110 技術開発局の変人達 上
俺は半分くらいだろうか?クリスに自分の秘密を教えた時、クリスは俺の手を取って笑いかけこう言った。
「僕にこんな大きな秘密を話してくれて、ありがとう。
僕の力の及ぶ範囲の事なら喜んで協力するよ」
その後、俺がここでやっている事を見せて欲しいと言ったら、間入れずにそれを了承した
自分で言っておいて何だが、そんなに簡単に了承されるとは思っていなかったので流石に驚いた。
それを見たクリスは、正直に言うと魔法具を作れる君の能力を考えると差が有り過ぎて、見られても問題ないだろうと言った。
ちなみにクリスの背後でギョクは、思いっ切り首を横に振っていたのでそんな事は無い様だが………
その後、僕が案内するのは局員たちを緊張させるし僕も仕事があるから、錬金技術開発局の副局長を紹介するから彼女とギョクと一緒に回ってくれないかな?と言って来たので俺は、それを了承して研究所を回る事になった。
ギョクに連れられて錬金技術開発局の副局長の部屋に案内してくれた。
「テレジアさん。ギョクです。入っていいでしょうか?」
ギョクはノックをして中にいる副局長に声をかける。
「あ?ギョクか?ちょっと待ってくれ」
中から聞こえてきたのは低めではあるが女性の声だ。
気配を探ると作業をしていたとみられる場所から立ち上がり、扉の方へ向かって来る事が分かる。
扉が開き中から現れたのは身長が小学生高学年だが全身は目立たない程度ではあるが質のいいしっかりとした筋肉に覆われて、髪型は赤い髪を短く乱雑に切った感じで野性的な印象を受ける少女だった。
「おう、入ってくれ………そいつらは誰だ?」
彼女は扉を開けて入室を許可する時、俺達の方を見てそう言った。
どうやら彼女は相手に対して言葉遣いを頓着しないタイプのようだ。
そう言う者が上にいるのは一瞬どうかと思ったが、ギョクの事を考えるにおそらく外との対応は全てクリスがやるのか、それをする為の副局長クラスの人間がもう一人いるかのどっちかだろう。
それを踏まえると多少面倒はあっても実力次第で、上の位を手に入れる事が出来ると言う事が分かる。
無論どこもそうと言う訳では無いだろうが、少なくともそう言う事が出来るのは上にいる人間が優秀だからだろう。
「こんにちは私はマユズミ商会の会長の颯と言います。
彼女は自分の護衛兼秘書のレティシアです」
「よろしくお願いします」
俺がまとめて自己紹介をし、レティシアが終わると同時に礼をする。
「へぇ、俺はテレジアって言う。ここの副局長の一人だ。
それと俺はドワーフだからこんななりでもお前よりも年上だから敬えよ」
言い方によっては物凄く強い反感を覚えそうな事をニヤリとしながら、さらりと言ってのけた。
まあ、俺の場合は余りにも当たり前の様に言うので本気と言うよりも冗談にも聞こえる所が、あまり反感を覚えなかった理由かな。
「ええ、分かっています。よろしくお願いします」
「………それで、ギョクこいつはどう言ったようで此処に来たんだ?」
だが、俺が余りにも物わかりのいい反応をしたので、思い通りの反応が見られなかったからなのか不満げな表情をしている。
……………中々、いい性格しているみたいだな。
その反応から完全にからかって言って来たんだなと思った。
そして、この反応が相手の印象に残ると言う意味では正解かな?
「クリス様の命で局を颯様に紹介して来いと」
相手の口が悪いからだろうけどギョクもかなりフランクな言葉遣いになっているな。
意外と派閥争いとかは無くてそれぞれが仲がいいのかな?
「あぁ、面倒臭せぇな……おっ、そうだ」
口悪っ………聞こえているんだぞ………少しは気にしろよ……
別に俺は表立って何か言うつもりはないが、立場がる者でこれはどうなんだろうな………
「颯様、錬局のもう一人の副局長に面白そうな実験している奴がいて、そいつは確かお前の魔法具を見て作っている奴に会ってみたいって言ってたから、会ってくれないか?」
「分かりましたそれでお願いします」
……………敬語ポかったのは、最初だけか。
錬局ね、ここではそうやくしているのか。
「テ、テレジアさん……あそこから行くんですか!?
それはちょっとここの印象が絶対に悪くなるのでそこは避けた方が」
ギョクが掴み掛らん様な勢いでテレジアの発言を否定する。
「あぁ、つってもそこくらいしか見て面白い所なんてないだろう?」
間入れずに返す。
自分の発言に絶対的な自信を持っている様だ。
「それは……そうなんですが……あそこは………」
ギョクはテレジアの返しに否定は出来ないが、それでも行かせるのは不味いと言う印象がひしひしと感じる。
「颯様今から行く処はテレジアさんの言葉遣いの方が、平の研究者でも当然と言う場所ですけど………大丈夫でしょうか?」
恐る恐ると言った様な雰囲気で俺に聞いて来る。
「研究者ならそんなものでしょう?問題ありませんよ」
「ふ~ん、俺の言葉遣いを比較対象にされるのは少し遺憾だが、本当にひどいと思うし本当に変人ぞろいだぞあそこは。
なんせあそこは元いた国ではしがらみが多くて研究が出来ないとか言って来たり、追い出されて来たりした連中だぞ、本当に大丈夫か?」
最初に提案しておいて俺が了承したら、そんな警告して来るなんていったい何のつもりなんだろうか?
まあ、ギョクの反応を見るに面白そうな場所はそこくらいらしいから行くのは決定かな。
「大丈夫だから行こうか」
テレジアは何ともバツの悪そうん表情をしながら俺たちを案内した。
向かった場所は地下九階、昇降機で下に降り昇降機の扉があいた所から直で実験室になっている様だ。
扉が開き中が見えると、
「何これ………」
とつい呟いてしまった………
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