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婚約破棄された伯爵令嬢、緋色の殺人事件を解き裏切りの侯爵に鉄槌を下す ~星屑の夜に誓う復讐と新たな愛の物語~  作者: カルラ


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第13章 祝宴の光と新たな影

星屑の夜は、まるで愛と希望の花冠のように、王都の空に輝いていた。

黒蛇団の闇を打ち砕き、ディートリヒ・フォン・クロイツを倒した私、クラリッサ・フォン・エルヴィングは、ルートヴィヒ・フォン・ヴァルデック公爵との婚約を胸に、新たな未来を歩み始めていた。

ハインリヒ・フォン・シュヴァルツとエレオノーラ・フォン・ヴァイスの亡魂は、私の正義によって安らぎを得、ヴィルヘルム・フォン・ローゼンタールの破滅は、私の復讐を完結させた。

だが、王国の平和は、なおも見えない影に脅かされていることを、私は感じていた。

ルートヴィヒの愛は、私の心に永遠の光を灯し、私たちの結婚は、王都に希望の風を吹き込むはずだった。


「クラリッサ様、王都の貴族たちが祝宴の準備を進めています!」

マリアンネの声は、まるで春の小鳥のさえずりのように明るかった。

エルヴィング邸の大広間で、彼女は花束と招待状の束を抱え、私に微笑んだ。

私のドレスは、星屑を織り込んだような銀と青の絹で、婚約の喜びを象徴していた。


「マリアンネ、なんて素敵な知らせ!」

私は彼女の手を取り、笑顔で答えた。

「ルートヴィヒとの婚約が、王都にこんな喜びをもたらすなんて、夢のようね。」


「クラリッサ様、あなたは王国の英雄です!」

マリアンネの青い瞳は、誇りに輝いていた。

「黒蛇団を倒し、ローゼンタール家の罪を暴いたあなたとルートヴィヒ様の婚約は、誰もが祝福しています!」


私は頬を染め、心の中で呟いた。

ヴィルヘルム、あなたの裏切りは、私をこの幸せへと導いた。

あなたの破滅は、私の新たな始まりだったわ。


「クラリッサ嬢、祝宴の準備は順調か?」

ルートヴィヒの声が、大広間に響いた。

彼は黒と金の礼装をまとい、まるで夜の王子のように私の前に現れた。

その瞳は、まるで私の心を映す星屑のようだった。


「ルートヴィヒ、すべて完璧よ。」

私は彼に近づき、微笑んだ。

「あなたと一緒に、王都の貴族たちとこの喜びを分かち合えるなんて、信じられないわ。」


彼は私の手を握り、静かに言った。

「クラリッサ嬢、君は私の光だ。」

彼は私の額に軽くキスをし、囁いた。

「この祝宴は、君の正義と私たちの愛の証となる。」


私の胸が高鳴り、頬が熱くなった。

「ルートヴィヒ、あなたの愛は、私のすべての戦いを価値あるものにしたわ。」

私は彼の瞳を見つめ、誓った。

「これからの人生を、あなたと一緒に歩むわ。」


「クラリッサ様、衛兵からの書状です!」

マリアンネが書状を手に、慌てて駆け込んできた。

「王都の外で、黒蛇団の残党が目撃されたそうです……。」


私はハッとしてルートヴィヒを見やった。

「黒蛇団の残党? ディートリヒを倒したのに、まだ動いているの?」

私の声は、微かに震えていた。


「クラリッサ嬢、落ち着いて。」

ルートヴィヒは私の肩に手を置き、静かに言った。

「ディートリヒは死に、黒蛇団の主要な力は壊滅した。だが、残党が新たな指導者を探している可能性はある。」


「新たな指導者……。」

私は拳を握りしめ、決意を新たにした。

「ルートヴィヒ、祝宴の前に、この脅威を調べましょう。王国の平和を守るためよ。」


彼は頷き、剣を手に取った。

「クラリッサ嬢、君の正義は、王国を照らし続ける。」

彼の瞳は、まるで私の心を支える柱のようだった。

「衛兵と協力し、残党の動きを追おう。」


私たちは大広間を後にし、衛兵の詰め所へと向かった。

隊長が地図を広げ、報告を始めた。

「クラリッサ様、ルートヴィヒ様、黒蛇団の残党は、王都の南、灰色の丘で活動している模様です。彼らは、新たな禁呪の巻物を手にしているとの情報が……。」


「禁呪の巻物?」

私は息を呑み、ルートヴィヒを見やった。

「ディートリヒが死に、地下墓地が崩壊したのに、どうやって?」


「ディートリヒは、複数の巻物を隠していた可能性がある。」

ルートヴィヒの声は、まるで過去の傷を抉る刃のようだった。

「私の父が残した禁呪の研究は、黒蛇団の手に渡り続けていた。残党は、その遺産を利用しているんだ。」


私は彼の手を握り、静かに言った。

「ルートヴィヒ、あなたの過去は、もう私たちの力よ。」

私の心は、彼の痛みに共鳴した。

「一緒に、残党を止めましょう。禁呪の闇を、完全に終わらせるわ。」


彼の唇に、温かな笑みが浮かんだ。

「クラリッサ嬢、君となら、どんな戦いも恐れない。」

