下を風系統の魔法で爆発させて、突っ込んでくる。

手に持つ。白と黒の双剣で全身を使い、息着く暇もないほどに、連続で攻撃してくる。

速度は、父親に勝るとも劣らない位だな。


でも、


「足下が甘いよ」


全力で動いて完全に、体重を動かし切っている。

威力は高くなるけど、対人戦でこれはあんまりいい攻撃法では無いな。

突きを槍で反らしつつ足を払う。


「なっ、・・・はっ」


「なに」


驚いたことに、そのまま一回転し、魔力でさらに加速して空中で回し蹴りを放ってくる。

魔力を使って攻撃する分動きは読みやすくはなるが、こんなことも出来るのか。


すごい、ボディバランスだ。


そう感心しつつ、蹴りを躱し、同じことをしようとするが、次は回転の勢いを利用して、剣を振るう。


「すごいな、攻撃が止まらない」


「すごい、で、しょ」


この濁点ごとに、6~8回は攻撃が飛んでくる。


「ああ、すごい連続攻撃だ。

 流石に反撃をしないと、ダメそうだ」


手加減をして、こちらも攻撃を仕掛けることにする。

相手に怪我をさせない為に、手に持つ槍に魔力で覆い刃の部分が当たらない様にした。


「それじゃ、いくよ」


今度は、自分から攻撃に移る。

加減をした〈瞬動絶隠〉を使い間合いを詰める。

加速の勢いを余すことなく槍に伝え、突きを上半身に放つ。


リルちゃんは先ほどとは、比較にならないほどの勢いで、踏み込んでくる俺に驚いたような顔をするが、見事に見切って、槍の下に潜り込んで、剣で攻撃をしようとするが、さらに俺は踏み込んで剣の間合いの内側に入る。


「踏み込み過ぎだよ」


「え?」


槍を持っている手の逆の手で、掌を腹に入れる。

自分のスピードをそのまま返され、後方に5~6メートル程吹き飛ぶ。


当てた感覚が薄い、今のタイミングと体勢で後ろに飛ぶのが間に合ったのか。

なんて言うか、本当に才能の塊だな、俺じゃなくてリルちゃんが継承者でも良かったんじゃないのか?


自分の元に、戻ってきて


「すごい、すごい」


なんて言ってくる。

何だかテンションがおかしくない?

セーラさん、やっぱり子の戦闘狂ですよ。

貴方と同じで。


魔力を使って俺と同じ〈魔力操作〉による身体能力の強化を行う。

あ、やっぱり出来るのか、でも魔力の流れが甘いな。

流している魔力にむらがあり、魔力の無駄が目立つが、この歳でこんなことが出来るのは他にいないだろう。


今度は、魔力を足場にして地面だけでなく空中も走って攻撃を繰り出す。


うん~、空中を動けるんなら、さっきみたいな足払いとかは、使えなくなるな。

仕方ないから、そっち系の技は諦めるか。

と言っても、重力を無視して動ける俺にとっては、空中戦はむしろ得意なんだよな。

三次元的に高速で動き、正面にいたと思ったら、後ろ、横と一秒たりとも、同じ場所に居ない程の高速移動と、天才的なボディバランスによって繰り出される連続攻撃は、唯の戦士なら、攻撃も防御も間に合わず、されるがままに成るだろう。


だが知っての通り、こいつは普通とは言えない。


クノより人外さえも卒業しそうだと、言われている、感知能力で埒外ともいえるような、攻撃を感知し、そちらを見向きもしないで、攻撃を躱し、捌くなどをしていく。

大振りの攻撃が来たので相手の速度を利用した、返し技の回し蹴りを放ったら。

この技は、敵から速度を奪い、動いている最中で相手からしたら急に攻撃が来る技なので、流石に反応できなかったのか、後頭部にクリーンヒットしてしまった。


あ、これってやばいんじゃ。


俺は下に落ちていくリルちゃんよりも先に、地面に降りて受け止める。


あぶねえ。


気絶してるな。

俺は回復系の魔法が使えないから、どうするか。


取りあえず、〈諸事万端〉で体の状況を調べる。




・・・一応、頭の中の血管が切れてるわけじゃないから取りあえずは安心かな。


数分後、リルちゃんは無事、目を覚ました。


「う、ん~ん」


「あ、大丈夫?

 どこか痛いところない?」


と声をかけるが。


「今の何、教えて教えて」


「おっおう・・・」


・・・大丈夫そうだな。

それにしても不注意だったな。

セトさんに初見で簡単に回避されたから、大丈夫だと思っていたから・・・いや、言い訳だな、今後は気を付けよう。

取り返しの付かないことになったらまずいからな。

さてこれは、どうしようか、双剣でのやり方は知らないし、若しくは素手でやるんだけど、それだと双剣が持てないし・・・

でも、教えられないとも言いずらい。

基本を教えて、あとは自分でやらせる?

いやでも中途半端に教えると、変な癖がつくかも知れないし。

ここは、心を鬼にして、


「ごめん、自分の武器でしか他人に教えられる自信が無いから、教えられないんだ」


「え~」


「ごめんね」


「じゃあ、お母さんとやったやつやりたい」


「セーラさん達とやったやつ?」


なんかあったか?

何か楽しいことは、やった覚えがないんだけど。


「やってたじゃん、魔法をいっぱい使って、綺麗だったやつ」


「ああ、あれね」


あのシューティングゲームの必殺技を使ったような弾幕は、こっちじゃそう見えるのか。


「それじゃあ、いくよ」


頭の中で、無属性の魔法を組み立てる。

ちなみに、無属性は魔力純度が高くないと使えないんで、使うものが極めて少ない。

単純な威力なら普通に、攻撃力の高い属性を使った方が速いからだ。

だが、その分自由度が高く、今のように手加減をするような時は、都合のよい魔法と言える。

無属性初級 弾雨 発動

当たっても少し衝撃がある程度にした、魔弾魔法名に雨が入っているとおりに、雨のように数千の魔弾が〈並立思考〉により制御され、正確に目標めがけて飛んでいく。


「あははは」


リルちゃんは笑いながら、魔弾を剣で撃ち落としていく。

セーラさん急に、この子の将来が心配になりましたよ。

威力は低いとは言え、笑いながらあの攻撃を捌くとは思いませんでしたよ、はい。



まあ、途中からゲームの様なものになってしまったな。

とは言え、目標であった、実力確認は出来たから良いとする。

実は俺も楽しかったと言うのは、秘密である。



ありがとうございました


魔法の殲滅戦じゃないと長くなりますね

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