雨で会えない二人に
七夕にちなんで、ブログにあげた記事です。エッセイとしていますが、微妙です。
今日は7月7日。七夕です。
織姫星と彦星が、年に一回会える日ですね。
織姫星は織女とも言われ、機織をする天帝の娘です。
星座や天体に詳しい方には常識ですが、こと座のベガという星のことですね。
彦星は夏彦や牽牛とも言われ、牛追いの男性。
こちらは、わし座のアルタイルという星です。
2人はともに働き者で、天帝に結婚を認められて結ばれます。
織姫が仕事ばかりに夢中で、身なりがあまりにも粗末なのを心配して婿を紹介した、という伝説もあるようです。
2人は結婚してからすんごくラブラブになってしまい、仕事サボってイチャイチャしっぱなしに♪
怒った天帝は2人を引き離し、天の川で隔てて会えなくしてしまいます。
でも年に一回、7月7日だけは会うことを許しました。
大雑把に言うと、こんなお話だったですかね。
2人はその日を心待ちにしていますが、7月7日に雨が降ってしまうと、天の川が増水して川を渡ることができず、会うことができなくなってしまうそうです。
その際、2人を哀れんだ無数のカササギがやってきて、天の川に橋を架けてくれるという話もあります。
また、夜中になってから雨が降ると、それは2人が別れるときの涙であるという伝説もあります。
まあ、とにかく2人のために、7日はできれば晴れてほしいものです。
でも、現在の7月7日の晴れる確率は統計上、26%くらいだそうです(東京)。それもそのはず、通常は梅雨の最中ですものね。
昔はもっと会えてました。
昔は旧暦のカレンダーを使用しており、旧暦の7月7日は、だいたい現在の7月末から8月上中旬あたりになります。
こうなると梅雨は明けているので、だいたい53%くらいの確率で晴れていたようです。
人間の都合で会えなくなって、なんかかわいそうです。
また、年によっては月が明るすぎて天の川が見えなくなってしまうということがあり、これも太陽にあわせた新暦の弊害ですね。まあ、月がなくても現在の東京から天の川を見るのは容易ではありませんが。
旧暦では七夕の夜は必ず「上弦の月」でした。それを天の川を渡る船に見立てたりしていたようです。また、この時の月は結構早く沈んでしまうので、月明かりの影響は少なく、晴れれば天の川が美しく見られたようです。
現在でも旧暦の七夕を「伝統的七夕」として国立天文台が日付を公表しているようです。それによると、今年の伝統的七夕は8月13日だそうです。
東日本ではひと月遅れの8月7日に七夕を行う地域もあって、こちらの方が旧暦に近いですね。
さて、七夕といえば、笹の葉に願い事を書いた短冊を吊るしてお祈りする習慣が有名ですね。
これは、中国から伝来して中世の日本で定着した、「乞巧奠」という行事が原型となっているようです。
もともとは女性の針仕事の上達を願うものでした。
その行事と、織姫と彦星の伝説が合体したのはどうやら奈良時代の頃と、かなり昔のことのようです。
ただ、この辺りは色々な伝統、習慣や伝説が合わさったりしていて、諸説あって難しいですw
七夕は「たなばた」と読みますが、昔は「棚機」とも書いていたようです。
織姫星は機織りの名人ですので、針仕事との関係は強いですね。彼女に上達するようお祈りしたわけです。
それがやがて「女性の手習いの上達」を願うものとして、江戸時代に宮中から一般に広がったようです。
手習いには針仕事ももちろん含まれますが、もともと宮中行事ですから、女性の習い事は他にも琴とか歌とか、芸事にも結びつきます。
そこから、やがて「芸事の上達」を願うものになっていったようです。
現在では幅広く何でも願い事を叶える形になっていますが、もともとそういう経緯ですので、織姫様が得意なのは手習いや芸事方面かもしれません。
そっちの分野で上達を願う方は、特に気合を入れてお願いしてみてはいかがでしょう。
さて、二人のために、7日、つまり今日の夜が晴れますように。
どうやら、東京では珍しく昨日梅雨明けしたようなので、今年はなんとかなりそうですねw