彼は私の頬に手を当て、囁いた。

「祝宴の後、灰色の丘へ向かおう。」


衛兵の隊長が頷き、準備を命じた。

私は心の中で誓った。

黒蛇団の残党、あなたたちの闇は、私の手で終わる。

私の正義は、王国の未来を守るわ。


その夜、王都の宮殿で婚約祝宴が開かれた。

大広間は、花と燭台で飾られ、貴族たちが集い、私とルートヴィヒを祝福した。

私のドレスは、星屑をちりばめた白と金の装いで、まるで夜空の女王のようだった。

ルートヴィヒは私の手を握り、舞踏の輪に導いた。


「クラリッサ嬢、君は今夜、最も美しい。」

彼は私の耳元で囁き、微笑んだ。

「この舞踏は、君との未来の第一歩だ。」


「ルートヴィヒ、あなたの側にいるだけで、私は輝けるわ。」

私は彼の瞳を見つめ、笑顔で答えた。

舞踏の音楽が響き、私たちは星屑の夜の下で踊った。


だが、祝宴の喧騒の中、衛兵の一人が私に近づき、声を潜めた。

「クラリッサ様、緊急の報告です。灰色の丘で、黒蛇団の残党が禁呪の儀式を始めたとの情報が!」


私はハッとしてルートヴィヒを見やった。

「ルートヴィヒ、今行くわ。」

私は彼の手を握り、毅然と言った。

「祝宴は続くけど、私たちの戦いはまだ終わっていない。」


「クラリッサ嬢、君の決断は正しい。」

彼は私の額にキスをし、剣を手に取った。

「衛兵を連れ、灰色の丘へ向かおう。」


私たちは祝宴の場を抜け、馬車で灰色の丘へと急いだ。

夜の街道は、まるで新たな戦いの幕開けを告げるようだった。

私の手には、黒蛇団の帳簿の写しと、ディートリヒの巻物の破片があった。

これらは、残党の儀式を止める鍵となるはずだ。


灰色の丘に到着すると、霧が立ち込め、遠くで紫色の光が揺れていた。

衛兵たちが剣を手に、私とルートヴィヒを囲んだ。

「クラリッサ様、儀式は丘の頂上で行われています。」

隊長が声を潜め、報告した。


「ルートヴィヒ、禁呪の儀式を止める方法は?」

私は彼の瞳を覗き込み、尋ねた。


「巻物の核を破壊すれば、儀式は崩れる。」

彼は私の手を握り、静かに言った。

「だが、儀式の守護者がいるはずだ。クラリッサ嬢、君は巻物を狙い、私は守護者を引きつける。」


「ルートヴィヒ、気をつけて。」

私は彼の頬にキスをし、囁いた。

「あなたは私の未来よ。絶対に生きて帰って。」


「クラリッサ嬢、君の愛は私の盾だ。」

彼は微笑み、剣を構えた。


丘の頂上に進むと、黒いローブの残党たちが円陣を組み、紫色の巻物を掲げていた。

その中心には、蛇の仮面をかぶった女が立っていた。

彼女の瞳は、まるでディートリヒの冷たさを継ぐようだった。


「クラリッサ・フォン・エルヴィング、ルートヴィヒ・フォン・ヴァルデック。」

女の声は、まるで毒を滴らせる蛇のようだった。

「私の名はイザベラ・フォン・シュテルン、黒蛇団の新たな指導者だ。ディートリヒの意志は、私が継ぐ!」


「イザベラ、あなたの闇はここで終わるわ!」

私は巻物の破片を掲げ、毅然と言った。

「黒蛇団の禁呪は、王国を滅ぼす前に、私の手で壊される!」


イザベラは低く笑い、剣を抜いた。

「クラリッサ、君の正義は、禁呪の力の前では無力だ!」


ルートヴィヒがイザベラに突進し、剣を交えた。

「クラリッサ、巻物を!」

彼の叫びが、丘に響いた。


私は残党の隙を突き、円陣の中心に飛び込んだ。

巻物の核――紫色の水晶――を剣で叩き割った瞬間、紫色の光が爆発し、儀式が崩れた。

残党たちが叫び声を上げ、霧が晴れた。


「イザベラ、終わりよ!」

私は彼女を睨みつけ、剣を突きつけた。


だが、イザベラは笑い、霧の中に消えた。

「クラリッサ、これは始まりにすぎぬ!」

彼女の声が、遠くに響いた。


ルートヴィヒが私の側に駆け寄り、肩を抱いた。

「クラリッサ、無事か!」

彼の額には汗が光り、傷が再び開いていた。


「ルートヴィヒ、イザベラは逃げたわ。」

私は彼を抱きしめ、囁いた。

「でも、儀式は止めた。私たちの勝利よ。」


衛兵たちが残党を捕らえ、丘は静けさに包まれた。

私はルートヴィヒの手を握り、星を見上げた。

「ルートヴィヒ、イザベラは新たな脅威ね。」

私は彼の瞳を見つめ、言った。

「でも、私たちの愛があれば、どんな敵も倒せるわ。」


「クラリッサ嬢、君は私の永遠の光だ。」

彼は私にキスをし、誓った。

「イザベラが戻っても、君と一緒に戦う。」


星屑の夜は、私たちの未来を祝福するように輝いていた。

黒蛇団の残党は一掃されたが、イザベラの影は、新たな物語の幕開けを告げていた。

私は、ルートヴィヒと手を取り、王都へと帰った。













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