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女の子の視点
少女が失恋旅行も兼ねて訪れた先はハワイ。
…そこには、あの日、私を助けてくれた彼が居た。
彼は旅人だった。理由は、やはりあの事件。
殺人犯だと知られると生きるのが辛くなるから、知られる前に旅立つのだと言う。
殺したくて、殺した訳じゃないのに。
正当防衛、認められたのに。
彼はそんな心配をして、平凡な生活を自ら手放したのか。
…理不尽だ。
助けられた私がのうのうと生きていて、
助けた彼が世間を怯えるように生きている。
彼の方が、立派な人間なのに。
"君に、申し訳ないことをした…"
ぽつりぽつり、呟く彼の唇は、震えていた。
やがて、黙ってしまった。
黙ってはいても、やはり彼の唇は震えていて。
恐れているのだ、と直感した。
私が、彼を怖がることを。
嫌うことを。
私は、彼の唇の震えを止めたくて、
彼より震える私の唇を、
静かに、彼へと寄せた。
多分、これで良かったんだ。
何が正しくて、何が間違ってるのかなんて、
今の私には、まだ何も分かりはしないけど。




